44 / 70
44. いつもと同じお月様
しおりを挟む
「レイナ様、大丈夫ですか?」
「……ええ、大丈夫よ」
不安そうな顔をしたノアに、クスッと笑って答えるレイナ。だが、すぐにうつ向いて二人に重い空気が流れる
「二人はどんな感じ?」
ゆっくりと顔を上げてノアに問いかけるレイナ。その言葉を聞いて、不安そうだった顔が段々と困った顔になっていく
「それが……。迷子になったみたいで、お二人とも険悪になってしまい……」
ノアの言葉を聞いて驚き震えだすレイナ。それに気づきながらもノアの報告は続く
「今日、ここに来るのは厳しいかと……」
「……そう」
ノアにそうか細い声で返事をすると、レイナがまた、うつ向いてしまった
「迎えに行かれますか?」
ノアの問いかけに返事をすることなく、黙ってしまったレイナ。その姿にノアは、また問いかけることなく側でレイナの返事を待つ
「クロスは今、何をしているの?」
「本を読まれていますよ。大分読める本も少なくなってきています……だから……」
「二人の唄とその力が宿る本が必要なことはわかるわ。でも……」
「レイナ、ノア」
二人の話の途中、声をかけてきたクロス。あまり浮かない表情のレイナとノアを見てクロスがクスッと笑った
「アカリとヒナタも、夕飯を食べはじめた。我々も夕食にしようか」
「暗いね……」
夕御飯後、大分夜も更け歩けなくなったアカリとヒナタ。イチカに出してもらったハンモックを木に掛け、ヒナタと一緒に横になりっていたアカリが、空を見上げポツリと呟いた
「いつもお家で見る大好きなお月様と、おんなじなのに今日は嫌いだな……」
アカリの言葉に、月明かりの光でイチカを読んでいたヒナタが、ふとアカリの方に振り向いた
「どうして?」
「お母様もお父様もいないもん……」
「私がいるよ。イチカもフタバも今はいるじゃん」
「そうだけど……でも……」
お腹の上に置いていたフタバを取り、じーっと見つめるアカリ。すると、ヒナタがイチカをパタンと閉じて、ハンモックと一緒にイチカに出してもらった大きな毛布をアカリの顔を被せるようにバサッと動かした。そのせいでハンモックが大きく揺れる。すぐに揺れが収まり、アカリが毛布から顔を出すと、ヒナタがもう一つ毛布を被り眠ろうとアカリから体を背けていた。眠ろうとする姿をじーっと見つめるアカリの視線を感じて、ヒナタがはぁ。とため息つきながら、話しかけた
「もう眠ろう。ちゃんと休んで早くイチカとフタバのお家に行かなきゃね……」
「……ええ、大丈夫よ」
不安そうな顔をしたノアに、クスッと笑って答えるレイナ。だが、すぐにうつ向いて二人に重い空気が流れる
「二人はどんな感じ?」
ゆっくりと顔を上げてノアに問いかけるレイナ。その言葉を聞いて、不安そうだった顔が段々と困った顔になっていく
「それが……。迷子になったみたいで、お二人とも険悪になってしまい……」
ノアの言葉を聞いて驚き震えだすレイナ。それに気づきながらもノアの報告は続く
「今日、ここに来るのは厳しいかと……」
「……そう」
ノアにそうか細い声で返事をすると、レイナがまた、うつ向いてしまった
「迎えに行かれますか?」
ノアの問いかけに返事をすることなく、黙ってしまったレイナ。その姿にノアは、また問いかけることなく側でレイナの返事を待つ
「クロスは今、何をしているの?」
「本を読まれていますよ。大分読める本も少なくなってきています……だから……」
「二人の唄とその力が宿る本が必要なことはわかるわ。でも……」
「レイナ、ノア」
二人の話の途中、声をかけてきたクロス。あまり浮かない表情のレイナとノアを見てクロスがクスッと笑った
「アカリとヒナタも、夕飯を食べはじめた。我々も夕食にしようか」
「暗いね……」
夕御飯後、大分夜も更け歩けなくなったアカリとヒナタ。イチカに出してもらったハンモックを木に掛け、ヒナタと一緒に横になりっていたアカリが、空を見上げポツリと呟いた
「いつもお家で見る大好きなお月様と、おんなじなのに今日は嫌いだな……」
アカリの言葉に、月明かりの光でイチカを読んでいたヒナタが、ふとアカリの方に振り向いた
「どうして?」
「お母様もお父様もいないもん……」
「私がいるよ。イチカもフタバも今はいるじゃん」
「そうだけど……でも……」
お腹の上に置いていたフタバを取り、じーっと見つめるアカリ。すると、ヒナタがイチカをパタンと閉じて、ハンモックと一緒にイチカに出してもらった大きな毛布をアカリの顔を被せるようにバサッと動かした。そのせいでハンモックが大きく揺れる。すぐに揺れが収まり、アカリが毛布から顔を出すと、ヒナタがもう一つ毛布を被り眠ろうとアカリから体を背けていた。眠ろうとする姿をじーっと見つめるアカリの視線を感じて、ヒナタがはぁ。とため息つきながら、話しかけた
「もう眠ろう。ちゃんと休んで早くイチカとフタバのお家に行かなきゃね……」
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる