アリアノート

24. それぞれの遅刻の原因

「アリア、あまり買わないでって言ったよね……」
「ごめんね、見たことない薬草ばかりだったから、つい」
　大きな鞄にずっしりと入った薬草を背負い運ぶミオに謝りながらアリアも両手にたくさん薬草や調合のための部品が入った荷物を持ち、大きな鞄を背負って歩く
「お店の人とも楽しそうに話をするから、集合時間にも間に合わないし、もー」
「ごめんって。お店の人も色々と薬草も取り出してくるから余計に楽しくなって」
　クラスメイト達から最後尾で足取り重く歩くミオの前をアリアがルンルンと歩いている
「でも、たまにはお出かけでお店を見てみるのもいいね」
「そうだね、でも今度は薬草のお店以外の場所も行こうね」
「うん、時間があればね」
　そうミオに返事をするとクラスメイトに呼ばれて駆け足で近寄っていった。その後ろ姿を見ながらミオが返事を思いだし、はぁ。とため息をついた






「ここが薬草を栽培している場所です」
　その頃、ユーノとアクアはアリア達が帰った後にやっと村から離れた場所にあった薬草の栽培場所に着いていた。アクアがキョロキョロと周りを見渡してみても一番奥が見えないほど木々や草花が育てられている
「この村にも術のための薬草や風邪薬等のために私や各専属の魔術者や管理者がいて、基本は温度の管理や水や天気等を魔術で管理しています」
　説明を受けながら歩くアクアの周りにも術を唱える術師がいた。その魔術師の前にあった枯れていた沢山の花が消えてなくなり、少し悲しげにうつ向いている
「しかし、その話が本当なら本来この村も薬草不足とは無縁では？」
「それが……」
　と、ユーノの問いかけに何やら言いづらそうに答えようとした時、バンッと勢いよく扉が開いた
「すみません遅れました！」
　大声で謝りながらアリアが薬草を買いまくったお店の店主が入ってきた。アクアが驚きユーノの服をぎゅっと掴み背中に隠れた
「本当に遅いぞ。一体何をしていたんだ」
　と、ユーノに説明をしていたノックスが、はぁ。とため息混じりに聞くと、店主が申し訳なさそうに頭をかきながら苦笑いで、ユーノ達がいる方へと歩きながら話はじめた
「いやーそれが、店の方で楽しそうに薬草を買う女の子達が来て、つい話しこんでしまって。あんなに薬草の話が分かる子がいるなんて、これからの未来が楽しみだ」