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第61話 産業革命と生産技術と品質管理
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第27話「異世界初のフラワーダイキャスト」の後書きで書いていた、たこ焼きの中身についての保証ですが、本日セブン&アイのたこ焼きで、紅しょうがを入れすぎという不具合での回収が発表されました。
入れすぎかどうかなんて、どうやって保証したらよいのでしょうかね?
しょうがだけにしょうがねーとは言えませんね。
それでは本編いってみましょう。
今日も誰も来ない相談窓口で、俺は悩んでいた。
先日会った水島の事でだ。
生産技術のジョブを持った水島と戦うことになったら、俺には何ができるのだろうか?
思わずレベルアップしたときに、【ネジゲージ作成】スキルを取得してしまったが、【FMEA】や【FTA】スキルの方がよかったかもしれない。
それには【QC工程表】を取得しないとな。
「しかし懐かしいな。異世界に来てまで、水島と戦うことになるとは」
水島は謂わば戦友でもあり、敵でもある。
新規立ち上げでは何度もぶつかり、お互いに無理を言い合いながらも、納期を守ってきたのだ。
奴が間に合わないというときは、俺もQC工程表の作成を手伝ったり、設備の組付けを手伝ってきた。
工程能力の評価や、ゲージR&Rの時はこちらが手伝ってもらったりもしている。
不具合の対策報告にも、何度かついてきてもらったな。
そういう思い出があるので、出来れば命のやり取りは避けたい。
考えても埒があかないと、コーヒーを飲もうとしたときに、ギルド長に呼ばれた。
「一緒に将軍の官邸に行ってほしいのだが」
「何があるのですか」
「それは着いてからと言われている」
「行っていきなり身柄を拘束されても困りますよ」
そんな要注意人物になっている自覚はある。
今回に限ってはシルビアについて来てもらいたい。
「それはないと思うよ。アルトを拘束してしまったら、フォルテ公爵に対抗できる手段がなくなるからね」
「その理屈で行くと、フォルテ公爵を倒した後が保証されてませんね」
俺は苦笑する。
孔明に死なれては困る司馬懿仲達だな。
断ってあらぬ疑いをかけられるのも困るので、結局シルビアを護衛に三人で伺うことになった。
官邸で将軍に言われたのは
「産業革命について教えてもらいたい」
という事だった。
「私の世界の知識ですが」
と前置きして、俺は前世の記憶を辿りながら、産業の発展について語り始めた。
「産業の発展には紙と印刷技術が必要です。これにより学術書が大量に出回り、技術の底上げがなされます。ここには紙は既に存在しておりますが、印刷技術はまだまだですね」
「印刷技術とはなんだ?」
ここで将軍が質問を挟んできた。
印刷が無いので、印刷といっても伝わらない。
基本的には出版というと写本だしね。
「紙に同じ文字を書き写す技術と思ってください。写本よりも遥かに短時間で本をつくることが出来ます。それにより知識が広がります。そしてそれが神への懐疑心を生み、宗教にとらわれない考えを生み出しました」
ルネサンスだな。
神が明確に存在するこの世界にはありえない事だ。
「神への猜疑心?」
「私のいた世界では神はその存在が確実ではありませんでした」
「信じられんな」
「この世界で生まれ育ったならそうでしょうね。ここまでが産業革命の為の技術力をつくる土台です。そして、まずは農業革命と呼ばれる農業生産性の向上が起きます。これにより農業に従事する労働者の需要が減り、失業者が都市に流れ込んで工業生産に携わるようになるのです。こうして技術と労働力が合わさって、新たな産業が起こっていきました」
「オッティが労働力がないから、今の段階では産業革命は無理だという事かな」
「はい。フォルテ公爵の領地にどれだけの人口がいるのかわかりませんが、今の農業生産であれば、工場労働者を大量に抱えるのは無理でしょう。オッティにも農業革命を起こすだけの能力は無いはずです」
俺はそう答えた。
農耕機の部品も生産していたが、あくまでも部品であって、完成車両ではない。
それに、耕運機やトラクターがあったとしても、それだけでは農業革命はできないのだ。
俺は更に話を続ける。
「産業革命は大きく分けて2回です。最初は石炭と蒸気機関による革命。石炭とは薪よりも強い火力が出る石だと思って下さい。蒸気機関はお湯を沸かした時に出る湯気で、大きな機械を動かす仕組みです」
俺は紙に湯気とタービンを描いて、そのイメージを全員に説明する。
この世界には魔法があるので、石炭の代わりに火の魔法を使えば、蒸気機関は作る事が出来るかもしれないな。
「蒸気機関でどんなものを動かしていたんだ?」
将軍は蒸気機関について訊いてきた。
「大きな船ですね。これにより帆船やガレー船はなくなります」
「海軍の概念が変わってしまうな」
「そうですね。更に軍艦は鉄になります」
「鉄?水に浮くのか?」
まあそう思うよな。
20世紀には鉄の塊が海に浮かぶどころか、空も飛んでいるぞ。
「はい。二度目の産業革命では石炭から石油に主役が変わります。そうなると船だけではなく、戦車も鉄製になります。この時代にその戦車が登場するとかなりの脅威になるでしょう」
内燃機関の実用化は第二次産業革命からだ。
この時にダイムラーが石油による内燃機関を完成させ、フォードが自動車の量産を開始するのだ。
さらに、ディーゼルがディーゼル機関を開発している。
半導体もこの頃既に発明されていたが、トランジスタの誕生まではもう少し時間がかかったはずだ。
「更に問題なのは、工業の発展によって資本家と呼ばれる金持ちが生まれ、それに対して労働者が社会主義、共産主義を掲げるようになるのです」
「鉄の船や戦車だけでも頭がついていかないのに、社会主義や共産主義という言葉も出てくるのか」
将軍は既に理解の限界を越えたようだ。
わからなくもない。
過去に行くなら、さほど問題ないが、未来へ行くとなると混乱することばかりだろう。
現在では存在しない概念があるのだから。
「まあ、金持ちに対する妬みだと思って下さい」
説明するのを諦めて、ざっくりとした説明だけにした。
「それで、結論として産業革命は可能なのかね?」
将軍はそれを確認したかったのだろう。
「産業革命には労働者の質も関わってきます。今の教育水準で工場労働に従事しても、大量生産は無理でしょうね」
俺の言葉に将軍は安堵する。
そうだ、日本でも良質な労働者が育つまで、明治維新の後の教育勅語からかなり時間が経っている。
今の日本の製造現場など、基礎教育の出来ていない外国人が増えてしまい、単純なミスから発生する不具合が後をたたない。
3K職場と言われて、人が寄り付かないので、どうしても外国人労働者でそれを補っているのだ。
3Kとは「きつい」「きたない」「聞こえて来るのは外国語」の頭文字からきた言葉だ。
機械の操作やメンテナンスなどは、義務教育で学んだことが役に立つので、それがない作業者を一人前に育てるには時間がかかる。
徒弟制度みたいに、教育に時間をかける訳にもいかないので、良質な労働者を是非確保しないとね。
それが出来ないなら無人化しかないよな。
そう、無人化する方法がこの世界にもあるんだった。
「ただし、ロボットという機械が人間に代わって作業をするようになれば話は別です」
「ロボット?」
「ゴーレムだと思って下さい」
ゴーレムに単純な指示を与えて、産業用ロボットの様に使役出来るのは確認済みだ。
これを大量に用意出来るのであれば、無人の工場ができるだろう。
弊社も是非そうして欲しい。
いや、前世の弊社だけど。
「スキルで基礎研究をすっ飛ばして、いきなり千年後の設備を準備することは可能です。そこに大量のゴーレムを用意されたら、労働者の教育の必要が無いので、すぐにでも未来の兵器が量産されてしまいますね」
「それは本当か!?」
「まあ可能性の話ですけどね。賢者の学院の付与魔術師であるカレンの所に、オッティが訪ねてきてますから、ゴーレムのノウハウが欲しかったのでしょう」
「そうなると、あまり時間は無さそうだな」
水島が何をつくるかにもよるだろうけどな。
というか、水島は産業革命をどうやって起こすつもりなのだろうか。
やつはゴーレムのノウハウは手に入れられなかったはずだ。
「今聞いたことを国王に上奏しないとな」
俺が水島の事を考えていたら、将軍はそう言ってきた。
彼の立場ならそうなのだろうが、俺としては困る。
「俺が転生者だっていうのは黙っていて貰えませんかね」
「名前を伏せる程度までしかできんぞ。今ここで聞いた事を信じてもらうには、転生者からの情報であると伝えねばならんだろうからな」
「まあ、そうですよね」
ここが妥協点か。
国の監視が付くくらいならまだしも、腸疫九郎太の手下に監禁された朱美みたいになっちゃうのは勘弁して欲しい。
あの時は、手下が萎縮してなにも出来なかったんだっけ。
じゃあ、それでいいじゃん。
その後将軍は国王に書簡を送る準備をするというので、俺達は官邸から帰ることになった。
「アルト、オッティと戦うことになったら勝てるの?」
「向こうのスキルがわからないから、どうやって戦ったらいいかわからないよ。前世では世話になったから、できれば戦わないで済むといいんだけどね」
「その感じだと、いざという時は戦えなそうね。それなら私が代わりにオッティの首をとるわ」
シルビアのやる気とは対象的に、俺の気持ちは沈んでいた。
※作者の独り言
異世界に現代の知識を持ち込んだとして、どこまで文化水準を引き上げる事ができるんでしょうかね?
日本が明治時代からずっと、安かろう悪かろうと西欧に見下されていたのは、ひとえに教育水準の低さからくる民度の低さだったのだと思います。
教育が行き届いていない状態で、西欧から文化を取り入れても、上手くいくわけが無かったのです。
そんな訳で、社会実験として学校教育のない世界で、産業革命はやってみたいですね。
多分失敗するんだろうな。
入れすぎかどうかなんて、どうやって保証したらよいのでしょうかね?
しょうがだけにしょうがねーとは言えませんね。
それでは本編いってみましょう。
今日も誰も来ない相談窓口で、俺は悩んでいた。
先日会った水島の事でだ。
生産技術のジョブを持った水島と戦うことになったら、俺には何ができるのだろうか?
思わずレベルアップしたときに、【ネジゲージ作成】スキルを取得してしまったが、【FMEA】や【FTA】スキルの方がよかったかもしれない。
それには【QC工程表】を取得しないとな。
「しかし懐かしいな。異世界に来てまで、水島と戦うことになるとは」
水島は謂わば戦友でもあり、敵でもある。
新規立ち上げでは何度もぶつかり、お互いに無理を言い合いながらも、納期を守ってきたのだ。
奴が間に合わないというときは、俺もQC工程表の作成を手伝ったり、設備の組付けを手伝ってきた。
工程能力の評価や、ゲージR&Rの時はこちらが手伝ってもらったりもしている。
不具合の対策報告にも、何度かついてきてもらったな。
そういう思い出があるので、出来れば命のやり取りは避けたい。
考えても埒があかないと、コーヒーを飲もうとしたときに、ギルド長に呼ばれた。
「一緒に将軍の官邸に行ってほしいのだが」
「何があるのですか」
「それは着いてからと言われている」
「行っていきなり身柄を拘束されても困りますよ」
そんな要注意人物になっている自覚はある。
今回に限ってはシルビアについて来てもらいたい。
「それはないと思うよ。アルトを拘束してしまったら、フォルテ公爵に対抗できる手段がなくなるからね」
「その理屈で行くと、フォルテ公爵を倒した後が保証されてませんね」
俺は苦笑する。
孔明に死なれては困る司馬懿仲達だな。
断ってあらぬ疑いをかけられるのも困るので、結局シルビアを護衛に三人で伺うことになった。
官邸で将軍に言われたのは
「産業革命について教えてもらいたい」
という事だった。
「私の世界の知識ですが」
と前置きして、俺は前世の記憶を辿りながら、産業の発展について語り始めた。
「産業の発展には紙と印刷技術が必要です。これにより学術書が大量に出回り、技術の底上げがなされます。ここには紙は既に存在しておりますが、印刷技術はまだまだですね」
「印刷技術とはなんだ?」
ここで将軍が質問を挟んできた。
印刷が無いので、印刷といっても伝わらない。
基本的には出版というと写本だしね。
「紙に同じ文字を書き写す技術と思ってください。写本よりも遥かに短時間で本をつくることが出来ます。それにより知識が広がります。そしてそれが神への懐疑心を生み、宗教にとらわれない考えを生み出しました」
ルネサンスだな。
神が明確に存在するこの世界にはありえない事だ。
「神への猜疑心?」
「私のいた世界では神はその存在が確実ではありませんでした」
「信じられんな」
「この世界で生まれ育ったならそうでしょうね。ここまでが産業革命の為の技術力をつくる土台です。そして、まずは農業革命と呼ばれる農業生産性の向上が起きます。これにより農業に従事する労働者の需要が減り、失業者が都市に流れ込んで工業生産に携わるようになるのです。こうして技術と労働力が合わさって、新たな産業が起こっていきました」
「オッティが労働力がないから、今の段階では産業革命は無理だという事かな」
「はい。フォルテ公爵の領地にどれだけの人口がいるのかわかりませんが、今の農業生産であれば、工場労働者を大量に抱えるのは無理でしょう。オッティにも農業革命を起こすだけの能力は無いはずです」
俺はそう答えた。
農耕機の部品も生産していたが、あくまでも部品であって、完成車両ではない。
それに、耕運機やトラクターがあったとしても、それだけでは農業革命はできないのだ。
俺は更に話を続ける。
「産業革命は大きく分けて2回です。最初は石炭と蒸気機関による革命。石炭とは薪よりも強い火力が出る石だと思って下さい。蒸気機関はお湯を沸かした時に出る湯気で、大きな機械を動かす仕組みです」
俺は紙に湯気とタービンを描いて、そのイメージを全員に説明する。
この世界には魔法があるので、石炭の代わりに火の魔法を使えば、蒸気機関は作る事が出来るかもしれないな。
「蒸気機関でどんなものを動かしていたんだ?」
将軍は蒸気機関について訊いてきた。
「大きな船ですね。これにより帆船やガレー船はなくなります」
「海軍の概念が変わってしまうな」
「そうですね。更に軍艦は鉄になります」
「鉄?水に浮くのか?」
まあそう思うよな。
20世紀には鉄の塊が海に浮かぶどころか、空も飛んでいるぞ。
「はい。二度目の産業革命では石炭から石油に主役が変わります。そうなると船だけではなく、戦車も鉄製になります。この時代にその戦車が登場するとかなりの脅威になるでしょう」
内燃機関の実用化は第二次産業革命からだ。
この時にダイムラーが石油による内燃機関を完成させ、フォードが自動車の量産を開始するのだ。
さらに、ディーゼルがディーゼル機関を開発している。
半導体もこの頃既に発明されていたが、トランジスタの誕生まではもう少し時間がかかったはずだ。
「更に問題なのは、工業の発展によって資本家と呼ばれる金持ちが生まれ、それに対して労働者が社会主義、共産主義を掲げるようになるのです」
「鉄の船や戦車だけでも頭がついていかないのに、社会主義や共産主義という言葉も出てくるのか」
将軍は既に理解の限界を越えたようだ。
わからなくもない。
過去に行くなら、さほど問題ないが、未来へ行くとなると混乱することばかりだろう。
現在では存在しない概念があるのだから。
「まあ、金持ちに対する妬みだと思って下さい」
説明するのを諦めて、ざっくりとした説明だけにした。
「それで、結論として産業革命は可能なのかね?」
将軍はそれを確認したかったのだろう。
「産業革命には労働者の質も関わってきます。今の教育水準で工場労働に従事しても、大量生産は無理でしょうね」
俺の言葉に将軍は安堵する。
そうだ、日本でも良質な労働者が育つまで、明治維新の後の教育勅語からかなり時間が経っている。
今の日本の製造現場など、基礎教育の出来ていない外国人が増えてしまい、単純なミスから発生する不具合が後をたたない。
3K職場と言われて、人が寄り付かないので、どうしても外国人労働者でそれを補っているのだ。
3Kとは「きつい」「きたない」「聞こえて来るのは外国語」の頭文字からきた言葉だ。
機械の操作やメンテナンスなどは、義務教育で学んだことが役に立つので、それがない作業者を一人前に育てるには時間がかかる。
徒弟制度みたいに、教育に時間をかける訳にもいかないので、良質な労働者を是非確保しないとね。
それが出来ないなら無人化しかないよな。
そう、無人化する方法がこの世界にもあるんだった。
「ただし、ロボットという機械が人間に代わって作業をするようになれば話は別です」
「ロボット?」
「ゴーレムだと思って下さい」
ゴーレムに単純な指示を与えて、産業用ロボットの様に使役出来るのは確認済みだ。
これを大量に用意出来るのであれば、無人の工場ができるだろう。
弊社も是非そうして欲しい。
いや、前世の弊社だけど。
「スキルで基礎研究をすっ飛ばして、いきなり千年後の設備を準備することは可能です。そこに大量のゴーレムを用意されたら、労働者の教育の必要が無いので、すぐにでも未来の兵器が量産されてしまいますね」
「それは本当か!?」
「まあ可能性の話ですけどね。賢者の学院の付与魔術師であるカレンの所に、オッティが訪ねてきてますから、ゴーレムのノウハウが欲しかったのでしょう」
「そうなると、あまり時間は無さそうだな」
水島が何をつくるかにもよるだろうけどな。
というか、水島は産業革命をどうやって起こすつもりなのだろうか。
やつはゴーレムのノウハウは手に入れられなかったはずだ。
「今聞いたことを国王に上奏しないとな」
俺が水島の事を考えていたら、将軍はそう言ってきた。
彼の立場ならそうなのだろうが、俺としては困る。
「俺が転生者だっていうのは黙っていて貰えませんかね」
「名前を伏せる程度までしかできんぞ。今ここで聞いた事を信じてもらうには、転生者からの情報であると伝えねばならんだろうからな」
「まあ、そうですよね」
ここが妥協点か。
国の監視が付くくらいならまだしも、腸疫九郎太の手下に監禁された朱美みたいになっちゃうのは勘弁して欲しい。
あの時は、手下が萎縮してなにも出来なかったんだっけ。
じゃあ、それでいいじゃん。
その後将軍は国王に書簡を送る準備をするというので、俺達は官邸から帰ることになった。
「アルト、オッティと戦うことになったら勝てるの?」
「向こうのスキルがわからないから、どうやって戦ったらいいかわからないよ。前世では世話になったから、できれば戦わないで済むといいんだけどね」
「その感じだと、いざという時は戦えなそうね。それなら私が代わりにオッティの首をとるわ」
シルビアのやる気とは対象的に、俺の気持ちは沈んでいた。
※作者の独り言
異世界に現代の知識を持ち込んだとして、どこまで文化水準を引き上げる事ができるんでしょうかね?
日本が明治時代からずっと、安かろう悪かろうと西欧に見下されていたのは、ひとえに教育水準の低さからくる民度の低さだったのだと思います。
教育が行き届いていない状態で、西欧から文化を取り入れても、上手くいくわけが無かったのです。
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