アリアノート

シャオえる

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26. そよ風にため息乗せて

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「アクア、おかえりなさい。お出かけはどうだったかしら?」
「ちょっと疲れた……。眠りたい……」
 お城に帰ってくるとすぐ出迎えたクリアに大きなアクビをしながらアクアが答える。目を擦りウトウトと眠そうな様子のアクアを見て
「あらあら。それじゃあ夜ご飯の前に少し眠る?」
 クリアの話にアクアがゆっくりと頷くと、クリアと一緒に出迎えていた家政婦達がベッドの用意をするためにアクアの部屋へと向かっていった
「お母様、おやすみなさい」
「おやすみ」
 クリアがアクアをぎゅっと抱きしめると、ゆっくりとした足取りで部屋へと向かっていったアクアの後ろ姿を見てクリアとユーノが微笑みつつもため息をついた
「お帰りなさい。アクアはどうだった?」
「意外と人見知りでね。村のみんなに顔を見せた時は、あんなにしっかりとしていたのに」
「この村の人達は少し見慣れているから平気だったのかも」
 ユーノの話を聞いてフフッと笑うクリア。ユーノもアクアの様子を思い出して、困ったように笑いながら着ていたコートを家政婦に渡した
「そうそう、アリアと会ったよ」
 そうユーノが言うと微笑んでいたクリアの表情が一気に変わり驚き戸惑う顔になった
「校外学習でね。ちょっとタイミングが悪かったかな」
「アクアもアリアを見たのかしら?」
「さぁ。何も言ってなかったけれど、どうかな」
 クリアの質問にユーノが少し首をかしげながら答えると、二人とも顔を見合わせ、ふぅ。とため息をついた




「つ、疲れた……」
 その頃アクアは自室で着替えを終えて、ベッドにボフッと勢いよく倒れていた。新品のシーツとフカフカの布団に負けて更に睡魔が襲い、完全に目を閉じた
「アクア様、おやすみなさい」
「おやすみなさい。後で起こしてくださいね……」
 家政婦達へ返事をする声がだんだんと小さくなって、そのまま眠ってしまったアクア。家政婦達がスースーと寝息をたてるアクアを起こさないようにベッドに寝直してそっと部屋を出た



「あれ?今何時だろ……」
 眠って少しした頃に目が覚めたアクア。頭がボーッとしつつベッドから降りて部屋の扉を少し開けるとまだ食事の準備のため、カチャカチャと食器を運ぶ音や家政婦達の声が聞こえてくる。忙しそうな雰囲気を感じ、そーっと部屋の扉を閉じると、またベッドにボフッと勢いよく倒れて、ふと出掛けたことを思い出した
「薬草なんて魔術があれば要らないのに……」
 そうポツリ呟くと、ガバッと勢いよく起き上がった。うーんと背伸びをしながら部屋の窓を開け、はぁ。と一つため息をついた
「まあ、魔力のないアリアお姉ちゃんには必要かもしれないけど、それでも……」
 そよ風にあたりながら独り言を呟いていると、まだ食事の準備をしている家政婦達の声が聞こえてきて、はぁ。とまた一つため息をついて、うーんと背伸びをした
「眠れないし、ご飯の前に少しお散歩してみようかな」
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