これくしょんブック

シャオえる

文字の大きさ
72 / 85

72.苦手なことは、見ないふり

しおりを挟む
「ただいま!ルカちゃん!」
 学校から帰ってくるなり、バタバタと慌ただしく部屋へと向かおうとするアカリ。足音と鞄から出てきたヒカリの声を聞いて、キッチンにいたルカが階段を登ろうとしていたアカリに声をかける
「お帰りなさい、アカリちゃん。ヒカリもお疲れさま」
「起きてた。よかった」
 元気そうな姿を見て抱きつくアカリ。抱きついた勢いにちょっとよろけて、思わず倒れそうになる
「ゴメンね。心配かけちゃった」
「ううん。でも、ここで何してたの?」
 アカリがルカから少し離れると、ルカがエプロンを着ているのを見て、ヒカリがルカのそばに来た
「もしかして、おやつ?なに作ったの?」
「今日は、アイスクリームを……」
 と、ルカが言ったとたんに、テンション高く部屋へと向かってくヒカリ。部屋にまだ来ないアカリに、部屋から大声でアカリを呼ぶ
「アカリ、早く着替えてアイスを食べましょ」
 その、声でクスッと見つめあい笑うアカリとルカ。体から離れると、アカリは部屋へルカはおやつの準備のためキッチンに戻っていく



「あのね、アカリちゃん……」
 アイスを食べ終える頃、ちょっと 重い雰囲気でルカがアカリに話しかけた
「さっきね、お家に帰ったの……」
 ルカの発言に、驚いてアイスを食べていた手が止まる
「調べたいことがあって……何か手がかりがあればって思って……」
「調べたいこと?」
「うん……。アカリちゃん、ヒカリを本に変えてもらってもいい?」
 ルカに言われてヒカリを本に変えると、ルカに言われてページを開く。そのページに書かれた文字をルカが指差した

「この文字があるでしょ?私、分かるの。最初は読めなかったけれど、今はほとんど読めるの」
「本当?何て書いているの?」
「必要な道具とか、読み方とか書き方がほとんどかな。でも、聞いたことのない物がほとんどかな……」
 ルカの話を聞いてページをめくり、ページを読み進めていく。意外と難しい内容に一ページ目で読むのを諦めたアカリ。ルカが読んでいる途中にパタンと本を閉じた

「でも、どうしてルカちゃんが、急に読めるようになったんだろう?」
「それを調べに帰ったんだけど、何もなくて……そのかわりに、アンズさんが来てね」
 と、話しているとヒカリも本から戻って溶けかけてきたアイスをまた食べはじめたヒカリを見て、ふぅ。と一つ深呼吸をした

「ヒカリの前の持ち主だったスズさんのお家が、本棚の近くにあるらしくて、今度行くといいって……だから、今度行ってみない?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...