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14. 呼び止める声
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「ライア、元気出して」
「天気が良くなったらすぐに買いに行こうね」
フルールにクッキーを取られた数時間後、学園の廊下をトボトボとうつ向きながら歩くライアにミコトとシアが声をかける。何度か励ましの声をかけても、はぁ。とため息をついてしょんぼりとうつ向いたまま歩く
「落ち込みがすごいね」
「あれから一度もクッキーは作れず、失敗ばかりだったから仕方ないよ」
ライアを挟んでヒソヒソと話す二人。その話が聞こえたライアはフルールにクッキーを取られた事を思い出し頬を膨らませた
「そういえば、私とシアの分の残りのクッキーってあったっけ?」
「ううん、美味しかったから一緒に一気に全部食べちゃったでしょ」
「あっ、そっか」
シアとミコトが話しているのを聞きながら先頭を歩くライア。まだ少しムッと怒った顔で歩いていると、目の前にカメリアの隣を一生懸命ついて歩くフルールを見つけた
「あっ!さっきの!」
フルールを指差し大声で叫んだライア。その声が廊下に響いて、声に気づいたカメリアとフルールが振り向くと、ライアが廊下に足音を鳴らし近づいてきた
「ねぇ、私のクッキーは?」
フルールとカメリアを交互に見て、さっき盗まれたクッキーを探す。険しい表情のライアにフルールが驚いて、窓の方に少し飛んで逃げた
「ごめんなさいね。お詫びにこれをあげるわ」
ライアとフルールの様子を見たカメリアがフフッと困ったように笑いながら一枚の緑色の葉っぱを差し出した
「なにこれ美味しいの?」
「いいえ。今はまだ美味しくないものよ」
話をしながらカメリアから葉っぱを受けとり怪訝な顔で見つめていると、追いかけてきたミコトとシアも葉っぱをを見る。ライアが持つ見慣れぬ葉っぱに二人顔を見合わせ首をかしげた
「また美味しいもの作ってね」
そう言うと再び廊下を歩きはじめたカメリア。その後ろをフルールが翼を広げ追いかけると、フルールの羽根がひらりと舞い、ライアの前に一枚ヒラヒラと落ちた
「なんの葉っぱだろう?」
「さぁ?ご飯食べてから後で調べてみる?」
「そうだね」
カメリアとフルールが去る姿を見ながら二人が話す。その間、静かなライアに目線を向けると、葉っぱを見ていたライアが突然カメリアから貰った葉っぱをほんの少し口に入れた
「ライア!食べちゃダメだよ!」
シアが慌ててライアの手をつかむ。その声に一瞬ビクッと驚いたライアが恐る恐る葉っぱを口から出した
「これ美味しくない……」
ライアがしょんぼり葉っぱを見つめ呟くと、ミコトとシアが顔を見合わせ苦笑いをした
「無くさないように気をつけてね」
ミコトがライアにそう言うと、葉っぱを持つ右手をつかみ、先にシアが二人を追い越し廊下を歩く
「あれ?ミコト、どうしたの?」
少し歩いた後、ライアの手をつかんだまま動かないミコトに気づいたシアが声をかける。その声にハッと我に返ったミコトが二人の顔を交互に見ると、ライアも困った顔でミコトを見ていた。二人の心配そうな顔を取り除こうとエヘヘと笑ってライアの手をぎゅっと握りなおし、ライアと一緒にシアのもとに駆け寄った
「なんでもないよ、ご飯を食べる時間が無くなるから急ごう」
「天気が良くなったらすぐに買いに行こうね」
フルールにクッキーを取られた数時間後、学園の廊下をトボトボとうつ向きながら歩くライアにミコトとシアが声をかける。何度か励ましの声をかけても、はぁ。とため息をついてしょんぼりとうつ向いたまま歩く
「落ち込みがすごいね」
「あれから一度もクッキーは作れず、失敗ばかりだったから仕方ないよ」
ライアを挟んでヒソヒソと話す二人。その話が聞こえたライアはフルールにクッキーを取られた事を思い出し頬を膨らませた
「そういえば、私とシアの分の残りのクッキーってあったっけ?」
「ううん、美味しかったから一緒に一気に全部食べちゃったでしょ」
「あっ、そっか」
シアとミコトが話しているのを聞きながら先頭を歩くライア。まだ少しムッと怒った顔で歩いていると、目の前にカメリアの隣を一生懸命ついて歩くフルールを見つけた
「あっ!さっきの!」
フルールを指差し大声で叫んだライア。その声が廊下に響いて、声に気づいたカメリアとフルールが振り向くと、ライアが廊下に足音を鳴らし近づいてきた
「ねぇ、私のクッキーは?」
フルールとカメリアを交互に見て、さっき盗まれたクッキーを探す。険しい表情のライアにフルールが驚いて、窓の方に少し飛んで逃げた
「ごめんなさいね。お詫びにこれをあげるわ」
ライアとフルールの様子を見たカメリアがフフッと困ったように笑いながら一枚の緑色の葉っぱを差し出した
「なにこれ美味しいの?」
「いいえ。今はまだ美味しくないものよ」
話をしながらカメリアから葉っぱを受けとり怪訝な顔で見つめていると、追いかけてきたミコトとシアも葉っぱをを見る。ライアが持つ見慣れぬ葉っぱに二人顔を見合わせ首をかしげた
「また美味しいもの作ってね」
そう言うと再び廊下を歩きはじめたカメリア。その後ろをフルールが翼を広げ追いかけると、フルールの羽根がひらりと舞い、ライアの前に一枚ヒラヒラと落ちた
「なんの葉っぱだろう?」
「さぁ?ご飯食べてから後で調べてみる?」
「そうだね」
カメリアとフルールが去る姿を見ながら二人が話す。その間、静かなライアに目線を向けると、葉っぱを見ていたライアが突然カメリアから貰った葉っぱをほんの少し口に入れた
「ライア!食べちゃダメだよ!」
シアが慌ててライアの手をつかむ。その声に一瞬ビクッと驚いたライアが恐る恐る葉っぱを口から出した
「これ美味しくない……」
ライアがしょんぼり葉っぱを見つめ呟くと、ミコトとシアが顔を見合わせ苦笑いをした
「無くさないように気をつけてね」
ミコトがライアにそう言うと、葉っぱを持つ右手をつかみ、先にシアが二人を追い越し廊下を歩く
「あれ?ミコト、どうしたの?」
少し歩いた後、ライアの手をつかんだまま動かないミコトに気づいたシアが声をかける。その声にハッと我に返ったミコトが二人の顔を交互に見ると、ライアも困った顔でミコトを見ていた。二人の心配そうな顔を取り除こうとエヘヘと笑ってライアの手をぎゅっと握りなおし、ライアと一緒にシアのもとに駆け寄った
「なんでもないよ、ご飯を食べる時間が無くなるから急ごう」
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