これくしょんブック ~ミナモの本棚編~

シャオえる

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21. お茶を飲んで一息ついたら

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 その頃、アカリの家のリビングのソファーで寝ていたユイが目を覚ましていた。少し寝ぼけながら目を擦り大きなあくびをして、辺りをゆっくりと見渡した
「リリ、そろそろアカリを迎えに本棚の所行こっか」
 と、ソファーから立ち上がりながら、リリに話しかけるが返事は来ず、首をかしげながらキッチンへと歩いていく
「近くにいそうな気配はないなぁ……。アカリと一緒に行ったのかな」
 そう呟きながら冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに注いでいると、リビングの扉がゆっくりと開いて、ルカのお母さんがうつ向いて入ってきた
「ルカのお母さん、来てたんですね」
 と、ユイが声をかけると、うつ向いていた顔を少しだけ上げ、ユイを見つけると少し無理矢理ぎみにニコッと微笑んだ
「ええ……。アカリちゃん達は……」
「出掛けたのかな。たぶん本棚を見に行ったのかも」
「そう……」
 と、ユイの返事を聞いてまたうつ向き、ソファーに座りしばらくすると、ユイがお茶を手渡した
「ありがとう……」
 またニコッと微笑みお茶を飲むと、ユイも少し離れてソファーに座りお茶を飲んでいると、玄関からガタガタと物音が聞こえてきた

「あれ、カグヤ。どうしたの?」
 と、リビングを通りすぎようとしていたカグヤにユイが声をかけると、カグヤが足を止め、リビングの方に振り向いた
「ミナモの様子を見にきた」
 そうカグヤが返事をすると、ユイがカグヤの周りを少し見渡しはじめた
「ねえリリ、どこ行ったか知らない?」
「いや、アンズもずっと見ていない。ここで何か食べているとおもったんだが……」
「アンズも見てないよ。じゃあやっぱり、アカリといるのかな……」
 と、ユイが困った顔でそう呟くと、ユイの前に突然ポンッと本が現れた
「じゃあ、どこにいるか見てみる?」
 そうユイのお母さんがそう言うと、本がぱらりと開いて、小さな光がページの上に浮かんで現れた




「どこにも無いっぽい……」
 その頃のリリは、困ったようにはぁ。とため息つきながら、一人愚痴を呟いていた
「ヒカリとアンズの所に戻ろうかしら……」
 と、来た道を振り返りまた一人呟いていると、突然頭にゴンッと何かが当たった
「痛いっ!なんなの!」
 苛つきながら辺りを見渡すと、リリのすぐ側に、さっきまでなかったはずの一冊の本が浮かんでいた
「あれ?この本、誰のだっけ?」
 と、本を取り表紙を見つめ悩んでいると、リリを見つけたヒカリとアンズが近づきながら声をかけてきた
「リリ、やっと見つけた。扉は見つけられたの?」
 と、ヒカリがそう問いかけると、リリが首を横に振る。すると、アンズが困った顔をしてヒカリを見た
「私達も見つけられなかったし……。仕方ない。そろそろ帰りましょうか。アカリ達が心配するものね」
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