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41. 見つけたらぎゅっと抱きしめて
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「他に私に出来ることは……」
ミコトがモカと会う少し前、ミコトと別れた後のナギが一人街の中を当てもなくウロウロと呟きながら歩いていた。人混みの中を紛れて大分歩いたその時、突然ポンッと肩を叩かれ驚き振り向くと、心配そうな顔をしたノアがいた
「ナギ、ここで何しているの?」
「ノア……」
か細い声で名前を呼び、しょんぼりとしているナギを見てノアが頭を優しく撫でる
「今日の対戦は止めておきなさい。あまり気持ちが乗らない時は負けて点数も落とすよ」
「……うん」
「何か甘いものでも食べに行く?」
「……うん、食べる」
まだ元気なさげに小さく頷くナギに、ノアがクスッと笑ってまたナギの頭を優しく撫でた時、ノアの目の前に、本がふわりと現れ、ノアがその本をそっと手に取る。すると、本を見たナギが不安そうにしているのに気づいて、ぎゅっと抱きしめると、また少し困った顔をしてノアに話しかけた
「ごめんね。食べに行くの、もう少し後になりそうだね」
そう言うノアに答えるようにナギがまたゆっくりと頷く。すると、ノアがナギを抱きしめたまま、ふわりと空へと飛んでいった
「この術は読めそうかな……。あまり使いすぎたらミコトに迷惑かけるから……」
その頃、学園の屋上ではノエルが一人で本を読んで悩んでいた。パラパラとページを進めては戻してを繰り返していると、トンっと誰かが地面に降りた音が微かに聞こえてきた
「……誰?」
と声をかけながら振り向き舞い降りたその人物を見たノエルが少し驚いた顔をしてすぐニコッと微笑んだ
「ミコト、あれ!」
その少し後、モカが学園を指差してミコトを呼ぶ。学園とは反対方向を向いてノエルを探していたミコトが学園の屋上を見るなりすぐモナカの背中を軽くポンッと叩いた
「ノエルだ!モナカ、屋上に降りて!」
と、モナカに叫ぶとミコトの声を聞いて翼を大きく広げて学園の屋上へと飛んでいく
「ノエル!探したよ!」
そう叫びながら屋上へと飛び降りたミコトの声が聞こえたのか、空を見上げるノエルのすぐ側に降りたミコト。モカもモナカと一緒に少し遅れて屋上に降りた
「ミコト……。モカ達も一緒に来たの。ごめんね、心配かけて」
「本当心配したよ、ここで何を……」
微笑み話しかけるノエルにミコトが近づいていくと、ノエルの後ろに人がいるのに気づき、見てみるとノアがミコトから顔を背けるように立っていた
「ノア……」
とミコトが驚き呟くとノアの背中から、覗き込むようにちらりとナギの顔が現れた
「ナギもどうしてここに?」
「この本に呼ばれてね、ナギも一緒に来たの」
ミコトの言葉に困った顔をして答えるノアの手にある一冊の本を見たモカが驚きミコトに話しかける
「ミコト、あの本、二人の学園の委員長の本だよ」
「なんでノアが持ってるの?」
「数日前に委員長代理になって、そのまま委員長にね」
「えっ、私より先に?」
「うん。ごめんね」
エヘヘと苦笑いで頷くノアに少し頬を膨らませムッと怒った顔をするミコトに、モカが呆れた様子でまた話しかける
「ミコト、怒ってる場合じゃないんじゃ……」
「そうだ、ノエル……」
モカに諭されて慌ててノエルのいた場所に振り向くと、そこには誰も居らず首をかしげていると、ミコトの後ろから突然ぎゅっと抱きしめられ、耳元にクスッと笑うノエルの声が聞こえてきた
「みんなでお家帰ろっか。今日はもう遅いからね」
ミコトがモカと会う少し前、ミコトと別れた後のナギが一人街の中を当てもなくウロウロと呟きながら歩いていた。人混みの中を紛れて大分歩いたその時、突然ポンッと肩を叩かれ驚き振り向くと、心配そうな顔をしたノアがいた
「ナギ、ここで何しているの?」
「ノア……」
か細い声で名前を呼び、しょんぼりとしているナギを見てノアが頭を優しく撫でる
「今日の対戦は止めておきなさい。あまり気持ちが乗らない時は負けて点数も落とすよ」
「……うん」
「何か甘いものでも食べに行く?」
「……うん、食べる」
まだ元気なさげに小さく頷くナギに、ノアがクスッと笑ってまたナギの頭を優しく撫でた時、ノアの目の前に、本がふわりと現れ、ノアがその本をそっと手に取る。すると、本を見たナギが不安そうにしているのに気づいて、ぎゅっと抱きしめると、また少し困った顔をしてノアに話しかけた
「ごめんね。食べに行くの、もう少し後になりそうだね」
そう言うノアに答えるようにナギがまたゆっくりと頷く。すると、ノアがナギを抱きしめたまま、ふわりと空へと飛んでいった
「この術は読めそうかな……。あまり使いすぎたらミコトに迷惑かけるから……」
その頃、学園の屋上ではノエルが一人で本を読んで悩んでいた。パラパラとページを進めては戻してを繰り返していると、トンっと誰かが地面に降りた音が微かに聞こえてきた
「……誰?」
と声をかけながら振り向き舞い降りたその人物を見たノエルが少し驚いた顔をしてすぐニコッと微笑んだ
「ミコト、あれ!」
その少し後、モカが学園を指差してミコトを呼ぶ。学園とは反対方向を向いてノエルを探していたミコトが学園の屋上を見るなりすぐモナカの背中を軽くポンッと叩いた
「ノエルだ!モナカ、屋上に降りて!」
と、モナカに叫ぶとミコトの声を聞いて翼を大きく広げて学園の屋上へと飛んでいく
「ノエル!探したよ!」
そう叫びながら屋上へと飛び降りたミコトの声が聞こえたのか、空を見上げるノエルのすぐ側に降りたミコト。モカもモナカと一緒に少し遅れて屋上に降りた
「ミコト……。モカ達も一緒に来たの。ごめんね、心配かけて」
「本当心配したよ、ここで何を……」
微笑み話しかけるノエルにミコトが近づいていくと、ノエルの後ろに人がいるのに気づき、見てみるとノアがミコトから顔を背けるように立っていた
「ノア……」
とミコトが驚き呟くとノアの背中から、覗き込むようにちらりとナギの顔が現れた
「ナギもどうしてここに?」
「この本に呼ばれてね、ナギも一緒に来たの」
ミコトの言葉に困った顔をして答えるノアの手にある一冊の本を見たモカが驚きミコトに話しかける
「ミコト、あの本、二人の学園の委員長の本だよ」
「なんでノアが持ってるの?」
「数日前に委員長代理になって、そのまま委員長にね」
「えっ、私より先に?」
「うん。ごめんね」
エヘヘと苦笑いで頷くノアに少し頬を膨らませムッと怒った顔をするミコトに、モカが呆れた様子でまた話しかける
「ミコト、怒ってる場合じゃないんじゃ……」
「そうだ、ノエル……」
モカに諭されて慌ててノエルのいた場所に振り向くと、そこには誰も居らず首をかしげていると、ミコトの後ろから突然ぎゅっと抱きしめられ、耳元にクスッと笑うノエルの声が聞こえてきた
「みんなでお家帰ろっか。今日はもう遅いからね」
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