163 / 439
第162話 工業用水
しおりを挟む
グレイスが叙爵され、女男爵となった。
オーリスから聞いた話では、カイロン侯爵領の発展に危機感を抱いた、王族や他の有力貴族からの圧力で、グレイスとオッティをカイロン侯爵から引き離す政略なんだとか。
俺の目から見ても、オッティの開発した兵器は危険だと思うので、遠くに追いやるのは当然かな。
敵国の王都を射程におさめる超巨大な多薬室砲と、それで打ち出される砲弾は、味方に向かないという保証はない。
多薬室砲はナチスドイツで考案されたが、当時の技術力では、燃焼タイミングの制御が難しく、実用化はされなかった。
それをゴルゴ13で読んだオッティが、魔法によるタイミング制御で実現させたのである。
なお、射程は流石に実験できるはずもなく、不明となっている。
そして、その砲弾にはサーモバリック爆薬が搭載されている。
サーモバリック爆弾は燃料気化爆弾とも呼ばれ、理論は炭塵爆発に近い。
起動には高度信管が必要なのだが、こちらの高度信管も魔法制御らしい。
そんなもん、よく開発したなと感心する。
で、それを大々的に御披露目したので、みんなが大慌てというわけである。
一部強硬派は、カイロン侯爵領に攻め込む事を主張したが、そんなことをすれば返り討ちに遭うのは目に見えているので、反対派に説得されて事なきをえたのである。
ただ、反対派もカイロン侯爵領の新技術、新兵器は驚異であると感じており、グレイスを男爵として、辺境の領地を与えて隔離しようと決まったのである。
カイロン侯爵もこれに反対しては、反乱の意図有りと疑われるので、大人しくそれに従った。
まあ、グレイスが同じ派閥に残るので、それで手を打った訳である。
「で、お別れの挨拶に来てくれた訳か」
場所は冒険者ギルドの相談窓口である。
グレイス、オーリス、オッティの三人がここに来ていた。
与えられた領地は辺境の国境の魔境だ。
海と山に囲まれ、平野部は殆んど無い。
人口は500人程度の小さな領である。
前任の男爵は、あまりにも運営に金がかかるので投げ出した土地である。
何せ、隣国とは緊張関係が続き、国境の警備には金がかかる。
更に、海まであるから、監視する範囲が広いのだ。
出ていく金は多いが、入ってくる金は少ない。
何しろ人口が少ない。
加えて産業がない。
はっきりいって、こんな領地をもらっても困る。
そんな場所であった。
「人口が少ないから、生活用水は地下水だけで足りるのがありがたいな。工業用水は表流水を使わせてもらう」
「あー、工業用水だしな」
「なによ、その表流水って」
俺とオッティの会話に出てきた単語がわからなくて、グレイスが少し不機嫌になった。
俺はグレイスに表流水と地下水の違いを説明する。
「表流水っていうのは川の水だ。それに対して、地下を流れているのが地下水だ。関東でいえば、水道水は多くは地下水なんだよ。東日本大震災の時に、水道水から放射能が出たのは、地下水じゃなくて表流水を水道水として使っている自治体だな。宇都宮と東京都だったろ。地下水だと、水が染み込むまでに時間が掛かるから、放射能があんなに早く検出されるわけ無いんだ。30年後とかならわからないけど、セシウムなんかもその頃には半減期を迎えているだろうな」
「あー、そういうことか。それならわかるわ」
「ついでに言うと、工業用水は表流水なんだ。渇水になると、取水制限が実施されるけど、家庭の水道水には影響がないだろ。でも、工場では制限がかかっているんだ。ま、地下水を吸い上げて工業用水として使った結果、地下水が枯渇して、地盤沈下させた国もあるけどな」
利根川水系のダムの放水は本当に酷い。
台風が来る前にバンバン放水しちゃうから、進路が外れるとすぐに渇水になる。
東京都が管理しているダムはその辺が絶妙だ。
利根川水系のダムは、国土交通相が管理しているから、ダムをもっと作るために、わざとやってるんじゃないかと疑ってしまう。
水利権購入して、工業用水を使用しているのに、取水制限はないだろ。
苦情の窓口は自治体の水道局なので、そこに苦情をいれるが、真の原因はそこじゃない。
話がそれた。
「つまり、河川は工業用水として使って汚染するから、住民は地下水を使えってことだ。水道を作らないとな」
オッティはどんなプラントを建設するつもりなんだろうか?
聞いておかないと、不安しかない。
水質検査キットなんて、ここには無いからな。
何年もあとにそこの跡地を市場にしようなんて話が出て大騒ぎになっても困るぞ。
「なあ、オッティ。どんなプラントを考えているんだ?」
「水力発電所と農業プラントだな。農業をプラントにすることで余った労働力を他にまわせるから。兵器工廠やら、高炉、電炉の方にも人が欲しい」
手帳を見ながら説明してくれる。
どうやら、やりたいことが多すぎて、手帳に書いているようだ。
「製塩もイオン交換膜で大規模に行う。塩は手っ取り早く現金化できるからな」
「イオン交換膜なんて作れるのかよ」
思わず声が大きくなってしまった。
イオン交換膜なんて、戦後の技術だぞ。
それをいったら、多薬室砲やサーモバリック爆弾もなんだけど。
「スキルで作り出した生産設備についている、イオン交換膜をばらしただけだ。単体で作れる訳じゃない」
残念だ。
いや、入手方法があるだけましか。
「さて、じゃあ募集をかけたら行くわよ」
グレイスがオッティを顎で促す。
「募集?」
その言葉の意味がわからず、グレイスに説明を求めた。
「人口が圧倒的に足りないから、冒険者を募集して、領地の防衛をしてもらうのよ。できれば、そのまま定着してもらえたらいいんだけど。ほら、領民の引き抜きは出来ないじゃない。でも、根なし草の冒険者なら、かき集めても問題ないから。当然報酬は払うけど、低ランクの冒険者をターゲットにしているから、そんなに高額の報酬じゃないわよ」
「屯田兵に近いのか」
「それが一番近いかな」
その後、冒険者ギルドで依頼を出して、グレイスとオッティは旅立って行った。
尚、ここから一週間位の距離にある領地で依頼をこなして、戻ってきてから報酬を受けとるのは厳しいだろうと云うことで、カイロン侯爵が出資して、グレイス男爵領に冒険者ギルドの支部を置くこととなった。
最初は食堂や物販、買取は無しで、依頼業務の処理のみとなるそうだ。
さて、内政チートによる発展とやらを見せてもらおうじゃないか。
オーリスから聞いた話では、カイロン侯爵領の発展に危機感を抱いた、王族や他の有力貴族からの圧力で、グレイスとオッティをカイロン侯爵から引き離す政略なんだとか。
俺の目から見ても、オッティの開発した兵器は危険だと思うので、遠くに追いやるのは当然かな。
敵国の王都を射程におさめる超巨大な多薬室砲と、それで打ち出される砲弾は、味方に向かないという保証はない。
多薬室砲はナチスドイツで考案されたが、当時の技術力では、燃焼タイミングの制御が難しく、実用化はされなかった。
それをゴルゴ13で読んだオッティが、魔法によるタイミング制御で実現させたのである。
なお、射程は流石に実験できるはずもなく、不明となっている。
そして、その砲弾にはサーモバリック爆薬が搭載されている。
サーモバリック爆弾は燃料気化爆弾とも呼ばれ、理論は炭塵爆発に近い。
起動には高度信管が必要なのだが、こちらの高度信管も魔法制御らしい。
そんなもん、よく開発したなと感心する。
で、それを大々的に御披露目したので、みんなが大慌てというわけである。
一部強硬派は、カイロン侯爵領に攻め込む事を主張したが、そんなことをすれば返り討ちに遭うのは目に見えているので、反対派に説得されて事なきをえたのである。
ただ、反対派もカイロン侯爵領の新技術、新兵器は驚異であると感じており、グレイスを男爵として、辺境の領地を与えて隔離しようと決まったのである。
カイロン侯爵もこれに反対しては、反乱の意図有りと疑われるので、大人しくそれに従った。
まあ、グレイスが同じ派閥に残るので、それで手を打った訳である。
「で、お別れの挨拶に来てくれた訳か」
場所は冒険者ギルドの相談窓口である。
グレイス、オーリス、オッティの三人がここに来ていた。
与えられた領地は辺境の国境の魔境だ。
海と山に囲まれ、平野部は殆んど無い。
人口は500人程度の小さな領である。
前任の男爵は、あまりにも運営に金がかかるので投げ出した土地である。
何せ、隣国とは緊張関係が続き、国境の警備には金がかかる。
更に、海まであるから、監視する範囲が広いのだ。
出ていく金は多いが、入ってくる金は少ない。
何しろ人口が少ない。
加えて産業がない。
はっきりいって、こんな領地をもらっても困る。
そんな場所であった。
「人口が少ないから、生活用水は地下水だけで足りるのがありがたいな。工業用水は表流水を使わせてもらう」
「あー、工業用水だしな」
「なによ、その表流水って」
俺とオッティの会話に出てきた単語がわからなくて、グレイスが少し不機嫌になった。
俺はグレイスに表流水と地下水の違いを説明する。
「表流水っていうのは川の水だ。それに対して、地下を流れているのが地下水だ。関東でいえば、水道水は多くは地下水なんだよ。東日本大震災の時に、水道水から放射能が出たのは、地下水じゃなくて表流水を水道水として使っている自治体だな。宇都宮と東京都だったろ。地下水だと、水が染み込むまでに時間が掛かるから、放射能があんなに早く検出されるわけ無いんだ。30年後とかならわからないけど、セシウムなんかもその頃には半減期を迎えているだろうな」
「あー、そういうことか。それならわかるわ」
「ついでに言うと、工業用水は表流水なんだ。渇水になると、取水制限が実施されるけど、家庭の水道水には影響がないだろ。でも、工場では制限がかかっているんだ。ま、地下水を吸い上げて工業用水として使った結果、地下水が枯渇して、地盤沈下させた国もあるけどな」
利根川水系のダムの放水は本当に酷い。
台風が来る前にバンバン放水しちゃうから、進路が外れるとすぐに渇水になる。
東京都が管理しているダムはその辺が絶妙だ。
利根川水系のダムは、国土交通相が管理しているから、ダムをもっと作るために、わざとやってるんじゃないかと疑ってしまう。
水利権購入して、工業用水を使用しているのに、取水制限はないだろ。
苦情の窓口は自治体の水道局なので、そこに苦情をいれるが、真の原因はそこじゃない。
話がそれた。
「つまり、河川は工業用水として使って汚染するから、住民は地下水を使えってことだ。水道を作らないとな」
オッティはどんなプラントを建設するつもりなんだろうか?
聞いておかないと、不安しかない。
水質検査キットなんて、ここには無いからな。
何年もあとにそこの跡地を市場にしようなんて話が出て大騒ぎになっても困るぞ。
「なあ、オッティ。どんなプラントを考えているんだ?」
「水力発電所と農業プラントだな。農業をプラントにすることで余った労働力を他にまわせるから。兵器工廠やら、高炉、電炉の方にも人が欲しい」
手帳を見ながら説明してくれる。
どうやら、やりたいことが多すぎて、手帳に書いているようだ。
「製塩もイオン交換膜で大規模に行う。塩は手っ取り早く現金化できるからな」
「イオン交換膜なんて作れるのかよ」
思わず声が大きくなってしまった。
イオン交換膜なんて、戦後の技術だぞ。
それをいったら、多薬室砲やサーモバリック爆弾もなんだけど。
「スキルで作り出した生産設備についている、イオン交換膜をばらしただけだ。単体で作れる訳じゃない」
残念だ。
いや、入手方法があるだけましか。
「さて、じゃあ募集をかけたら行くわよ」
グレイスがオッティを顎で促す。
「募集?」
その言葉の意味がわからず、グレイスに説明を求めた。
「人口が圧倒的に足りないから、冒険者を募集して、領地の防衛をしてもらうのよ。できれば、そのまま定着してもらえたらいいんだけど。ほら、領民の引き抜きは出来ないじゃない。でも、根なし草の冒険者なら、かき集めても問題ないから。当然報酬は払うけど、低ランクの冒険者をターゲットにしているから、そんなに高額の報酬じゃないわよ」
「屯田兵に近いのか」
「それが一番近いかな」
その後、冒険者ギルドで依頼を出して、グレイスとオッティは旅立って行った。
尚、ここから一週間位の距離にある領地で依頼をこなして、戻ってきてから報酬を受けとるのは厳しいだろうと云うことで、カイロン侯爵が出資して、グレイス男爵領に冒険者ギルドの支部を置くこととなった。
最初は食堂や物販、買取は無しで、依頼業務の処理のみとなるそうだ。
さて、内政チートによる発展とやらを見せてもらおうじゃないか。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
ファンタジー
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる