シンフォニー・レイ

シャオえる

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58. 不安な日の夜は、話が弾む

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「つ、疲れたー」
「ミオリさん、荷物はこれで終わりですか?」
 急遽三人でミオリの引っ越し作業が開始され、お菓子でお腹一杯だったお腹も、ぐぅ。と鳴るほどバタバタと作業が進んでいた
「ああ、机とかは後日持ってきてくれるそうだから、これで終わりだ。寝るのはカエデのベットを使わせてもらうぞ」
「えー?一緒に眠るんですか?」
 ミオリの話に、自分のベットでちょっと休んでいたツミキが、急いでカエデの布団に潜り込む
「せっかくなら三人で寝ましょう」
 ツミキの提案にカエデもツミキの隣に、ちょっと休憩と横になる
「大分狭いが……」
 二人がゴロゴロとしているのを見て、入れないと呟くミオリ
「大丈夫です。多分」
 カエデがミオリの腕を引っ張って、一つのベットに横になる。ツミキを真ん中に、ちょっと狭いけれど、三人並んでどうにか寝れそうな様子。何だか嬉しくて笑うツミキとつられて笑うミオリとカエデ。そのまま引っ越し作業を放置して、
少し早いけれど眠る体制に三人なっていく

「明日からツミキが学校か……」
 ベットの側の灯りをつけて、結局眠れずに三人楽しくお喋りをしていた
「私、行っても良いのかな?」
「手続き終えてるって行ってるから大丈夫だよ。私とクラスも一緒だし」
 それでも不安そうなツミキを励ますカエデ。ミオリも一緒に学校の雰囲気とかを話していくうちに、また楽しく時間が過ぎていく。お喋りの途中、ミオリが暗くなった窓を見て時計を見ると、もう大分遅い時間になっていた
「二人とも、もう眠ろう。あの子達にまた会うためにも、休まなきゃね」



「シキ。体調はどうかね?」
 ツミキ達が部屋ではしゃいでいる時とほぼ同じ頃、シキとシンクが神妙な面持ちで暗い部屋の中、二人とも立って話し声を聞いていた
「大丈夫です。お父様。ご迷惑をおかけしました……」
「いや、元気になったなら良かったよ……」
 謝るシキに、優しい声が返ってくる。その声にホッとするシンク、シキは返事をして、すぐまたうつ向いてしまった
「シキ。どうしたんだね?」
「いえ、なにも……」
 返事をしているとコツコツと近寄る足音。緊張感が走る二人に、また優しい声が部屋に響く
「悩みがあるなら、すぐ私やシンクに言うんだよ。私達に隠し事なんて悲しいじゃないか」
「……はい。お父様」
 シキの返事にクスッと笑う声。またコツコツと足音が聞こえて、今度は二人から遠ざかっていく
「それじゃあ二人とも。私は休むよ。おやすみ、また明日……」
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