ルーグ家の双子

シャオえる

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弱き者、だからこそ

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「い、いや…」

『大丈夫だ、痛みは感じない。すぐに終わるさ』
 恐怖に顔が歪むクリス
アリスは悲しい顔で、クリスをみる
『…いつもいつも、生け贄の者は同じ顔をするな…』
 アリスは、右手をクリスの左頬に手を添える
『むしろ喜んでほしいのだがな…ルーグ家の為、未来の為、己自身の為に…』

「バルドォ!」
 リズルが、アリス達に向かってきた
「リズルさん!」
 声に反応して、クリスも叫ぶ
だが、リズルは見えない壁に弾かれ、吹き飛んでいく
「くそっ!クリス!アリス!!」

「アリス、リズルさんが!!」
 アリスは無表情でリズルの様子を見ている
『ふん、やはり能力の無き者など無価値…こんな結界さえ破れんとは…』

「アリス…」
 クリスに呼ばれ、アリスはニコッと笑う
『…クリス、君がいるルーグ家は、この儀式…そう、君みたいな生け贄がいて成り立ってきた。見てごらん、この世界でとても、ちやほやされてきただろう?』

『君の大好きなパフェも、親もみーんなルーグ家の能力があってこそ…』

「そんなこと…」

『そんなことっ!』
 突然、クリスの言葉に語気を強め、怒鳴りだした
『この世は弱肉強食。力が無きものは生きていけない!弱いものはそこらで寝転んだり、地団駄でも踏んでおけばいい。だが、強くなる方法があるなら、誰だってそれを選ぶだろう?』
 
「いや、アリス…目を覚ましてよ」
 
『アリス?君の知っているアリスはもういないよ?この体の中、どっかに行っちゃったね、この体はもうバルト・ルーグだ…』
 クスクス笑うと、身体中を触り、納得したようすなバルド
『この体はとてもいいね、僕の波長とよく合う…このまま乗り移り生きようか…』

クリス達から少し離れた本部の壁沿い
リズル達が集まり、この状況を相談をしている

「くそっ!カフルさん!リリスさん!何か方法はないのですか?!」
 二人に詰め寄るリズル
だが、カフルは首を横にふり一言
「……ない」
と小さく答える
「ですが!」
 
「先祖代々儀式を終わらそうとしていた。だか、ここまで来ると誰も止められん…」
 カフルは自身の両手を広げる
その手にカフルの涙が一粒、二粒落ちてきた
「それにもう、私らも長年儀式をしなかった為、もうルーグ家として魔力は、ほぼゼロ…手がつけられん…」

「そんな…」


『さぁ、始めるよクリス…儀式の開始だ!!』
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