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第149話 エルフの隠れ里1
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「エルフの隠れ里を見つけたい、ですか」
「そうなんだ」
俺は今ギルド長に呼ばれて執務室に来ていた。
シルビアも一緒にいる。
なんでも、大昔に封印された魔神の封印が解けそうなので、エルフに伝わる秘術で封印を重ね掛けしたいということだとか。
俺とシルビアは毎日冒険者ギルドにいる必要もないので、エルフの隠れ里捜索にはもってこいな人選だ。
他の冒険者ギルドでも、クエストとして依頼をかけるようだが、雲をつかむような話で受ける冒険者はいないだろうということだ。
尚、魔神復活については余計な不安を煽るのもよくないというので、エルフの隠れ里を捜索して、エルフと交渉する下地が欲しいという内容にするそうだ。
俺達にも守秘義務が発生している。
正直どう調査してよいのかわからないが、世界の存亡の危機であるならばやるしかない。
依頼を承諾して執務室を出た。
「エルフの隠れ里なんてどこにあるのか調べようもないわよね」
「藤沢市か栃木市じゃないかな」
「どこよそれ」
完成車両は藤沢、部品は栃木だったかな?
そんなところで耳の長い人を見かけたことは無いが。
そういや、エルフの外観的な特徴ってどんなのだろうか。
「シルビアはエルフを見たことあるのか?」
「昔迷宮で見かけたわ。小柄で耳が長かったわよ」
どうやらここでもエルフの外観は一緒のようだ。
北欧のエルフみたいなのだと小さくて見つけにくいと思ったが、肩に五つの穴が空いているエルフならよかった。
え、空いてませんか、失礼しました。
中身はと学会の会長かと思ったけど違うのか。
「誰かエルフの研究している学者とか知らないか?」
「そんな人知っていたら苦労しないわよ。カレンにでも訊いたらいいじゃない」
「そうだな。ステラに戻ってきたらしいから、今から賢者の学院に行ってみようか」
カレンは以前ゴーレムの研究について教えてもらった学者である。
夫のサイノスとの結婚を手伝った経緯がある。
早速シルビアと賢者の学院に向かった。
賢者の学院正門で受付をすませて中に入り、カレンの研究室に入れてもらう。
彼女は机に座って論文を書いていた。
俺達が邪魔をして不機嫌になるかと思ったが、笑顔で迎え入れてくれた。
最初の時とはえらい違いだな。
早速カレンの研究室で単刀直入に訊いた。
「エルフについての研究者を知らないかですって」
「詳しくは言えないが、世界が危ないのでエルフの力が必要らしい」
「説明がアバウトすぎよ。って言ってもどうせ詳しく聞いていないか、いえない事情があるんでしょうけど」
「察しが良くて助かります」
「この学院にエルフの研究の第一人者がいるわ。私からの紹介なら会ってくれると思うわよ」
カレンが言うには、エルフを研究している学者がこの学院にいるというのだ。
その人物であれば、エルフの隠れ里を知っているかもしれないな。
早速カレンと一緒にその学者の研究室に向かった。
「ジェミニ、ちょっといいかしら」
カレンが呼びかけた女性はジェミニといった。
白髪が肩まで伸びた小柄な女性だ。
顔には深いしわがあって、かなりの年齢だと思われる。
「カレンか。なんだい?それに後ろの二人は?」
ジェミニが訝し気に俺達を見る。
「この二人は冒険者ギルドの職員で、詳しくは言えないけど、世界の危機に立ち向かうのにエルフの知識が必要みたいなの。相談にのってくれるかしら」
「アルトです。こちらがシルビア」
「詳しいことはこの二人から聞いてね。私は聞いちゃまずいみたいだから、ここまででおいとまするわね」
「カレン、ありがとう」
カレンは俺達を残してジェミニの研究室から出て行った。
早速ジェミニから質問がくる。
「で、世界の危機ていうのは何だい?」
「魔人の封印が解けそうだということです。それを食い止めるために、エルフの秘術が必要なので、エルフの隠れ里で秘術を使ってもらえるようにお願いをしたいのです」
「ああ、魔神戦争の時に封印された魔神のことだね」
「知っているんですか!」
どうやらジェミニは封印されている魔神のことを知っているようだ。
俺は単に魔神としか聞いていないので、どんな魔神が封印されているか知らない。
「世界はその魔神によって滅ぶ直前まで追い込まれたんだ。それを救ったのがエルフに伝わる封印の秘術ってわけさね」
「どうしてそんな世界を救った種族が隠れ住むことになったんですか?」
そこがわからない。
世界を救ったならみんなから感謝されそうなものだが。
「ダークエルフの火の一族との抗争に疲れたんだろうね」
「日野一族……」
「シルビア、字が違うと思うよ」
その文字でエルフと抗争しちゃうのは色々と不味い。
「エルフとダークエルフは元々同じ種族だったのさ。だが、途中から主張が相容れなくなって、分裂していがみ合うようになってしまったんだよ」
どっかの自動車会社の話を聞いているようだが、エルフとダークエルフの火の一族の話だからな。
そこ、重要。
「それじゃあ、エルフはダークエルフに狙われるから表に出てこなくなったわけですか。どうしたら会えるんですかね?」
「そうね、まずは魔神が封印されている場所に連れて行ってほしいわね。本当に封印が解けそうならエルフの長老たちに連絡を取る方法を考えるから。流石にあれを放置するのはまずいわ」
ここでジェミニから護衛の依頼となる。
俺はシルビアの顔を見た。
「あたしは構わないわよ。魔神の封印に関することなら仕事のうちだから。それよりも今回はかなり口数が少ないわね。普段ならもっと余計な事を言ってるのに」
シルビアさん、俺がエルフについて余計な事を言ったら大変な事になるでしょ。
異世界だからって、なんでも言って言い訳じゃないんだよ。
誰におびえているかは秘密です。
話を戻そう。
シルビアが納得してくれたので、俺達はジェミニを護衛しながら、魔神の封印された場所を目指すことになった。
どういうわけか、封印されているのはカイロン侯爵領の山の中だという。
まあ、あそこなら多少やらかしても、もみ消してくれるだろう。
やらかすの前提かいっていう苦情は聞かない。
ジェミニは準備があるというので出発は翌日となった。
集合場所は学院の前と約束し、俺とシルビアはギルド長に報告するため、一旦冒険者ギルドに戻ることになった。
「事情は分かった。二人だけで護衛は足りるのかい?」
ギルド長は俺達を心配してそう言ってくれたが、今回用意するのは最新鋭の馬車である。
フレームの内張りにはビームを採用して強度を上げている。
落石による襲撃にも耐えられるようになっているのだ。
素材ですか?
勿論以前つくったオリハルコン馬車の流用ですよ。
なので、馬もゴーレムで出来ている。
24時間運用可能なので、夜営の必要もない。
サスペンションをダブルウィッシュボーンにして、路面からの衝撃を吸収する最新型。
スタビライザーも追加しようと思ったが、乗り心地が悪くなりそうなのでやめた。
更には御者不要のオートパイロット機能があり、サーマルレーダーによる外部監視機能もついている。
チートにも程があると思うのだが、オッティと話していて、ついついやり過ぎた結果だ。
盗まれると危ないので、俺の収納ボックスに入れてあるのだ。
本当は120ミリライフル砲も付けようと思ったのだが、それは流石に自重したのだ。
別に、レイアウト的にオートローダーが設置できなかったからという訳ではない。
というのを細かくは言えなかったが、護衛は断っておいた。
こんなもんに乗せられない。
勿論、ジェミニを迎えに行くのも徒歩である。
街から離れたところでこれに乗り換えるつもりだ。
さて、いよいよ出発だな。
「そうなんだ」
俺は今ギルド長に呼ばれて執務室に来ていた。
シルビアも一緒にいる。
なんでも、大昔に封印された魔神の封印が解けそうなので、エルフに伝わる秘術で封印を重ね掛けしたいということだとか。
俺とシルビアは毎日冒険者ギルドにいる必要もないので、エルフの隠れ里捜索にはもってこいな人選だ。
他の冒険者ギルドでも、クエストとして依頼をかけるようだが、雲をつかむような話で受ける冒険者はいないだろうということだ。
尚、魔神復活については余計な不安を煽るのもよくないというので、エルフの隠れ里を捜索して、エルフと交渉する下地が欲しいという内容にするそうだ。
俺達にも守秘義務が発生している。
正直どう調査してよいのかわからないが、世界の存亡の危機であるならばやるしかない。
依頼を承諾して執務室を出た。
「エルフの隠れ里なんてどこにあるのか調べようもないわよね」
「藤沢市か栃木市じゃないかな」
「どこよそれ」
完成車両は藤沢、部品は栃木だったかな?
そんなところで耳の長い人を見かけたことは無いが。
そういや、エルフの外観的な特徴ってどんなのだろうか。
「シルビアはエルフを見たことあるのか?」
「昔迷宮で見かけたわ。小柄で耳が長かったわよ」
どうやらここでもエルフの外観は一緒のようだ。
北欧のエルフみたいなのだと小さくて見つけにくいと思ったが、肩に五つの穴が空いているエルフならよかった。
え、空いてませんか、失礼しました。
中身はと学会の会長かと思ったけど違うのか。
「誰かエルフの研究している学者とか知らないか?」
「そんな人知っていたら苦労しないわよ。カレンにでも訊いたらいいじゃない」
「そうだな。ステラに戻ってきたらしいから、今から賢者の学院に行ってみようか」
カレンは以前ゴーレムの研究について教えてもらった学者である。
夫のサイノスとの結婚を手伝った経緯がある。
早速シルビアと賢者の学院に向かった。
賢者の学院正門で受付をすませて中に入り、カレンの研究室に入れてもらう。
彼女は机に座って論文を書いていた。
俺達が邪魔をして不機嫌になるかと思ったが、笑顔で迎え入れてくれた。
最初の時とはえらい違いだな。
早速カレンの研究室で単刀直入に訊いた。
「エルフについての研究者を知らないかですって」
「詳しくは言えないが、世界が危ないのでエルフの力が必要らしい」
「説明がアバウトすぎよ。って言ってもどうせ詳しく聞いていないか、いえない事情があるんでしょうけど」
「察しが良くて助かります」
「この学院にエルフの研究の第一人者がいるわ。私からの紹介なら会ってくれると思うわよ」
カレンが言うには、エルフを研究している学者がこの学院にいるというのだ。
その人物であれば、エルフの隠れ里を知っているかもしれないな。
早速カレンと一緒にその学者の研究室に向かった。
「ジェミニ、ちょっといいかしら」
カレンが呼びかけた女性はジェミニといった。
白髪が肩まで伸びた小柄な女性だ。
顔には深いしわがあって、かなりの年齢だと思われる。
「カレンか。なんだい?それに後ろの二人は?」
ジェミニが訝し気に俺達を見る。
「この二人は冒険者ギルドの職員で、詳しくは言えないけど、世界の危機に立ち向かうのにエルフの知識が必要みたいなの。相談にのってくれるかしら」
「アルトです。こちらがシルビア」
「詳しいことはこの二人から聞いてね。私は聞いちゃまずいみたいだから、ここまででおいとまするわね」
「カレン、ありがとう」
カレンは俺達を残してジェミニの研究室から出て行った。
早速ジェミニから質問がくる。
「で、世界の危機ていうのは何だい?」
「魔人の封印が解けそうだということです。それを食い止めるために、エルフの秘術が必要なので、エルフの隠れ里で秘術を使ってもらえるようにお願いをしたいのです」
「ああ、魔神戦争の時に封印された魔神のことだね」
「知っているんですか!」
どうやらジェミニは封印されている魔神のことを知っているようだ。
俺は単に魔神としか聞いていないので、どんな魔神が封印されているか知らない。
「世界はその魔神によって滅ぶ直前まで追い込まれたんだ。それを救ったのがエルフに伝わる封印の秘術ってわけさね」
「どうしてそんな世界を救った種族が隠れ住むことになったんですか?」
そこがわからない。
世界を救ったならみんなから感謝されそうなものだが。
「ダークエルフの火の一族との抗争に疲れたんだろうね」
「日野一族……」
「シルビア、字が違うと思うよ」
その文字でエルフと抗争しちゃうのは色々と不味い。
「エルフとダークエルフは元々同じ種族だったのさ。だが、途中から主張が相容れなくなって、分裂していがみ合うようになってしまったんだよ」
どっかの自動車会社の話を聞いているようだが、エルフとダークエルフの火の一族の話だからな。
そこ、重要。
「それじゃあ、エルフはダークエルフに狙われるから表に出てこなくなったわけですか。どうしたら会えるんですかね?」
「そうね、まずは魔神が封印されている場所に連れて行ってほしいわね。本当に封印が解けそうならエルフの長老たちに連絡を取る方法を考えるから。流石にあれを放置するのはまずいわ」
ここでジェミニから護衛の依頼となる。
俺はシルビアの顔を見た。
「あたしは構わないわよ。魔神の封印に関することなら仕事のうちだから。それよりも今回はかなり口数が少ないわね。普段ならもっと余計な事を言ってるのに」
シルビアさん、俺がエルフについて余計な事を言ったら大変な事になるでしょ。
異世界だからって、なんでも言って言い訳じゃないんだよ。
誰におびえているかは秘密です。
話を戻そう。
シルビアが納得してくれたので、俺達はジェミニを護衛しながら、魔神の封印された場所を目指すことになった。
どういうわけか、封印されているのはカイロン侯爵領の山の中だという。
まあ、あそこなら多少やらかしても、もみ消してくれるだろう。
やらかすの前提かいっていう苦情は聞かない。
ジェミニは準備があるというので出発は翌日となった。
集合場所は学院の前と約束し、俺とシルビアはギルド長に報告するため、一旦冒険者ギルドに戻ることになった。
「事情は分かった。二人だけで護衛は足りるのかい?」
ギルド長は俺達を心配してそう言ってくれたが、今回用意するのは最新鋭の馬車である。
フレームの内張りにはビームを採用して強度を上げている。
落石による襲撃にも耐えられるようになっているのだ。
素材ですか?
勿論以前つくったオリハルコン馬車の流用ですよ。
なので、馬もゴーレムで出来ている。
24時間運用可能なので、夜営の必要もない。
サスペンションをダブルウィッシュボーンにして、路面からの衝撃を吸収する最新型。
スタビライザーも追加しようと思ったが、乗り心地が悪くなりそうなのでやめた。
更には御者不要のオートパイロット機能があり、サーマルレーダーによる外部監視機能もついている。
チートにも程があると思うのだが、オッティと話していて、ついついやり過ぎた結果だ。
盗まれると危ないので、俺の収納ボックスに入れてあるのだ。
本当は120ミリライフル砲も付けようと思ったのだが、それは流石に自重したのだ。
別に、レイアウト的にオートローダーが設置できなかったからという訳ではない。
というのを細かくは言えなかったが、護衛は断っておいた。
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