55 / 62
55. これからの願い
しおりを挟む
「なるほど……。ご主人様はそれで良いのですか?」
「仕方ないよ、試合内容とかは全部フランに任せる」
ユグスと別れた後、フランと話をするログ。その話の内容を聞いたフランはどうしようかとピンク色の髪をユラユラと揺らす
「話は分かりました。一度、マオさんとも話してみますね」
と、フランが返事をした時、試合会場から大きな歓声が聞こえてきた。フランとログが試合会場の方に目線を向けると、ちょうど試合を見終えてきたマオが二人の所に戻ってきた
「試合はどうでしたか?」
フランがマオにそう問いかけると、突然フランをぎゅっと抱きしめた
「頑張ろうね、フラン」
そう言いながらフランを頬につけて擦る。逃げないように強く抱きしめられ、困惑しつつジタバタと体を動かしながら助けを求めログを見るが、ログは見て見ぬふりをしている
「ちょっと、どうしましたか?」
少し離れようとマオの頬を両手で押す。それでもまだグイグイとフランに頬を寄せていると、クスクスと笑う声が聞こえてきた
「決勝戦の相手が決まったからですか?」
フランを強く抱きしめていた手を離し、声がした方に振り向くと、試合を終えたばかりのマリヤとミオが立っていた。驚いたフランがマオの背中に隠れ、ログは険しい表情でマリヤとミオを見る
「みなさん、お昼ご飯ご一緒にいかが?」
ログ達の様子を気に止めずにマリヤが問いかける。マオが少し振り向いてログとフランの様子を見た後、首を横に振ってマリヤに返事をした
「いえ、今回は遠慮しておきます」
「あらそう、残念……」
フフッと笑ってマオに返事をするマリヤのその後ろでミオがログを睨むように見ている。視線に気づきつつもミオと目を合わせないように顔を横に向けた
「この後の決勝戦、楽しみにしているわね」
そうマオ達に言うと振り返りミオに微笑んで去っていった。すぐに人混みに紛れ二人の姿が見えなくなると、マオが胸を撫で下ろすようにふぅ。とため息をついた
「あの方は?」
「ミオの学園の生徒会長さんだね、確かマリヤさんだったかな?魔力も強いし魔術もすごかったよ」
「そうみたいだな」
マオの言葉にログが呟くように答える。その言葉が聞こえたマオが首をかしげ話しかけようとした時、背中に隠れたままだったフランがマオの右肩に移動し座った
「さて、私達もご飯を食べましょうか」
会場入り口の方を指差しながらフランが言うと、ログはその指差した方とは逆に歩きだした
「あれ?ログどこ行くの?」
「ちょっと寄りるところがある」
「えっ……、でも試合は?」
「フランに任せている」
ログの返事を聞いたマオは右肩にいるフランをちらりと見る。目線があったフランがニコリと微笑み、マオはすぐログがいる方に目線を戻すと、もうログの姿はなくなっていた
「仕方ありませんね。作戦を考えながら二人でご飯を食べに行きましょうか」
「うん、そうだね」
マオがフランに返事をすると、二人一緒に会場入り口の方へ歩いていった
「そろそろ戻ってくるかな」
マオとフランと別れてすぐユグスといた建物の屋上で一人戻ってきたログ。一羽の白い鳥がログに向かって飛んできた。その鳥に向かって右手を伸ばすと、ゆっくりと舞い降り、手のひらに止まった
「お帰り。あの子の魔術はどうだったかい?」
そろログが白い鳥に話しかけると、答えるように大きく翼を広げた。ひらりと舞う羽根が一枚ログの側に落ちると、手のひらにいた白い鳥が一冊の本に変わった。その本をパラパラとページを開いて読む。一通り読んだ後、パタンと本を閉じるとまた白い鳥が大きく翼を広げ、空へ飛んでいった。その様子を見ながらログが独り言を呟いた
「まあ、悪くないな。あの鳥もしばらくあの人に預けておこうか」
「仕方ないよ、試合内容とかは全部フランに任せる」
ユグスと別れた後、フランと話をするログ。その話の内容を聞いたフランはどうしようかとピンク色の髪をユラユラと揺らす
「話は分かりました。一度、マオさんとも話してみますね」
と、フランが返事をした時、試合会場から大きな歓声が聞こえてきた。フランとログが試合会場の方に目線を向けると、ちょうど試合を見終えてきたマオが二人の所に戻ってきた
「試合はどうでしたか?」
フランがマオにそう問いかけると、突然フランをぎゅっと抱きしめた
「頑張ろうね、フラン」
そう言いながらフランを頬につけて擦る。逃げないように強く抱きしめられ、困惑しつつジタバタと体を動かしながら助けを求めログを見るが、ログは見て見ぬふりをしている
「ちょっと、どうしましたか?」
少し離れようとマオの頬を両手で押す。それでもまだグイグイとフランに頬を寄せていると、クスクスと笑う声が聞こえてきた
「決勝戦の相手が決まったからですか?」
フランを強く抱きしめていた手を離し、声がした方に振り向くと、試合を終えたばかりのマリヤとミオが立っていた。驚いたフランがマオの背中に隠れ、ログは険しい表情でマリヤとミオを見る
「みなさん、お昼ご飯ご一緒にいかが?」
ログ達の様子を気に止めずにマリヤが問いかける。マオが少し振り向いてログとフランの様子を見た後、首を横に振ってマリヤに返事をした
「いえ、今回は遠慮しておきます」
「あらそう、残念……」
フフッと笑ってマオに返事をするマリヤのその後ろでミオがログを睨むように見ている。視線に気づきつつもミオと目を合わせないように顔を横に向けた
「この後の決勝戦、楽しみにしているわね」
そうマオ達に言うと振り返りミオに微笑んで去っていった。すぐに人混みに紛れ二人の姿が見えなくなると、マオが胸を撫で下ろすようにふぅ。とため息をついた
「あの方は?」
「ミオの学園の生徒会長さんだね、確かマリヤさんだったかな?魔力も強いし魔術もすごかったよ」
「そうみたいだな」
マオの言葉にログが呟くように答える。その言葉が聞こえたマオが首をかしげ話しかけようとした時、背中に隠れたままだったフランがマオの右肩に移動し座った
「さて、私達もご飯を食べましょうか」
会場入り口の方を指差しながらフランが言うと、ログはその指差した方とは逆に歩きだした
「あれ?ログどこ行くの?」
「ちょっと寄りるところがある」
「えっ……、でも試合は?」
「フランに任せている」
ログの返事を聞いたマオは右肩にいるフランをちらりと見る。目線があったフランがニコリと微笑み、マオはすぐログがいる方に目線を戻すと、もうログの姿はなくなっていた
「仕方ありませんね。作戦を考えながら二人でご飯を食べに行きましょうか」
「うん、そうだね」
マオがフランに返事をすると、二人一緒に会場入り口の方へ歩いていった
「そろそろ戻ってくるかな」
マオとフランと別れてすぐユグスといた建物の屋上で一人戻ってきたログ。一羽の白い鳥がログに向かって飛んできた。その鳥に向かって右手を伸ばすと、ゆっくりと舞い降り、手のひらに止まった
「お帰り。あの子の魔術はどうだったかい?」
そろログが白い鳥に話しかけると、答えるように大きく翼を広げた。ひらりと舞う羽根が一枚ログの側に落ちると、手のひらにいた白い鳥が一冊の本に変わった。その本をパラパラとページを開いて読む。一通り読んだ後、パタンと本を閉じるとまた白い鳥が大きく翼を広げ、空へ飛んでいった。その様子を見ながらログが独り言を呟いた
「まあ、悪くないな。あの鳥もしばらくあの人に預けておこうか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる