アリアノート

シャオえる

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43. 本を抱きしめ、呟いたら

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「お父様、ただいま帰りました」
 夕暮れになる頃、少しテンションの低い声で出迎えたユーノに声をかけたアクア。トボトボと足取りも重そうにユーノに近づきぎゅっと抱きついた
「お帰り。本は買わなかったのかい?」
「良い本がなかったから」
 頭を撫でられながら答えると、はぁ。とため息ついて、ユーノの顔をちらりと見ると、抱きついていた手を力なく離した
「ちょっと休む……」
 と、小声で言うと、またトボトボと歩いてお城の中に入っていくアクア。慌てて家政婦達が後を追いかけていく様子をクリアが心配そうに見ていると、ユーノがクリアが一冊の本を持っていることに気づいた
「アリアにね。起きたら渡そうかと思って」
 ユーノの視線に気づいたクリアがフフッと笑って本を見せると、本を受け取りページをめくる。アリアがいつも使う薬草やミオが得意な魔術が多く書かれた内容が多く、ユーノも思わずフフッと笑った
「魔術も書かれた本か」
「ええ、いつかアクアと一緒に読めたらと思って、つい」
 と、ユーノから本を受け取り答えると、少し寂しげに本を抱きしめた





「つまんなかったな……」
 その頃、寝室に戻ったアクアが、はぁ。とため息をついてベッドに勢いよく倒れて呟いた。ベッドの上を左右にゴロゴロと動いていると、ふと本棚に目が入り、今日のことを思い出しながら本棚を見つめた
「お母様はアリアお姉ちゃんのために本を買ってたけど、私は……」
 ガバッと勢いよく起き上がると、その本棚に近づき適当に一冊本を取り開いて読んでいると、コンコンと小さく扉が叩かれ、そーっと開き家政婦が一人部屋に入ってきた
「アクア様、お食事の時間が近いですが、もうお休みになりますか?」
「ううん、それよりもお母様とお風呂に入りたいかな」
「分かりました。伝えてきますね」
 アクアの返事を聞いて家政婦が部屋を出た。パタパタと足音が遠くなると、本棚の側にある窓から外を見ると、部屋のすぐ側にある木の枝に一羽のフクロウが止まっていた。見覚えのあるそのフクロウを見た後、窓を開け暗くなった空を見た後、アクアの右手に現れた杖を空に向けると、大きな水の塊が数個、空に向かって飛んでいくと、フクロウがいる木を少し越えた時、水の塊が突然バラバラに弾け、フクロウに水滴がかかり、慌てたフクロウが離れていった。それを見た後、今度は木の葉が揺れるほど大きな風がアクアの側に吹き荒れ、机にページを開いて置いていた本がバサバサと揺れた
「お父様の結界が更に強くなっている。やっぱり出かているのがバレているのか、つまんないの」
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