シンフォニー・レイ

シャオえる

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83. 明日は願い通りになるように

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「ツミキもう寝ようよ……」
「えー?もうちょっと話そうよ」
「明日も学校だよ……」
 夜、三人の部屋では興奮が収まらないツミキが、二人にずっと話しかけ続けていた
「ツミキ、そんなに楽しかったのか?」
「はい。だいぶシキちゃんと仲良くなれて、嬉しいんです」
 今日も二人に挟まれて眠ることにも嬉しくて、まだまだ喋り終わらないツミキ。話に付き合う二人は、時間が経つにつれ、少しずつ眠たい表情になっている

「そういえば、あの子デザートまで食べてて、食堂のおばちゃんが喜んでたね」
 カエデが思い出したように昼間の食堂での出来事を話し始めると、ツミキがうんうんと頷く
「ねー。私も食べすぎちゃった。おやつは別腹だねぇ」
「ツミキ……。一応あの子達に狙われてるって分かってるの?」
 カエデの話を笑ってごまかすツミキ。二人の話を聞いていたミオリも笑って、三人結局夜も遅くまで、お喋りは続く

「ゼフドさんは、これからどうするんだろうか……」
 話の話題も尽きそうになっていた頃、深刻そうな雰囲気で話しをするミオリ。その話しに体を少し起こして、ミオリの方を見る
「シンクさんとの話の内容、聞けなかったですね」
「……落ち着いたら話してくれると思うけど、今は無理そうね」
 二人の真面目な話しに挟まれているツミキ。話を聞いていないのか、二人の雰囲気とは真逆なツミキの楽しそうな話し声が、聞こえてきた
「シキちゃんとシンクさん、また来てくれるかなぁ?」
「ツミキ、緊張感伝わってる……?」
 二人の話を遮って、楽しそうに話すツミキに、呆れるカエデ。二人の様子にクスクスと笑うミオリが、ベットの隣に置いていた照明を消すために手を伸ばす
「もう眠ろうか。二人ともおやすみ」




「今日も素敵なうたをうたうね」
 満月の月明かりが灯す森の中を歩く人影が二つ。木陰に座って、誰かに向かって話し微笑んでいる
「絶望のうたは、途切れることなくまだ唄い続けているけど……」
 空を見上げたり話したり、二人並んで時間が過ぎていくと、ポツリポツリと小雨が降ってきた。慌てて家路へ戻る準備をしていると、うたう声が雨に消えて更に雨粒が強くなっていく。どしゃ降りになって、月明かりも消えて真っ暗の中を歩いていく。それでも楽しそうな話し声が聞こえてきた
「大丈夫。やっと、二人が君の願いを叶えてくれるよ」
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