ブルーナイトダーク

シャオえる

文字の大きさ
13 / 19

13. 誰かの代わりに

しおりを挟む
「これ本当にライアが作ったの?ミコトの実験成功じゃなくて?」
「うーん……。あの爆発は大失敗だと思うんだけどなぁ……」
 机に置かれたクッキーを見つめヒソヒソと話す二人。その背後でライアがクッキーが食べたくてウロウロと二人の背後を交互に行き来している
「もう食べていい?」
「まだもうちょっと待って」
 シアがクッキーに手を伸ばそうとしているライアの腕をつかんで止める。食べれずしょんぼりと落ち込むライアの隣でミコトが使ったであろう道具を確認している
「これ、食べれると思う?」
「見た感じ必要最低限で作ったみたいだから、大丈夫とは思うけど」
「じゃあ、ライアが食べる前にミコトが先に食べてみて」
「えー……」
 ライアが食べる予定だったクッキーをミコトに渡す。渡す様子を見たライアがショックを受けた顔で手渡されたクッキーを見ている

「……いただきます」
 ライアがミコトをずっと見つめる中、意を決してクッキーを食べようとしたミコト。口に運ぼうと手を動かしたその瞬間、部屋の中にふわりとそよ風が吹いた。そのそよ風に気を取られ一瞬目を閉じた。すぐに風は止みそーっと目を開くとさっきまで持っていたはずのクッキーが無くなった
「あれ?クッキーは?」
 慌てて辺りを見渡す。ライアもキョロキョロと部屋を見渡し探す。すると、フルールがライアが作ったクッキーを全部咥えて窓辺で立っていた
「えっ、フルール……なんで?」
 ミコトがフルールに声をかける。はじめてフルールを見たライアが驚いてシアの服をつかみ、背中に隠れた
「そのクッキー返して」
 フルールに手を伸ばし取り返そうとするが、フルールがバサリと大きく羽根を広げ、そよ風をなびかせ三人の背後に回るように飛び立った
「いなくなっちゃった……」
 すぐに振り向いてフルールを探すが、ヒラヒラと舞う羽根を残し部屋から消えていた
「大丈夫。マリーおばさんに頼んでまたクッキーを作ってもらおう」
 フルールにクッキーを奪われしょんぼりうつ向くライアの頭を撫でるミコト。シアはフルールがいた窓を見て外の様子を見ると、まだ雨風が強く止みそうになかった


「あら、フルール」
 カメリアと休憩をしていたアルトがカメリアの背後に急に現れぐるりと一周したフルールに気づいて声をかける。カメリアが少し背後に目線を向けると、フルールが二人の前まで移動すると、テーブル置いていた二人のティーカップのソーサーにライアが作ったクッキーを置いた
「その美味しそうなクッキーはどこから?」
 アルトがそう言うと、カメリアがクッキーを一枚手に取り、迷い無くそのクッキーを少しかじる。しばらく味わうようにクッキーを見つめるとフフッと嬉しそうに笑った
「よく出来ているわ。次に作るおやつが楽しみね」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語

紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。 しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。 郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。  そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。 そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。 アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。 そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...