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42. 少し冷えた体を暖めるように
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シャロがすぐリリーと帰り、一人びしょ濡れのまま稽古場から出たシャーロット。稽古場の外も、どしゃ降りで、ノースが稽古場の入り口に置いていた傘を取り、足取り重くうつ向いたままディオロイ城まで歩く。数歩で着くはずのディオロイ城が遠く感じながらも玄関前に着くと、ゆっくりと傘を閉じ、濡れたまま玄関の扉を開けた
「シャーロット様!」
廊下の掃除をしていた家政婦がシャーロットを見て大声で叫び駆け寄る。叫び声が聞こえた他の家政婦達も急いで玄関に駆けつけ、シャーロットを見て驚いている
「帰る途中に濡れたの。お風呂の用意をお願い出来るかしら」
「わかりました、すぐに」
「では、私達は着替えの用意を」
シャーロットの話を聞いてすぐ、家政婦達がバタバタと慌て出す。少し遅れて来たノースとクロームもシャーロットを見て驚き、ノースがシャーロットをぎゅっと抱きしめた
「やっぱり私も残って練習を見守れば良かったわね」
「いえ、私の不注意ですわ、お母様のせいではありません」
返事をするシャーロットの濡れた長く白い髪をノースが撫で、少し冷えた頬を暖めるように手を添えた
「稽古場に傘を置いていなかったかしら」
「いえ、ありましたわ。でも雨が強くて……。あと稽古場も……」
「稽古場がどうかしたの?」
「雨で床が濡れてしまいました。私の力ではどうにも出来ませんでした」
ノースの顔を見ず、うつ向きながら答えるシャーロット。それを聞いてノースが側にいた家政婦を見て一度頷いた
「すぐに見てきます」
「一緒に行って。本当なら魔術で乾かしてくれる?」
「わかりました」
ノースが魔術師達にも声をかける。急にディオロイ城が騒がしくなっていく。外も雨音と共に稽古場を見に行った魔術師達の話し声も聞こえてくる
「シャーロット、大丈夫かい?」
クロームが心配そうにシャーロットに声をかける。一瞬、うつ向いていた顔を上げ、ノースとクロームの顔を見た後、質問に答えるようにゆっくりと頷いた
「大丈夫ですわ。ただ、雨が降っただけですから」
そう言うと、少し体が冷えたのかクシュンとクシャミをした。少し体を身震いさせたシャーロットをノースがさっきよりも強く抱きしめ、二人の後ろで顎に手を置くクロームと顔を見合わせる
「お風呂の用意が出来ました」
「ありがとう。シャーロット、風邪を引く前に入りましょう」
ノースがシャーロットの背中に手を添え、一緒に廊下を歩く。クロームの横を通りすぎた時、ふとシャロの話を思い出したシャーロットが足を止め、ノースを見た
「そうだ。お母様、リンゴを用意できますか?」
「リンゴ?それならすぐに用意できるわよ」
「じゃあ、後でお部屋で食べてもいいですか?」
「ええ、準備しておくわね」
ノースがシャーロットのお願いにニコリと微笑み返事をすると、家政婦達と共にお風呂場に向かうシャーロットを見送る。ノースが心配そうに、はぁ。とため息をついていると、クロームが玄関の扉を開け、ザァと降り続く雨音が聞こえた
「あら、どこに行くの?」
ノースが出掛けようとしていたクロームを呼び止めた。扉を閉めようとしていたクロームが、少し振り返りノースを見た
「ちょっと見てくるよ。あの子達の魔術を見てみたいからね」
「シャーロット様!」
廊下の掃除をしていた家政婦がシャーロットを見て大声で叫び駆け寄る。叫び声が聞こえた他の家政婦達も急いで玄関に駆けつけ、シャーロットを見て驚いている
「帰る途中に濡れたの。お風呂の用意をお願い出来るかしら」
「わかりました、すぐに」
「では、私達は着替えの用意を」
シャーロットの話を聞いてすぐ、家政婦達がバタバタと慌て出す。少し遅れて来たノースとクロームもシャーロットを見て驚き、ノースがシャーロットをぎゅっと抱きしめた
「やっぱり私も残って練習を見守れば良かったわね」
「いえ、私の不注意ですわ、お母様のせいではありません」
返事をするシャーロットの濡れた長く白い髪をノースが撫で、少し冷えた頬を暖めるように手を添えた
「稽古場に傘を置いていなかったかしら」
「いえ、ありましたわ。でも雨が強くて……。あと稽古場も……」
「稽古場がどうかしたの?」
「雨で床が濡れてしまいました。私の力ではどうにも出来ませんでした」
ノースの顔を見ず、うつ向きながら答えるシャーロット。それを聞いてノースが側にいた家政婦を見て一度頷いた
「すぐに見てきます」
「一緒に行って。本当なら魔術で乾かしてくれる?」
「わかりました」
ノースが魔術師達にも声をかける。急にディオロイ城が騒がしくなっていく。外も雨音と共に稽古場を見に行った魔術師達の話し声も聞こえてくる
「シャーロット、大丈夫かい?」
クロームが心配そうにシャーロットに声をかける。一瞬、うつ向いていた顔を上げ、ノースとクロームの顔を見た後、質問に答えるようにゆっくりと頷いた
「大丈夫ですわ。ただ、雨が降っただけですから」
そう言うと、少し体が冷えたのかクシュンとクシャミをした。少し体を身震いさせたシャーロットをノースがさっきよりも強く抱きしめ、二人の後ろで顎に手を置くクロームと顔を見合わせる
「お風呂の用意が出来ました」
「ありがとう。シャーロット、風邪を引く前に入りましょう」
ノースがシャーロットの背中に手を添え、一緒に廊下を歩く。クロームの横を通りすぎた時、ふとシャロの話を思い出したシャーロットが足を止め、ノースを見た
「そうだ。お母様、リンゴを用意できますか?」
「リンゴ?それならすぐに用意できるわよ」
「じゃあ、後でお部屋で食べてもいいですか?」
「ええ、準備しておくわね」
ノースがシャーロットのお願いにニコリと微笑み返事をすると、家政婦達と共にお風呂場に向かうシャーロットを見送る。ノースが心配そうに、はぁ。とため息をついていると、クロームが玄関の扉を開け、ザァと降り続く雨音が聞こえた
「あら、どこに行くの?」
ノースが出掛けようとしていたクロームを呼び止めた。扉を閉めようとしていたクロームが、少し振り返りノースを見た
「ちょっと見てくるよ。あの子達の魔術を見てみたいからね」
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