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15. 笑って過ごせるように
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「ミツバちゃんは、どうして本を書くの?」
聞き覚えのある声が側から聞こえてくる。顔を上げると寂しそうな表情のサクラがミツバを見ていた
「サクラのためだよ」
「……私のため?」
「そう、サクラがずっと、笑って過ごせるように……」
「もちろん、ユリやナツメとツバキだって、サクラの事思っているから……」
「だから……」
と、呟きながらうっすらと目を開けたミツバ。目の前に見えた人影の顔を見て、慌てて辺りを見渡した
「ミツバさん、昨日は眠れなかったのですか?」
「あっ……いえ……」
クラス中の人達が、ミツバと先生の方を見ていた
「もう少しで終わりますから、頑張って起きてくださいね」
「はい、すみません……」
しょんぼりとうつ向くミツバ。サヤカとマホが心配そうに見ていると、授業の終了を知らせるチャイムが鳴り響いた
「あら、チャイム……。では、授業を終わりましょうか」
と、先生が言うとバタバタと音をたてて、教科書を片付け教室から出たりお喋りを始め出す生徒達。先生も教室から出ていくと、ミツバもゆっくりと授業の片付けはじめた
「ミツバが、授業中眠るなんて珍しいね」
「うん。ごめんね」
先に片付け終えたサヤカとマホが声をかけてきた。二人に苦笑いで返事をするミツバ。
「じゃ、早くご飯食べてお昼寝しようか」
「うん……ありがとう」
と片付けを終えて席をたつと、ふとサクラの席を見た。騒がしい教室の中、一瞬だけ静かに感じたミツバ。側で話をしているサヤカとマホの方に振り返り、話しに割って入ると、バタバタと二人の背中を押して、教室から出ていった
その頃、部屋でソファーに座りのんびりとしていたサクラとユリ。コンコンと部屋の扉が叩く音が聞こえて振り向くと、ガチャと扉が開き家政婦に案内されてきたナツメとツバキが部屋の中に入ってきた
「サクラ、ユリ」
と二人に微笑み手を振るナツメ。その後ろ隠れるようにツバキも手を振っている
「二人とも……本当に来てくれたんだ」
ナツメとツバキの姿を見て嬉しそうなサクラ。立ち上がり二人のもとに駆け寄っていく
「まあ。報告も兼ねてね」
と言いながら部屋の中を見渡すナツメ。ソファーの前にあるテーブルに置いてあるお菓子を頬張るユリの隣に座って一緒にお菓子を頬張る食べているツバキを見て、ふぅ。とため息ついて微笑んだ
「サクラ。ミツバはどこ?」
「来てないよ。学校に行っていると思うよ」
とツバキを見つめていた視線とは違い、少し強い口調で話しかけるナツメ。四人分の紅茶を淹れていたサクラが機嫌よく返事をした
「……呼ぶべきじゃないの?」
「ミツバちゃんの本は私が持っているから、大丈夫……」
と、サクラの側にある机の上に置かれた二冊の本に目を向けたサクラ。ナツメもその二冊の本を見て険しい表情になった
「ミツバの本はミツバが持つべき。サクラが持ってても何の意味もない」
「ミツバちゃんは、何も覚えてない……だからっ!」
叫び言い合う二人。その様子をお菓子を食べていた手を止めて、不安そうに見つめるユリとツバキ。静かになった部屋で、何も言わずサクラとナツメが睨みあっていると、再びコンコンと部屋の扉を叩く音が響いた。四人が驚き部屋の扉の方に目を向けると、家政婦達がゆっくりと扉を開け、サクラ達に声をかけた
「アルノ様がお呼びです。お話の続きは、アルノ様との話し合いの終了後にお願い致します」
聞き覚えのある声が側から聞こえてくる。顔を上げると寂しそうな表情のサクラがミツバを見ていた
「サクラのためだよ」
「……私のため?」
「そう、サクラがずっと、笑って過ごせるように……」
「もちろん、ユリやナツメとツバキだって、サクラの事思っているから……」
「だから……」
と、呟きながらうっすらと目を開けたミツバ。目の前に見えた人影の顔を見て、慌てて辺りを見渡した
「ミツバさん、昨日は眠れなかったのですか?」
「あっ……いえ……」
クラス中の人達が、ミツバと先生の方を見ていた
「もう少しで終わりますから、頑張って起きてくださいね」
「はい、すみません……」
しょんぼりとうつ向くミツバ。サヤカとマホが心配そうに見ていると、授業の終了を知らせるチャイムが鳴り響いた
「あら、チャイム……。では、授業を終わりましょうか」
と、先生が言うとバタバタと音をたてて、教科書を片付け教室から出たりお喋りを始め出す生徒達。先生も教室から出ていくと、ミツバもゆっくりと授業の片付けはじめた
「ミツバが、授業中眠るなんて珍しいね」
「うん。ごめんね」
先に片付け終えたサヤカとマホが声をかけてきた。二人に苦笑いで返事をするミツバ。
「じゃ、早くご飯食べてお昼寝しようか」
「うん……ありがとう」
と片付けを終えて席をたつと、ふとサクラの席を見た。騒がしい教室の中、一瞬だけ静かに感じたミツバ。側で話をしているサヤカとマホの方に振り返り、話しに割って入ると、バタバタと二人の背中を押して、教室から出ていった
その頃、部屋でソファーに座りのんびりとしていたサクラとユリ。コンコンと部屋の扉が叩く音が聞こえて振り向くと、ガチャと扉が開き家政婦に案内されてきたナツメとツバキが部屋の中に入ってきた
「サクラ、ユリ」
と二人に微笑み手を振るナツメ。その後ろ隠れるようにツバキも手を振っている
「二人とも……本当に来てくれたんだ」
ナツメとツバキの姿を見て嬉しそうなサクラ。立ち上がり二人のもとに駆け寄っていく
「まあ。報告も兼ねてね」
と言いながら部屋の中を見渡すナツメ。ソファーの前にあるテーブルに置いてあるお菓子を頬張るユリの隣に座って一緒にお菓子を頬張る食べているツバキを見て、ふぅ。とため息ついて微笑んだ
「サクラ。ミツバはどこ?」
「来てないよ。学校に行っていると思うよ」
とツバキを見つめていた視線とは違い、少し強い口調で話しかけるナツメ。四人分の紅茶を淹れていたサクラが機嫌よく返事をした
「……呼ぶべきじゃないの?」
「ミツバちゃんの本は私が持っているから、大丈夫……」
と、サクラの側にある机の上に置かれた二冊の本に目を向けたサクラ。ナツメもその二冊の本を見て険しい表情になった
「ミツバの本はミツバが持つべき。サクラが持ってても何の意味もない」
「ミツバちゃんは、何も覚えてない……だからっ!」
叫び言い合う二人。その様子をお菓子を食べていた手を止めて、不安そうに見つめるユリとツバキ。静かになった部屋で、何も言わずサクラとナツメが睨みあっていると、再びコンコンと部屋の扉を叩く音が響いた。四人が驚き部屋の扉の方に目を向けると、家政婦達がゆっくりと扉を開け、サクラ達に声をかけた
「アルノ様がお呼びです。お話の続きは、アルノ様との話し合いの終了後にお願い致します」
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