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39. 心、揺さぶられて
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寝室に来たアオイは、はぁ。と一つ深呼吸をして、ゆっくりとベッドの上に降りた。足元にある本を見つめ、見た夢を思い出そうと、そっと目を閉じた時、背後からフフッと楽しそうに笑う声が聞こえてきた
「楽しい夢だった?」
驚いて振り向くと、足元にあったはずの本を持つ
アオイが立っていた
「全然です……。楽しくもなにも……」
本が取られたせいで、フカフカの布団に落とされた小さい方のアオイ。足元が不安定でうまく立てず戸惑っていると、ふと寝室の入り口に立つノエルに気づいて動きを止めた
「二人で話をするんでしょう?私も聞く」
ノエルの言葉にアオイがまた楽しそうに笑うと、布団に足元を取られあたふたしている小さい方のアオイの前に本が差し出された
「その本の内容って分かる?」
「いえ。内容を読んでもらおうとお願いしようとしたら、人が大勢来たので」
その返事を聞いて、ノエルがいる入り口の方に振り向いた。ニコニコと微笑むその顔に目線を合わせないように少しだけ顔を横に向けた
「書いてある魔術、ちょっと詠んで」
「無理。詠ませる気ないでしょう?」
「そんなことはないよ、ただ普通に書いたら大変だからそうしていただけ」
ノエルにそう返事をすると、本がアオイ達の間に浮かんで止まった
「ほら。一緒に言うよ」
頭上に浮かぶ本に見入るアオイに声をかける。側で聞こえる微かな声に、後に続くように言うと、ノエルの顔に冷たい風を一瞬感じた
「ちょっと待って!その魔術を今ここで……」
慌てて魔術を止めようと叫んだノエル。だが、その言葉も虚しく、寝室に強風が吹き荒れ、一瞬にして寝室にある物が飛び回り、あちらこちらに散らかってしまった
「はえー、すごい」
顔にかかった服を取りながら、小さい方のアオイがちょっと嬉しそうに言う。一方、散らかった部屋を見て困った顔をするノエルの横をアオイがうーん背伸びをしながら通り抜けようとした
「久々の魔術で疲れたから、またご飯食べよっと」
「ちょっと待って」
ノエルがアオイの腕を掴もうと手を伸ばした。掴んだはずのアオイの腕がするりとすり抜けた
「どした?」
「いや、なにも……。片付けるから二人とも早く出て」
ノエルの言葉を聞いて、小さい方のアオイが慌てて側に落ちていた本の上に乗り二人でリビングに向かっていく。その後ろ姿を見届け、一人寝室に残ったノエルが、アオイを掴み損ねた右手の手のひらを見て、少し悲しげに呟いた
「あの日みたいに掴めなかったか。まあ、ここにいるだけでもだし、仕方ないか……」
「楽しい夢だった?」
驚いて振り向くと、足元にあったはずの本を持つ
アオイが立っていた
「全然です……。楽しくもなにも……」
本が取られたせいで、フカフカの布団に落とされた小さい方のアオイ。足元が不安定でうまく立てず戸惑っていると、ふと寝室の入り口に立つノエルに気づいて動きを止めた
「二人で話をするんでしょう?私も聞く」
ノエルの言葉にアオイがまた楽しそうに笑うと、布団に足元を取られあたふたしている小さい方のアオイの前に本が差し出された
「その本の内容って分かる?」
「いえ。内容を読んでもらおうとお願いしようとしたら、人が大勢来たので」
その返事を聞いて、ノエルがいる入り口の方に振り向いた。ニコニコと微笑むその顔に目線を合わせないように少しだけ顔を横に向けた
「書いてある魔術、ちょっと詠んで」
「無理。詠ませる気ないでしょう?」
「そんなことはないよ、ただ普通に書いたら大変だからそうしていただけ」
ノエルにそう返事をすると、本がアオイ達の間に浮かんで止まった
「ほら。一緒に言うよ」
頭上に浮かぶ本に見入るアオイに声をかける。側で聞こえる微かな声に、後に続くように言うと、ノエルの顔に冷たい風を一瞬感じた
「ちょっと待って!その魔術を今ここで……」
慌てて魔術を止めようと叫んだノエル。だが、その言葉も虚しく、寝室に強風が吹き荒れ、一瞬にして寝室にある物が飛び回り、あちらこちらに散らかってしまった
「はえー、すごい」
顔にかかった服を取りながら、小さい方のアオイがちょっと嬉しそうに言う。一方、散らかった部屋を見て困った顔をするノエルの横をアオイがうーん背伸びをしながら通り抜けようとした
「久々の魔術で疲れたから、またご飯食べよっと」
「ちょっと待って」
ノエルがアオイの腕を掴もうと手を伸ばした。掴んだはずのアオイの腕がするりとすり抜けた
「どした?」
「いや、なにも……。片付けるから二人とも早く出て」
ノエルの言葉を聞いて、小さい方のアオイが慌てて側に落ちていた本の上に乗り二人でリビングに向かっていく。その後ろ姿を見届け、一人寝室に残ったノエルが、アオイを掴み損ねた右手の手のひらを見て、少し悲しげに呟いた
「あの日みたいに掴めなかったか。まあ、ここにいるだけでもだし、仕方ないか……」
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