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10. 優しいそよ風が吹いて
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「ミナモ、眠らないのか?」
夜も更けアカリやルカ達が熟睡している時、アカリの家に泊まっていたミナモがベランダで一人きりで風に当たっているのをカグヤが見つけて声をかけた
「眠っていたんですけど、目が覚めちゃって……」
「そうか……」
ミナモがエヘヘと笑ってカグヤに返事をすると、それを聞いたカグヤがポツリ呟く。すると、少し強い風が吹いて、カグヤの方に少し顔を向けた
「カグヤさんこそ眠らないんですか?」
「そうだな、今日は満月だからな」
そう言うと、空を見上げ月を見つめるカグヤに、ミナモもつられるように月を見つめた
「ミナモ、ちゃんとモナカの側にいるように……」
と、カグヤがミナモに話しかけると、二人の後ろから足音と声が聞こえてきた
「カグヤ君、ここにいたの?ちょっと来てくれる?」
とノドカがちょっと困ったように微笑みながらカグヤを呼ぶ。すると、側にいたミナモを見つけて話しかけた
「ミナモ君、アカリから聞いたよ、あまり君の本棚に無理させちゃダメだよ」
「……はい、ごめんなさい」
ノドカの言葉にしょんぼりと返事をするミナモに、ノドカが優しくポンッと頭に手を置いて撫でた
「もうおやすみ。朝になったらまたきっと、忙しくなるからね」
「はい、おやすみなさい」
そういうと、トボトボと家の中に入っていったミナモ。パタンと窓を閉めると、ノドカがふぅ。とため息つくと、カグヤがくるりと家から背を向け歩きだした
「他の本棚に置けるというのを聞いたことはあるのか?」
街頭が眩しく人々が賑わう場所まで来た所でカグヤがノドカに問いかけると、少し困ったように考え出した
「あまりないかな。あったとしても双子の本棚だったり、昔置いていた本や元持ち主とかで全く違う本や本棚を使うなんて聞かないよ」
そう言うと、少し怒った顔をしてカグヤを見た
「何で止めなかったの?君もいたんでしょ?」
「どうなるか見てみたかった。ただの好奇心だ」
「そのお陰で、みんなバタバタと忙しそうにしているけど」
ちらりと二人の側を歩く人達を見ると、慌ただしく動き回っていた。それを立ち止まり見ていると、ノドカに気づいた受付の女性一人が、手を大きく振りはじめた
「ノドカさん!ちょっと来てください!」
と大声で名前を呼ぶその声に、周りにいた人達がノドカとカグヤのいる方に振り向いた。その視線にノドカがまた、困ったように微笑むと、同じく周りから視線を感じて少し嫌そうな顔をしているカグヤに話しかけた
「それじゃ悪いけど、ミツキがあっちで忙しそうにしているから、僕の代わりに手伝ってきてね。話しの続きはまた後で」
夜も更けアカリやルカ達が熟睡している時、アカリの家に泊まっていたミナモがベランダで一人きりで風に当たっているのをカグヤが見つけて声をかけた
「眠っていたんですけど、目が覚めちゃって……」
「そうか……」
ミナモがエヘヘと笑ってカグヤに返事をすると、それを聞いたカグヤがポツリ呟く。すると、少し強い風が吹いて、カグヤの方に少し顔を向けた
「カグヤさんこそ眠らないんですか?」
「そうだな、今日は満月だからな」
そう言うと、空を見上げ月を見つめるカグヤに、ミナモもつられるように月を見つめた
「ミナモ、ちゃんとモナカの側にいるように……」
と、カグヤがミナモに話しかけると、二人の後ろから足音と声が聞こえてきた
「カグヤ君、ここにいたの?ちょっと来てくれる?」
とノドカがちょっと困ったように微笑みながらカグヤを呼ぶ。すると、側にいたミナモを見つけて話しかけた
「ミナモ君、アカリから聞いたよ、あまり君の本棚に無理させちゃダメだよ」
「……はい、ごめんなさい」
ノドカの言葉にしょんぼりと返事をするミナモに、ノドカが優しくポンッと頭に手を置いて撫でた
「もうおやすみ。朝になったらまたきっと、忙しくなるからね」
「はい、おやすみなさい」
そういうと、トボトボと家の中に入っていったミナモ。パタンと窓を閉めると、ノドカがふぅ。とため息つくと、カグヤがくるりと家から背を向け歩きだした
「他の本棚に置けるというのを聞いたことはあるのか?」
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「あまりないかな。あったとしても双子の本棚だったり、昔置いていた本や元持ち主とかで全く違う本や本棚を使うなんて聞かないよ」
そう言うと、少し怒った顔をしてカグヤを見た
「何で止めなかったの?君もいたんでしょ?」
「どうなるか見てみたかった。ただの好奇心だ」
「そのお陰で、みんなバタバタと忙しそうにしているけど」
ちらりと二人の側を歩く人達を見ると、慌ただしく動き回っていた。それを立ち止まり見ていると、ノドカに気づいた受付の女性一人が、手を大きく振りはじめた
「ノドカさん!ちょっと来てください!」
と大声で名前を呼ぶその声に、周りにいた人達がノドカとカグヤのいる方に振り向いた。その視線にノドカがまた、困ったように微笑むと、同じく周りから視線を感じて少し嫌そうな顔をしているカグヤに話しかけた
「それじゃ悪いけど、ミツキがあっちで忙しそうにしているから、僕の代わりに手伝ってきてね。話しの続きはまた後で」
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