ルーグ家の双子

シャオえる

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過去と秘密

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カフルはゆっくり語り始める

「昔、もう数百年も前の話。今とは違い、魔力というものは一般的なもので、火を起こす、電気をつける…とても重宝され、尚且つ殆どの人々が使えていたんだが…我がルーグ家は、魔力はほとんどない村人だった」

「えっ?」
「それは…」

「だからといって差別されることもなく、助け、助けられで過ごしていた。だがそれは大人の話。子供となれば話は別、子供は無情だ。差別とし、いじめになったんだ」

「それはそれは、とても悔しかったのだろう。今とは違い、能力のない人も練習次第で使えるようになるとは限らない」

「そう、今は科学、魔術の進歩で練習すれば、ほぼ全ての人が使えるようになったけど昔は違った…」


カフルは車椅子を押しコドルのすぐそばにある窓へ近づく
外は暗く、窓からの反射でコドルとリリスの顔が見える
二人に背を見せ、外を見ながらカフルは語り続ける

「我が先祖に、バルド・ルーグという男がいた。バルドはとても悔しかった。親も親族も能力がないことを苦にも思わない。だが自分はいじめられ苦労している…」

カフルは車椅子を動かして窓を背にすると、二人の方を見た
「そこで、どうしたと思う?」
コドルとリリスに問いかける

「え?」
「さぁ?諦めたとか?」


「バルドは、どうにか魔力が手に入らないかと、考えに考え、調べに調べた。そしてたどり着いた。あり得ないほどの魔力の手に入れ方を。その方法で、我がルーグ家は繁栄し、今では、ルーグ家は魔力では一番と言われるようになった…」

「その方法は?」
コドルが問いかける

カフルは、しばし無言になった
そして、覚悟を決め言葉を紡ぎ、語りだした


「バルド・ルーグは双子だった。ハルド・ルーグという双子の兄がいた。その兄と共に、10歳の誕生日に、魔術の儀式を行った。ほぼ魔力のない二人がなぜ使えたのも謎だか、とにかく成功はした」

「しかし、その日からハルド・ルーグの姿はなくなった」

「え?バルドは何をしたの?」
今度は、リリスが問いかける


「兄を生け贄にし、魔術の儀式を行ったのだ」


カフルの言葉に、コドルとリリスは驚き言葉を失う
だが、カフルは語り続ける


「儀式のあとは、ルーグ家の血筋にも魔力が伝え渡っていた。だが完璧ではない魔力は、時間がたてば、再び無くなっていった」

「その度に双子が生まれ、そして、10歳の誕生日に儀式が行われ、力を宿した。いつからか、双子が生け贄になる度に災害、紛争などが起こるようになった」

「だが、もうこんな時代だ…魔力がなくても練習次第で使える。電気も通り、火もガスのお陰で使える。ならば、儀式は要らないだろう。という本部とルーグ家の判断になった」


コドルは机の上にある資料を一枚取った
それは、ルーグ家の家系図が書かれている

「それで、この数十年、双子が生まれていなかったのか?」

カフルは首をふり答えた
「いや、双子は生まれていたよ…」

「えっ?でも…」

「そう、記録にはない。それは、孕んだ時、生まれた時、双子ということが分かったら即座に殺していたんだ…災いが、儀式が行われる前に…」

カフルはコドルを見つめる
「コドル、お前が生まれる前に双子がいたんだよ…」

「えっ?」

カフルから涙が溢れ、声も震え出している
「そう…だから、私はアリスとクリスを、どうしても助けたかった…災いとか儀式とかより、生きて幸せなってほしい…だからこそ、ルグドの反対、親族の反対を押し切り、リリスと共に逃げたんだ…10歳の誕生日を越えるように…」

カフルは、そういうとコドルとリリスを見つめる
「すまないな、二人とも私のわがままで…大切な孫を…お前達の娘を…」

リリスはカフルを抱きしめる
「お母様…私こそ双子の災害は知っていたのに、お母様と逃げたのです…ですが、こんな過去があったとは知らず…私も悪いのです」
二人は声を殺し泣き続ける

「母さん…リリス……だけど…」
コドルも、二人の様子に、何も言えず立ち尽くしている

その時、コンコンとドアがなった
「……はい」
コドルが力なく返事をする

ドアが開くと、ルグドが入ってきた

「残念な知らせだ…」
悲しい顔のルグド
「父さん、どうした…?」
コドルが問いかける

「森で大規模な魔力の反応があった。とお前達の家政婦から連絡がきた。アリスかクリス、どちらかではないか。という判断だそうだ」
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