21 / 62
21. 寝不足のままで
しおりを挟む
「おはよう……」
翌日の朝、大きなアクビをしてリビングに来たミオ。先にリビングに来て、朝ごはんを食べていたマオがミオを険しい顔で見ていると、ミオの朝ごはんを持ってきた
「ちょっとマオ。変な顔をしてどうしたの?」
「ミオってば、昨日の夜、ずっと魔術を使ってたんだよ。魔方陣の光で眩しかったし、呪文もうるさくて迷惑だった」
「あらそうなの」
母親の話しにマオが不機嫌そうに返事をする。プイッと顔を背け、ミオを見ないようにしているマオを横目に、テーブルに置かれたミオ用の朝ごはんのおかずを一つつまんで食べはじめた
「もう私出るから」
「え、朝ごはんは?」
「もういらない。友達と練習の待ち合わせしているの。食べてたら遅れちゃう」
「あら……そうなの」
モグモグとおかずを食べながら、急ぎ足で玄関に向かっていくミオ。バタンと勢いよく扉が閉まる音がリビングまで聞こえると、母親がふぅ。と一つため息をついてマイペースにマオを見た
「マオもミオを見習って頑張らないと」
「私はミオみたいに寝不足になるほど頑張りたくないもん」
そう言いながら、マオのお皿の隣に置かれたミオの朝ごはんのおかずをお箸でつまんで食べた
「フラン、起きろ」
数時間後、グレニア学園の教室で、フランがログの机の上で目を閉じ体をユラユラと横に揺らしていた
「フラン聞いているのか?」
ログが背中をつついて起こそうとする。それでもまだフラフラと体を揺らして返事をしないフラン。そんな二人の様子を見ていたマオがログの机の上に置かれていたお菓子を一つ見つけ手に取った
「これってフランの好きなお菓子でしょ?食べないなんて珍しいね」
「食べてもいいぞ」
「いいの?」
「フランには、また新しいのを買うから」
「……そう」
ログの言葉を聞いて、お菓子の袋を開けたマオ。フランの側でガサガサと聞こえる袋を開ける音を気にもせず目を閉じ、ウトウトとしている
「もしかして、フランも寝不足?」
「はい……。昨日、面倒な魔術が現れ続けてて、対応していたら朝になっていました……」
「無理に現れず、休んでいてもいいと言っているんだけどな」
と、ログが話しているとフランがゆっくりと体を起こし、ログの肩に乗り体を頬に傾けた
「そうですね。今はマオさんもいますし、少し休みます」
大きなアクビをして背伸びをしたフランに、マオがフランの頬を指先でつついた
「起きて元気になったら、何か甘いの食べに行こうね」
「はい、是非」
微笑み返事をするフランと目が合いマオもニコリと微笑むと、フランがふわりとログの肩から消えた。ログとマオの二人だけになり、急に会話がなくなり静かになると、マオが貰ったお菓子を一つ食べた
「そっちも寝不足なのか?」
と、突然ログから話しかけられ食べようとしていたお菓子を机の上に落としてしまった
「私も?なんで?」
「さっきフランもって言っていたから」
落としたお菓子を取るマオを見ながら聞き返すと、ちょうど授業開始のチャイムが鳴り、二人のいる教室がガヤガヤと騒がしくなりはじめた。しばらくすると、担任のレイカも教室に入り、ログから貰ったお菓子を慌てて机の中に隠すと、ログを見てヒソヒソと小声で話しかけた
「フランもって言うかさ。私の周りでなんだか皆眠そうだからさ。それよりログは授業中は寝ちゃダメだよ」
翌日の朝、大きなアクビをしてリビングに来たミオ。先にリビングに来て、朝ごはんを食べていたマオがミオを険しい顔で見ていると、ミオの朝ごはんを持ってきた
「ちょっとマオ。変な顔をしてどうしたの?」
「ミオってば、昨日の夜、ずっと魔術を使ってたんだよ。魔方陣の光で眩しかったし、呪文もうるさくて迷惑だった」
「あらそうなの」
母親の話しにマオが不機嫌そうに返事をする。プイッと顔を背け、ミオを見ないようにしているマオを横目に、テーブルに置かれたミオ用の朝ごはんのおかずを一つつまんで食べはじめた
「もう私出るから」
「え、朝ごはんは?」
「もういらない。友達と練習の待ち合わせしているの。食べてたら遅れちゃう」
「あら……そうなの」
モグモグとおかずを食べながら、急ぎ足で玄関に向かっていくミオ。バタンと勢いよく扉が閉まる音がリビングまで聞こえると、母親がふぅ。と一つため息をついてマイペースにマオを見た
「マオもミオを見習って頑張らないと」
「私はミオみたいに寝不足になるほど頑張りたくないもん」
そう言いながら、マオのお皿の隣に置かれたミオの朝ごはんのおかずをお箸でつまんで食べた
「フラン、起きろ」
数時間後、グレニア学園の教室で、フランがログの机の上で目を閉じ体をユラユラと横に揺らしていた
「フラン聞いているのか?」
ログが背中をつついて起こそうとする。それでもまだフラフラと体を揺らして返事をしないフラン。そんな二人の様子を見ていたマオがログの机の上に置かれていたお菓子を一つ見つけ手に取った
「これってフランの好きなお菓子でしょ?食べないなんて珍しいね」
「食べてもいいぞ」
「いいの?」
「フランには、また新しいのを買うから」
「……そう」
ログの言葉を聞いて、お菓子の袋を開けたマオ。フランの側でガサガサと聞こえる袋を開ける音を気にもせず目を閉じ、ウトウトとしている
「もしかして、フランも寝不足?」
「はい……。昨日、面倒な魔術が現れ続けてて、対応していたら朝になっていました……」
「無理に現れず、休んでいてもいいと言っているんだけどな」
と、ログが話しているとフランがゆっくりと体を起こし、ログの肩に乗り体を頬に傾けた
「そうですね。今はマオさんもいますし、少し休みます」
大きなアクビをして背伸びをしたフランに、マオがフランの頬を指先でつついた
「起きて元気になったら、何か甘いの食べに行こうね」
「はい、是非」
微笑み返事をするフランと目が合いマオもニコリと微笑むと、フランがふわりとログの肩から消えた。ログとマオの二人だけになり、急に会話がなくなり静かになると、マオが貰ったお菓子を一つ食べた
「そっちも寝不足なのか?」
と、突然ログから話しかけられ食べようとしていたお菓子を机の上に落としてしまった
「私も?なんで?」
「さっきフランもって言っていたから」
落としたお菓子を取るマオを見ながら聞き返すと、ちょうど授業開始のチャイムが鳴り、二人のいる教室がガヤガヤと騒がしくなりはじめた。しばらくすると、担任のレイカも教室に入り、ログから貰ったお菓子を慌てて机の中に隠すと、ログを見てヒソヒソと小声で話しかけた
「フランもって言うかさ。私の周りでなんだか皆眠そうだからさ。それよりログは授業中は寝ちゃダメだよ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる