アリアノート

シャオえる

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20. 時には気分を変えて

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「ちょっと魔力を使いすぎたかな……」
 ふぅ。と一つため息をつきながら部屋の小窓を開けたアクア。ベッドにゴロンと倒れて、すぐにウトウトと眠りそうになった時、コンコンと部屋の扉が叩かれ返事をする前に家政婦達が部屋に入ってくると、ベッドに寝転びボーッと天井を見つめるアクアを見て、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「アクア様、そろそろ夕食のお時間です。食堂に来てください」
「はい、ありがとうございます」
 返事をしながら体を起こすと、家政婦達がアクアに頭を下げて部屋を出ていった。パタンと静かに部屋の扉が閉じると、アクアもふぅ。と一つ深呼吸をして部屋着に着替えるためにクローゼットの方へと少し足取り重く向かった





「アクア、本はどうだったかしら?少し難しかった?」
 食堂に集まりそろそろ夕食を食べ終えそうな頃、クリアがアクアに話しかけた。ちょうどデザートを食べようとしていたアクアの手が止まり、クリアに返事をするように首を何度か横に降った
「ううん、最近読んでいた本に少し似ていたから、もう読んじゃった」
「あら、もう全部読んだの?」
 アクアの返事にクリアが驚くと、デザートを口いっぱいに食べながら今度は首を縦に何度か動かした
「今度はもっと難しい魔術の本を買ってきてね」
 そう言うと、あっという間にデザートを食べ終え、自室へと向かっていった

「もっと難しい本なんて困ったわね」
 アクアが食堂から居なくなると、クリアが困ったように呟くと、食後のコーヒーを飲んでいたユーノがコップをテーブルに置き、クリアに話しかけた
「そういえば、アリアにはどんな本を渡しているんだい?」
「アリアにはこの世界の薬草が書かれた本を渡しているわ。この町では手に入らないものも書いてあるから、少し残念そうにしているけれど」
「そうか。それなら、少し渡してあげようか」
 ユーノからの突然の提案に驚くクリアが同じく驚いた顔をしていた家政婦達を見た。その視線に家政婦の一人が恐る恐るユーノに問いかけた
「ですが、ここ最近この町は薬草不足で……」
「ああ、それで少し遠出がてらに今日クリアが行った町とは別の新たな他の町に行って、薬草を見てみようかと思う。アクアと一緒にな」
「アクアとですか?なぜ急に?」
「アクアを町の人達にも見せたことだし、アクアもたまには城の外に出たいだろうからな。いきなり遠出は辛いだろうが、魔術以外の勉強にもなる」
 そう言うと、カタンと椅子の音をたてながら立ち上がると、心配そうな顔をするクリアを宥めるようにフフッと微笑んだ
「決まりとなれば数日後には出ようか。それまでにこの城の結界の張り直しをしないといけないな」
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