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57. それぞれの目線の先に
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「魔術の収集の様子はどうですか?」
「まあまあですかね」
フランがマオの元から離れる少し前、大会会場から少し離れた場所にある建物の屋上でログとユグスが会っていた。ログの回りに無数に浮かんでいる本の数々にユグスが呆れたようにため息をついた
「大会にいる生徒達の魔術も魔力を勝手に奪うなんて、中々酷いですね」
すぐ側にあった一冊の本に手を伸ばす。その本のページがパラパラと独りでにめくられていく。本の半分ほど書かれた魔術に目を通していく。パタンと閉じられた本がユグスから離れ、ログの回りに浮かぶ本達の中に紛れていった
「学生の魔術が無くなれば学園のランクが上がるかもしれませんよ」
新たな本を見ようとしているユグスにログが話しかける。それを聞いてユグスが少し困ったように笑うその後ろで異変に気づいたフランが驚いた表情で駆け寄る
「ちょっとご主人様!ちょっとこれはダメですよ、マオさんに影響が出ます!それに私にも……」
フランの怒る声に、二人が振り向く。ログを見てまたフランが何か言おうとした時、一冊の本がフランの側に現れ、そのままフランに向かって飛んで体にぶつかった
「この本で最後ですか?」
ログにそう聞きながら、本にぶつかった衝撃が痛かったのかフラフラと体が揺れるフランをそっと手のひらに乗せた。当たった場所を擦り落ち込むフランを見ながらフフッと微笑む。その二人をログが見ているとフランに当たった本がログの側に来た
「いえ、まだあと二つ」
ユグスに返事をしながら試合会場の方に目線を向けると、ログの回りに浮かんでいた本が一斉に集まりはじめ、空を見えなくするほど大きな壁のようになった。それを見てまだ痛みから落ち込んでいたフランがログの頭に移動し座ると、ポンッと優しくログの頭を叩く。すると、壁となっていた本の側面に、試合会場にいるマオとミオの姿が写し出された
「どうしてあの二人だけ?」
「魔力や魔方陣等とても似ているのに、得意な魔術が違うのに興味がありまして」
そうユグスに言うと、本の方に目線を向ける。フランもログの肩に移動して座り、二人の様子を心配そうに見つめる。ユグスも本の方に目線を向け、騒がしさが伝わる試合会場の様子に楽しそうにフフッと笑った
「そろそろ試合が始まりますね。話は試合が終わってからにしましょうか」
「まあまあですかね」
フランがマオの元から離れる少し前、大会会場から少し離れた場所にある建物の屋上でログとユグスが会っていた。ログの回りに無数に浮かんでいる本の数々にユグスが呆れたようにため息をついた
「大会にいる生徒達の魔術も魔力を勝手に奪うなんて、中々酷いですね」
すぐ側にあった一冊の本に手を伸ばす。その本のページがパラパラと独りでにめくられていく。本の半分ほど書かれた魔術に目を通していく。パタンと閉じられた本がユグスから離れ、ログの回りに浮かぶ本達の中に紛れていった
「学生の魔術が無くなれば学園のランクが上がるかもしれませんよ」
新たな本を見ようとしているユグスにログが話しかける。それを聞いてユグスが少し困ったように笑うその後ろで異変に気づいたフランが驚いた表情で駆け寄る
「ちょっとご主人様!ちょっとこれはダメですよ、マオさんに影響が出ます!それに私にも……」
フランの怒る声に、二人が振り向く。ログを見てまたフランが何か言おうとした時、一冊の本がフランの側に現れ、そのままフランに向かって飛んで体にぶつかった
「この本で最後ですか?」
ログにそう聞きながら、本にぶつかった衝撃が痛かったのかフラフラと体が揺れるフランをそっと手のひらに乗せた。当たった場所を擦り落ち込むフランを見ながらフフッと微笑む。その二人をログが見ているとフランに当たった本がログの側に来た
「いえ、まだあと二つ」
ユグスに返事をしながら試合会場の方に目線を向けると、ログの回りに浮かんでいた本が一斉に集まりはじめ、空を見えなくするほど大きな壁のようになった。それを見てまだ痛みから落ち込んでいたフランがログの頭に移動し座ると、ポンッと優しくログの頭を叩く。すると、壁となっていた本の側面に、試合会場にいるマオとミオの姿が写し出された
「どうしてあの二人だけ?」
「魔力や魔方陣等とても似ているのに、得意な魔術が違うのに興味がありまして」
そうユグスに言うと、本の方に目線を向ける。フランもログの肩に移動して座り、二人の様子を心配そうに見つめる。ユグスも本の方に目線を向け、騒がしさが伝わる試合会場の様子に楽しそうにフフッと笑った
「そろそろ試合が始まりますね。話は試合が終わってからにしましょうか」
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