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8. 強がりは誰のために
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街の路地裏に入り、本を大事に抱え体が傷だらけな状態で飛び回るサクラ。その後ろを追いかけてくるナツメとその更に後ろを、面倒そうにツバキも後を追いかけている。二人から逃げようと速度を上げ曲がり角に入ると、なぜかツバキがサクラの前に現れ、慌てて立ち止まり戻ろうとした時、サクラの真上から大きな影が現れ、驚き顔を上げると、ナツメがサクラの上に乗るように空から降りてきた
「そんな弱いのに、本を二冊も書こうとしてるの?」
ナツメの降りてきた衝撃で、地面に倒れたサクラの首をつかんで話すナツメ。落とさないように強く抱いてる二冊の本を見て、少し強くサクラの首をつかんだ
「それは、ミツバに書かせるべき本。サクラじゃ、力があまりにも足りなさすぎる」
「そんなことない……!それにミツバちゃんには……」
ナツメの言葉に苦しそうに反論するサクラ。二人の様子をボーッと見ているツバキ。その後ろからコツコツと誰かが近づく足音が聞こえてきた
「サクラ……さん?」
突然聞こえてきた声に驚き振り返るナツメ。ツバキも驚き振り返るとすぐ側にいるミツバを見て少し後退りした
「……サクラ。続きは、また今度ね」
と呟くとサクラの首をつかんでいた手をそっと離し、ツバキを呼んで、二人一緒にふわりと空を飛びどこかへと行ってしまった。消えていく二人の姿を驚き見上げていると、咳き込むサクラの声が聞こえて、慌てて駆け寄っていく
「大丈夫?顔、怪我してる……」
「ミツバちゃん……」
顔にたくさんの擦り傷がついているサクラを見てハンカチを出そうと鞄を探るミツバ。なかなか見つからないのか探し続けるミツバを横目に、ゆっくりと立ち上がった
「大丈夫。このくらいの傷なら、すぐ治せるから……」
「でも……」
ミツバの横を通り歩きはじめたサクラ。少しフラフラと歩く後ろ姿を見て、ミツバがサクラの腕をガシッとつかんだ
「待って!」
思っていたよりも強くつかまれ足を止めたサクラ。少し振り向いてミツバにか細い声で話しかけた
「痛いよ、ミツバちゃん。離して……」
「サクラさん。ここに来て間もないのに、何をしているの?私にも関係あるんでしょ?」
サクラの言葉を遮り、更に強く腕をつかんで離さないミツバ。腕にもあった擦り傷がミツバの強い力で痛みだし、少し歯を食い縛る
「ミツバちゃんには関係ないから……それに……」
「関係なくない!私が持っていった本だって!」
とミツバが大声で叫ぶと、つかまれていた腕を大きく振ってミツバの手を無理矢理離したサクラ。またサクラをつかもうとするミツバを振り払いながら本を開くと、ナツメとツバキと同じようにふわりと浮いて、どこかへと向かいだした
「待って!」
空に浮かぶサクラに叫ぶミツバ。その声を聞いて一瞬振り返りミツバの顔を見て、空を飛びどこかへと消えてしまった
「……ふぅ。疲れたなぁ」
その日の夜、お風呂上がりに独り言を呟くサクラ。お茶を飲みながらソファーに勢いよく座ると、ズキッと痛んだ頬に触れて、はぁ。とため息ついた
「傷……まだ治してなかったや……」
ポツリとまた一人呟いてテーブルに置いていた本を取った。それと同時に本の隣に置いていた携帯が鳴りだした
「サクラ、ちょっと助けて!本が破けて動けないの」
「……えー、また?ユリちゃん、今どこにいるの?」
電話を取るとすぐ聞こえてきた、少し焦っているような声に呆れながら返事をするサクラ。その後も聞こえてくる声に何度も頷きながら着替えをはじめた
「わかった。すぐ行くね」
電話を切って、ふぅ。と深呼吸するとテーブルにある二冊の本を取り、ベランダへと出ていくと、少し欠けた月を見て
本をぎゅっと強く抱きしめた
「大丈夫。私ならミツバちゃんの分も書ききれるから……」
「そんな弱いのに、本を二冊も書こうとしてるの?」
ナツメの降りてきた衝撃で、地面に倒れたサクラの首をつかんで話すナツメ。落とさないように強く抱いてる二冊の本を見て、少し強くサクラの首をつかんだ
「それは、ミツバに書かせるべき本。サクラじゃ、力があまりにも足りなさすぎる」
「そんなことない……!それにミツバちゃんには……」
ナツメの言葉に苦しそうに反論するサクラ。二人の様子をボーッと見ているツバキ。その後ろからコツコツと誰かが近づく足音が聞こえてきた
「サクラ……さん?」
突然聞こえてきた声に驚き振り返るナツメ。ツバキも驚き振り返るとすぐ側にいるミツバを見て少し後退りした
「……サクラ。続きは、また今度ね」
と呟くとサクラの首をつかんでいた手をそっと離し、ツバキを呼んで、二人一緒にふわりと空を飛びどこかへと行ってしまった。消えていく二人の姿を驚き見上げていると、咳き込むサクラの声が聞こえて、慌てて駆け寄っていく
「大丈夫?顔、怪我してる……」
「ミツバちゃん……」
顔にたくさんの擦り傷がついているサクラを見てハンカチを出そうと鞄を探るミツバ。なかなか見つからないのか探し続けるミツバを横目に、ゆっくりと立ち上がった
「大丈夫。このくらいの傷なら、すぐ治せるから……」
「でも……」
ミツバの横を通り歩きはじめたサクラ。少しフラフラと歩く後ろ姿を見て、ミツバがサクラの腕をガシッとつかんだ
「待って!」
思っていたよりも強くつかまれ足を止めたサクラ。少し振り向いてミツバにか細い声で話しかけた
「痛いよ、ミツバちゃん。離して……」
「サクラさん。ここに来て間もないのに、何をしているの?私にも関係あるんでしょ?」
サクラの言葉を遮り、更に強く腕をつかんで離さないミツバ。腕にもあった擦り傷がミツバの強い力で痛みだし、少し歯を食い縛る
「ミツバちゃんには関係ないから……それに……」
「関係なくない!私が持っていった本だって!」
とミツバが大声で叫ぶと、つかまれていた腕を大きく振ってミツバの手を無理矢理離したサクラ。またサクラをつかもうとするミツバを振り払いながら本を開くと、ナツメとツバキと同じようにふわりと浮いて、どこかへと向かいだした
「待って!」
空に浮かぶサクラに叫ぶミツバ。その声を聞いて一瞬振り返りミツバの顔を見て、空を飛びどこかへと消えてしまった
「……ふぅ。疲れたなぁ」
その日の夜、お風呂上がりに独り言を呟くサクラ。お茶を飲みながらソファーに勢いよく座ると、ズキッと痛んだ頬に触れて、はぁ。とため息ついた
「傷……まだ治してなかったや……」
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「わかった。すぐ行くね」
電話を切って、ふぅ。と深呼吸するとテーブルにある二冊の本を取り、ベランダへと出ていくと、少し欠けた月を見て
本をぎゅっと強く抱きしめた
「大丈夫。私ならミツバちゃんの分も書ききれるから……」
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