月夜、リコレクション

シャオえる

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17. 心を見透かされないように

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 家を出た後、施設へ向かう前に近くの喫茶店で気分転換をするため立ち寄ったノエル。ふぅ。と一息ついて紅茶を一口飲み、通りを歩く人達の様子を見た。飛行で移動するよりも、道を歩く人達が増えていることに気づいて、今度ははぁ。とため息をついた
「今日の記録を残さない予定かしら?」
 テーブルの向かいにあった空いていた椅子にメアがクスクスと笑って話しかけた。突然現れたメアに驚く様子をもなく少し残った紅茶を飲んだ
「もう施設に私の記憶は残せないんじゃいんですか?」
「ええ、そうね。その通りよ」
「じゃあ、今日の記録は止めておきます」
「それは困るわ。きっと面白そうな記録がありそうだから」
 楽しそうに言い返すメアを見て、ノエルが不機嫌そうにパンを食べると、メアが注文していた珈琲が運ばれてきた

「アオイちゃんには会えたの?」
 カチャと珈琲の入ったコップの音を立てながらノエルに問いかけるが、ノエルはパンを食べて聞かない振りをした
「私はまだ生きているんじゃないかなって思っているの」
「そうですか。でも、アオイは生きてませんから」
 メアに返事をしてすぐ椅子から立ち上がり、お店を出たノエル。その後ろ姿をメアが微笑み見ていた





「あのー。これはどこに置いておけばいいですか?」
「魔術で隠しておいて。その方が安全だから」
 その頃、アオイの家では、アオイが困った顔をして本を持ちずっとウロウロと家の中を歩いていた。その様子を青く長い髪の女の子がリビングにあるソファーに横たわりつまらなさそうな顔で見て返事をした
「でも、私あまり魔術が……」
 本を持ちリビングに戻ってくるアオイを見て、青い髪の女の子が座り直し、右手を顔に当てフフッと笑った
「嘘つき」
「う、嘘じゃないです!」
 女の子の言葉に大声で返事をするアオイ。はぁ。と肩を揺らし深呼吸をしていると、持っていた本が独りでに浮かび青い髪の女の子の手元に渡った
「私は騙されないよ。魔力は嘘なんかつかないの」
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