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12. 誰が来ても気にしない
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「本当に、ここなの?」
「うん、ニーナ先生がここって」
寮に帰る前に、ツムギ達がやって来たのは大きな屋敷の前。学園から少し離れた場所にあるその屋敷は、周辺の家とは雰囲気の違う門前で、少し戸惑うナオとカホとは違い、ツムギは大きな門を勝手に開けて、スタスタと中に入っていった
「レアス、一人暮らしみたいで、何度か確認にも来たらしいけど、一応家の中も見てきてって言われたんだけど……」
「こんな大きい家に一人暮らし?」
慌ててツムギの後を追いかけるナオとカホ。あまり手入れがされていない木々達をかき分けて、玄関まで歩いてく中、ツムギの肩に乗っていたララが突然ツムギ達を置いて屋敷の中へと飛んで行ってしまった
「ララ!待って!」
周りの木々の中に飛んでしまい、姿が見えなくなっていくララをツムギが慌てて追いかけていった
「ちょっと、ツムギ……」
カホも勝手に走っていってしまったつむぎをよびとめるが、あっという間に姿が見えなくなってしまった。ナオと、ふぅ。とため息ついてツムギの後を追うように、屋敷の方へと歩いてく
「ララ!どこ行ったのー?」
カホとナオと離れた後、屋敷の周りを大声でララを呼びつづけているツムギ。だが、返事も姿も現さないララに、ツムギは少しずつ不安になっていく。ルトも不安げに辺りを見渡してると、何かを見つけたのか、ツムギの髪を引っ張りだした
「ルト、痛いよ。なに?」
グイグイと髪を引っ張り続けるルト。少し引っ張られながら進むと、大きな玄関が現れた
「……どうしよう。勝手に開けていいのかな?」
ツムギがそう呟く前に、勝手に玄関を開けたルト。慌てて止めようとするが、少し開いた所から屋敷の中が見えてしまい、扉を開けていたルトを止めてた手が止まった
「えっと、お邪魔します……」
思わず屋敷の中に入ってしまい、辺りを見渡していると扉を閉じたルトが、ツムギの肩に乗って、一緒に玄関を見渡しはじめた
「レアスいるのー?」
大声で呼んでも返事もなく、誰も来る気配のない。不安になり、また玄関やその周りを見渡してく
「レアス。入るよ……」
恐る恐る一歩、屋敷の中に足を入れて、ゆっくりと中を見渡してく。ギシギシと足音が鳴り、不安が募ってく中、とある部屋の前に来ると思わず足を止めた
「すごい。本がたくさん……学園の図書館よりある……」
部屋一面に、たくさんの本棚と数えきれない程の本があちらこちらに置かれている部屋。しばらく部屋の中を見ていると、誘われるように本棚のある部屋の中へと入っていった
「……誰?」
屋敷のとある部屋、一人痛そうな表情で、傷口に薬を塗るレアスがいた。誰もいないはずの部屋の中で、突然ガタンと大きな音が聞こえて、音のする方に振り返る。すると、ドタバタと足音をたててララがレアスに勢いよく抱きついた
「ララ。帰ってきたの」
突然現れたララに、驚きつつも嬉しそうなレアス。ララも嬉しそうにレアスに強く抱きついていると、またガタンと近くで音が聞こえた
「レアス?」
後ろから驚いた声が聞こえて、声のする方にララと一緒に振り向くと、レアスを見つけて驚いた顔をしたツムギがいた
「あなた……。どうしてここに?」
「ニーナ先生から、ここを教えてもらって……。それで……」
「そう。訪ねてくれたのはいいけど、お茶は出せないわよ」
「えっ?うん、大丈夫……。というか、勝手にお邪魔しちゃったけど……」
「別に良いわ。気にしない」
そう言うと、立ち上がりツムギの横を通って別の部屋へと歩きだした
「えっと……レアス……」
慌てて追いかけ声をかけたツムギ。すると、先を歩いていたレアスが足を止め、少し振り返り、ツムギとルトを見て、はぁ。とため息つきながら話しかけた
「聞きたいことあるんでしょ?でも、その前に少し手伝ってほしいの」
「うん、ニーナ先生がここって」
寮に帰る前に、ツムギ達がやって来たのは大きな屋敷の前。学園から少し離れた場所にあるその屋敷は、周辺の家とは雰囲気の違う門前で、少し戸惑うナオとカホとは違い、ツムギは大きな門を勝手に開けて、スタスタと中に入っていった
「レアス、一人暮らしみたいで、何度か確認にも来たらしいけど、一応家の中も見てきてって言われたんだけど……」
「こんな大きい家に一人暮らし?」
慌ててツムギの後を追いかけるナオとカホ。あまり手入れがされていない木々達をかき分けて、玄関まで歩いてく中、ツムギの肩に乗っていたララが突然ツムギ達を置いて屋敷の中へと飛んで行ってしまった
「ララ!待って!」
周りの木々の中に飛んでしまい、姿が見えなくなっていくララをツムギが慌てて追いかけていった
「ちょっと、ツムギ……」
カホも勝手に走っていってしまったつむぎをよびとめるが、あっという間に姿が見えなくなってしまった。ナオと、ふぅ。とため息ついてツムギの後を追うように、屋敷の方へと歩いてく
「ララ!どこ行ったのー?」
カホとナオと離れた後、屋敷の周りを大声でララを呼びつづけているツムギ。だが、返事も姿も現さないララに、ツムギは少しずつ不安になっていく。ルトも不安げに辺りを見渡してると、何かを見つけたのか、ツムギの髪を引っ張りだした
「ルト、痛いよ。なに?」
グイグイと髪を引っ張り続けるルト。少し引っ張られながら進むと、大きな玄関が現れた
「……どうしよう。勝手に開けていいのかな?」
ツムギがそう呟く前に、勝手に玄関を開けたルト。慌てて止めようとするが、少し開いた所から屋敷の中が見えてしまい、扉を開けていたルトを止めてた手が止まった
「えっと、お邪魔します……」
思わず屋敷の中に入ってしまい、辺りを見渡していると扉を閉じたルトが、ツムギの肩に乗って、一緒に玄関を見渡しはじめた
「レアスいるのー?」
大声で呼んでも返事もなく、誰も来る気配のない。不安になり、また玄関やその周りを見渡してく
「レアス。入るよ……」
恐る恐る一歩、屋敷の中に足を入れて、ゆっくりと中を見渡してく。ギシギシと足音が鳴り、不安が募ってく中、とある部屋の前に来ると思わず足を止めた
「すごい。本がたくさん……学園の図書館よりある……」
部屋一面に、たくさんの本棚と数えきれない程の本があちらこちらに置かれている部屋。しばらく部屋の中を見ていると、誘われるように本棚のある部屋の中へと入っていった
「……誰?」
屋敷のとある部屋、一人痛そうな表情で、傷口に薬を塗るレアスがいた。誰もいないはずの部屋の中で、突然ガタンと大きな音が聞こえて、音のする方に振り返る。すると、ドタバタと足音をたててララがレアスに勢いよく抱きついた
「ララ。帰ってきたの」
突然現れたララに、驚きつつも嬉しそうなレアス。ララも嬉しそうにレアスに強く抱きついていると、またガタンと近くで音が聞こえた
「レアス?」
後ろから驚いた声が聞こえて、声のする方にララと一緒に振り向くと、レアスを見つけて驚いた顔をしたツムギがいた
「あなた……。どうしてここに?」
「ニーナ先生から、ここを教えてもらって……。それで……」
「そう。訪ねてくれたのはいいけど、お茶は出せないわよ」
「えっ?うん、大丈夫……。というか、勝手にお邪魔しちゃったけど……」
「別に良いわ。気にしない」
そう言うと、立ち上がりツムギの横を通って別の部屋へと歩きだした
「えっと……レアス……」
慌てて追いかけ声をかけたツムギ。すると、先を歩いていたレアスが足を止め、少し振り返り、ツムギとルトを見て、はぁ。とため息つきながら話しかけた
「聞きたいことあるんでしょ?でも、その前に少し手伝ってほしいの」
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