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4. 秘密をため息に隠して
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お城を見た次の日のお昼過ぎ、家で一人部屋に籠るアリア。険しい顔で分厚い本を片手に、テーブルに置かれた入れ物の音をガチャガチャと鳴らしていた
「これでよし、少し一息つこうかな」
ふぅ。とため息つきながら分厚い本をバタンと閉じ本棚に戻した時、バタンと玄関の扉が開く音が響いた
「アリア、ただいま!帰ってきたよ!」
「お帰りー。って、ここはミオのお家じゃないけど」
リビングにあるテーブルに鞄をドンッと置くミオに言いながらアリアが困った顔をすると、ミオが椅子に座りながらエヘヘと笑う
「どうせ私も家に帰っても誰もいないんだからいいじゃん。それより聞いてよー、あのね……」
キッチンでお茶の用意をするアリアに、ミオが楽しそうに話す。アリアも話の内容を聞いてフフッと微笑む。お茶をコップに淹れ終えリビングに運ぼうとした時、コンコンと玄関の扉が叩く音が響いた
「はい」
アリアが玄関の扉を開けると、クリア達がいるお城の警備の女性が数名立ってた
「アリアさん、こんにちは」
「こんにちは。お久しぶりですね」
微笑みながら挨拶をされて、アリアも微笑み返す。玄関先で会話が少し弾んでいると、話し声がリビングまで聞こえてきていたのか、ミオがヒラヒラと手を振って玄関まで来た
「皆さん、こんにちはー」
「ああミオさんも居たんですね。ちょうど良かった、お家に伺わずにすみますね」
訪ねてきた女性達もヒラヒラと手を振り返し返事をすると、聞き取り用の書類を取り出した
「お二人とも、体調などはどうですか?お家の周辺に変化などはありますか?」
「特に変わりなくです」
「私も同じくです」
アリアとミオが顔を見合わせ答えると、女性が書類に書きはじめた。すると、ミオがアリアの隣に来てぎゅっと体を抱きしめると、まだ書類に書いている女性に話しかけた
「そういえば、アクア様の杖のレプリカって販売しないんですか?」
「販売?」
アリアが首をかしげながら聞くと、ミオが呆れたように、はぁ。とため息をついてアリアの体を強く抱きしめた
「そうだよ、今までこの国の王室の魔術の杖のレプリカって売られているんだよ。学校で持っていないのアリアぐらいだよ」
「そうなんだ。持っていると魔力でも上がるの?」
「そうじゃないけど、魔力も魔術も凄い方々だからみんな憧れて買うんだよ」
「へー。でも私は魔力も術も使えないから要らないかな」
二人の会話を聞いていた女性達が、資料を書いていた手が止まりアリアを見た。すると、和やかな雰囲気から急に不穏な雰囲気になったような気がしたアリアとミオが顔をまた見合わせた
「……まだ使えないのですか?」
「はい、まだ……」
「良かったです。それではまた後日お伺いしますね」
アリアの返事を聞いて、資料を鞄に入れながら返事をすると、ニコッと微笑み女性達は帰っていった。その後ろ姿を見ながらミオが抱きしめていた手を離しアリアを見た
「なにが良いんだろう?」
「さぁ?」
と、二人が不思議そうにしていると、突然家の中からボンッと大きな物音が響き渡った
「なに、爆発?」
驚き不安になるミオに対し、アリアはニコニコと嬉しそうに音がした方へと走り出した。ミオが恐る恐るアリアの後を追いかけると、アリアがいつも使う実験室的な部屋で、得体の知れない色をした液体が入った透明なコップを持ってアリアがニコニコと嬉しそうにミオの方に振り向いた
「出来た!魔力が上がるかもしれない薬!ミオ、今すぐ飲んでみて!」
「これでよし、少し一息つこうかな」
ふぅ。とため息つきながら分厚い本をバタンと閉じ本棚に戻した時、バタンと玄関の扉が開く音が響いた
「アリア、ただいま!帰ってきたよ!」
「お帰りー。って、ここはミオのお家じゃないけど」
リビングにあるテーブルに鞄をドンッと置くミオに言いながらアリアが困った顔をすると、ミオが椅子に座りながらエヘヘと笑う
「どうせ私も家に帰っても誰もいないんだからいいじゃん。それより聞いてよー、あのね……」
キッチンでお茶の用意をするアリアに、ミオが楽しそうに話す。アリアも話の内容を聞いてフフッと微笑む。お茶をコップに淹れ終えリビングに運ぼうとした時、コンコンと玄関の扉が叩く音が響いた
「はい」
アリアが玄関の扉を開けると、クリア達がいるお城の警備の女性が数名立ってた
「アリアさん、こんにちは」
「こんにちは。お久しぶりですね」
微笑みながら挨拶をされて、アリアも微笑み返す。玄関先で会話が少し弾んでいると、話し声がリビングまで聞こえてきていたのか、ミオがヒラヒラと手を振って玄関まで来た
「皆さん、こんにちはー」
「ああミオさんも居たんですね。ちょうど良かった、お家に伺わずにすみますね」
訪ねてきた女性達もヒラヒラと手を振り返し返事をすると、聞き取り用の書類を取り出した
「お二人とも、体調などはどうですか?お家の周辺に変化などはありますか?」
「特に変わりなくです」
「私も同じくです」
アリアとミオが顔を見合わせ答えると、女性が書類に書きはじめた。すると、ミオがアリアの隣に来てぎゅっと体を抱きしめると、まだ書類に書いている女性に話しかけた
「そういえば、アクア様の杖のレプリカって販売しないんですか?」
「販売?」
アリアが首をかしげながら聞くと、ミオが呆れたように、はぁ。とため息をついてアリアの体を強く抱きしめた
「そうだよ、今までこの国の王室の魔術の杖のレプリカって売られているんだよ。学校で持っていないのアリアぐらいだよ」
「そうなんだ。持っていると魔力でも上がるの?」
「そうじゃないけど、魔力も魔術も凄い方々だからみんな憧れて買うんだよ」
「へー。でも私は魔力も術も使えないから要らないかな」
二人の会話を聞いていた女性達が、資料を書いていた手が止まりアリアを見た。すると、和やかな雰囲気から急に不穏な雰囲気になったような気がしたアリアとミオが顔をまた見合わせた
「……まだ使えないのですか?」
「はい、まだ……」
「良かったです。それではまた後日お伺いしますね」
アリアの返事を聞いて、資料を鞄に入れながら返事をすると、ニコッと微笑み女性達は帰っていった。その後ろ姿を見ながらミオが抱きしめていた手を離しアリアを見た
「なにが良いんだろう?」
「さぁ?」
と、二人が不思議そうにしていると、突然家の中からボンッと大きな物音が響き渡った
「なに、爆発?」
驚き不安になるミオに対し、アリアはニコニコと嬉しそうに音がした方へと走り出した。ミオが恐る恐るアリアの後を追いかけると、アリアがいつも使う実験室的な部屋で、得体の知れない色をした液体が入った透明なコップを持ってアリアがニコニコと嬉しそうにミオの方に振り向いた
「出来た!魔力が上がるかもしれない薬!ミオ、今すぐ飲んでみて!」
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