シンフォニー・レイ

シャオえる

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43. もしかしたら、もう一度

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「やっと終わった……」
 夜、カエデの机でルモカから渡された資料に、目を通し終えたツミキ。うーんと背伸びをして、机にもたれる
「結局全部読んだの?律儀だね。適当に読んで書けばいいのに」
 ベットで本を読んでいたカエデ。終わったというツミキの声が聞こえると、側に来て資料を一枚取って読んでいく
「だって、適当に読んで、迷惑かけるわけにもいかないし……」
 ツミキが話をしながら資料やペン等で散らかしてしまった机の片付けをしてると、転校の手続きの紙を見つけたカエデ。その紙にツミキの名前が書かれていた
「ツミキ、学校のお友だちとかに挨拶とか大丈夫?お願いして、もう一度帰る?」
「んー……。帰らなくてもいいかな?多分、大丈夫」 
 苦笑いで答えるツミキ。カエデが話を返そうとすると、急に椅子から立ち上がった
「そ、それよりカエデちゃん、もう眠ろう。ねっ」
 無理矢理手を引っ張ってベットに向かってく。そのまま眠る準備をはじめた二人。一緒のベットに向かい合って、カエデは眠くないけれど、仕方なしに目をつぶって寝てみる

「あのね、ミオリさんの話聞いたの……」
 しばらくして結局眠れずにいたツミキ。もうちょっとで眠りそうだったカエデに話しかける
「ミオリさんのお父さんとお母さんの話……ゴメンね。私なにも知らなくて……」
 話し声で目が覚めたカエデ。落ち込み話すツミキに、微笑み話しかける
「言ってなかったんだし、急に巻き込んだんだから……ツミキは何にも悪くないよ」
「でも、カエデちゃんも、もしかしたら……」
「それは、無いとも言えない。シキやシンクっていう人達にも……」
「じゃあ、なおさら……!」
「だから、うたっちゃダメって言うために、うたわなくちゃいけないの。シキって子とも仲良くなるために」
 ツミキの不安な気持ちを消すように、ベットに横になっていた体を起こし、更に語気を強め話を続けてく
「そのために、うたが必要なら……ツミキやあの子達の為になるなら、私は頑張る」
「けど、うたったら、カエデちゃんが危なくなるんだよ?ダメだよ!うたじゃなくても、きっと他にも……」
 カエデの言葉に、ツミキも体を起こし同じく語気を強めて反論する
「それは……そうかもしれないけど……」
 その反論に何にも言えなくなったカエデ。ツミキも黙ってまった。なんとなく気まずい雰囲気なってしまった二人。しばらく目を合わせれずにいると、カエデが布団に潜って、また眠る体制になった
「ツミキ、もう眠ろう……おやすみ」
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