273 / 439
第272話 絶体絶命 前編
しおりを挟む
どうも最近冒険者ギルドの中に違和感がある。
それは、等級の高い冒険者の数が少ないということだ。
別に死んだり引退したわけじゃない。
魔王マークⅡの軍団が攻めてきたとかいう話で、上位の冒険者達が他の街に向かってしまったのである。
どうにも、国の軍隊だけではモンスターの数が多すぎて対応出来ていないのだ。
それにしても、ステラの近辺では何もないのが気に入らない。
標準偏差から大きく外れているのではないだろうか。
「あんたも仏頂面ね」
品質管理部で机に座っていると、そこに不機嫌そうなシルビアがやってきた。
「あんたも?シルビアも不機嫌そうだね。どうしたの?」
見るからに不機嫌そうなシルビアに、その理由を訊ねた。
「不機嫌にもなるわよ。こっちのヒロインはオーリス。あっちはスターレット。あたしはどうしたらいいのよ。おまけに、漫画のパロディはやらないと思っていたらパイナップルの兵隊ネタじゃない。中世でオリハルコン作ったと思ったらアルミだった奴でしょ!」
ふむ、その不満はわからないでもない。
だが、メインヒロインは一人だ。
そんな、不倫した係長の奥さんが会社に乗り込んでくるような、何人もの女性に手を出すのは如何なものかと思う。
「まあそう言わなくても。そのうちどこかでいいことあるよ」
「そのうちっていつ?何時何分?いい加減なこといわないでよ!」
駄目だ、手がつけられない。
どうしようかと悩んでいると――
カンカンカンカン
非常事態を知らせる鐘がけたたましく鳴らされた。
「シルビア!」
「アルト、外を見に行くわよ!!」
二人で慌てて外に駆け出す。
外に出ると街の住民が右へ左へと走っている。
その方向に規則性はなく、完全に混乱しているように見える。
「なによこれ」
シルビアは困惑している。
状況が掴めないし、どこに行けば情報が入ってくるのかもわからない。
「そうだ、オーリスっ!」
俺はオーリスの事が心配になり、彼女がいるはずの冒険者ギルドを目指して走り出した。
「ちょっと、アルト。どこに行くのよ!」
「オーリスが心配だから見てくる!」
「あたしも行くわ」
シルビアがついてきた。
そのまま二人でオーリスの冒険者ギルドに向かった。
往来で右往左往している人たちの口からは、モンスターの襲来だと聞こえてくる。
冒険者ギルドに入ると、受付でオーリスが指示を出していた。
「オーリス、無事でよかった」
オーリスを見た途端に安堵した。
「アルト、ちょうどよかったですわ」
オーリスは俺の方を見ると微笑んだ。
事務的な笑みだ。
その顔をされるとちょっと悲しくなる。
場所が場所だけに仕方がないが。
「今、将軍からの連絡があり、ステラがモンスターに包囲されてしまったみたいですわ。魔王の副官から降伏勧告がきたと使者の方がおっしゃっていましたわ」
「な、なんだってー!!」
思わずナワヤと驚きの声がハモった。
ナワヤじゃなかった、シルビアだ。
「何でも、ベテランの冒険者が少ない状況で、軍だけでは戦力が足りないだろうとか言ってるそうですわ。冒険者ギルドに難易度が高い、他の街の救援依頼が多かったのも、考えてみれば魔王の策略だったのかも……」
オーリスが顎に手を当てて考え込む。
「でも、なんでステラなのよ!軍事的な価値なんて無いわよ」
「シルビア、落ち着いて」
オーリスに襲いかかるんじゃないかという勢いで、シルビアが迫ったのを制止させた。
「本人に訊くしかないよ」
ここで俺たちが議論していても答えなんて出ない。
不良を作った作業者抜きで、原因を探っているのと一緒だ。
「そうね、そうと決まればすぐに行くわよ」
「待って!」
シルビアと一緒に冒険者ギルドから出ようとすると、オーリスが呼び止めてきた。
「どうしたの、心配なんていらないよ」
オーリスが俺の身を案じてくれたのかな?
しかし、その期待は裏切られた。
「アルトは私の依頼で動いているの、よろしいですわね。アルトの功績は当冒険者ギルドの功績。これ大切なこと」
ハイライトの消えた目のオーリスが、俺の両肩をガシッと掴んだ。
どこからこの力が出てくるのだろうか。
背中に冷たいものが流れる。
「勿論ですよ」
ぎこちない笑みで返した。
外に出ると、どこに魔王の副官がいるのかわからないので、取り敢えず南の門に向かって走った。
ステラには南北二つの門がある。
過去に違う描写があったとしたら、それは多分幻覚だ。
早めの診察をお奨めする。
「流石に門は閉まっているわね」
シルビアに言われるまでもなく、見れば門が閉ざされているのはわかった。
「城壁に上ってみようか」
石の階段を登って、城壁の上に出る。
途中で兵士に止められるが、冒険者ギルドからの依頼であると伝えると、そこを通してもらえた。
城壁から見下ろすと、ステラの周囲をモンスターが包囲している。
「不謹慎だが壮観な眺めだな。色々な種類のモンスターがいて、博物館みたいだ」
圧倒的不利な状況に、なんだか現実離れした感想が出てしまった。
流出不良の原因が金型にあり、金型をつくり直さないと良品が取れない時にもこの感覚を味わったな。
絶望を味わうと、脳が現実から目を背ける。
良品を取るなんて不可能だが、納入出来ないと客先のラインを止めてしまう。
無理だよ。
寸法が外れていても、使用上は問題ないから対策済みと嘘をついて納品するか?
いや、そんなリスクは負えない。
対策を待つか?
いや、どこまでラインを止められるかわからない。
焼き入れ無しの試作型で繋ぐしかないな。
幸い金型用の材料はある。
しかし、金型の加工が終わったら直ぐに初品を作って測定しなければならない。
何時になるかわからないな。
助けて、妖精さん。
「生きては帰れそうに無いわね。彼岸で兄さんになんて言われるかしら?」
シルビアの悲壮感溢れる台詞で我に返る。
「大丈夫、最悪シルビアだけは逃げてもらうから」
「嫌よ。そんなことになったら、オーリスに一生恨まれるわ。死ぬときは一緒よ。向こうにオーリスが来るまでは二人で楽しみましょう」
そんなことをしたら、オーリスが来たときに殺される。
死後の世界で殺されるとか、どこの地獄だよ。
「あ、あれ!」
シルビアが突然空を指した。
そちらを見ると、コウモリのような羽根の生えた男がこちらに向かって飛んできていた。
「魔族か!」
「如何にも。魔王の副官クレスタ」
クレスタと名乗った魔族。
こいつが今回の首謀者か?
※作者の独り言
助けて!
それは、等級の高い冒険者の数が少ないということだ。
別に死んだり引退したわけじゃない。
魔王マークⅡの軍団が攻めてきたとかいう話で、上位の冒険者達が他の街に向かってしまったのである。
どうにも、国の軍隊だけではモンスターの数が多すぎて対応出来ていないのだ。
それにしても、ステラの近辺では何もないのが気に入らない。
標準偏差から大きく外れているのではないだろうか。
「あんたも仏頂面ね」
品質管理部で机に座っていると、そこに不機嫌そうなシルビアがやってきた。
「あんたも?シルビアも不機嫌そうだね。どうしたの?」
見るからに不機嫌そうなシルビアに、その理由を訊ねた。
「不機嫌にもなるわよ。こっちのヒロインはオーリス。あっちはスターレット。あたしはどうしたらいいのよ。おまけに、漫画のパロディはやらないと思っていたらパイナップルの兵隊ネタじゃない。中世でオリハルコン作ったと思ったらアルミだった奴でしょ!」
ふむ、その不満はわからないでもない。
だが、メインヒロインは一人だ。
そんな、不倫した係長の奥さんが会社に乗り込んでくるような、何人もの女性に手を出すのは如何なものかと思う。
「まあそう言わなくても。そのうちどこかでいいことあるよ」
「そのうちっていつ?何時何分?いい加減なこといわないでよ!」
駄目だ、手がつけられない。
どうしようかと悩んでいると――
カンカンカンカン
非常事態を知らせる鐘がけたたましく鳴らされた。
「シルビア!」
「アルト、外を見に行くわよ!!」
二人で慌てて外に駆け出す。
外に出ると街の住民が右へ左へと走っている。
その方向に規則性はなく、完全に混乱しているように見える。
「なによこれ」
シルビアは困惑している。
状況が掴めないし、どこに行けば情報が入ってくるのかもわからない。
「そうだ、オーリスっ!」
俺はオーリスの事が心配になり、彼女がいるはずの冒険者ギルドを目指して走り出した。
「ちょっと、アルト。どこに行くのよ!」
「オーリスが心配だから見てくる!」
「あたしも行くわ」
シルビアがついてきた。
そのまま二人でオーリスの冒険者ギルドに向かった。
往来で右往左往している人たちの口からは、モンスターの襲来だと聞こえてくる。
冒険者ギルドに入ると、受付でオーリスが指示を出していた。
「オーリス、無事でよかった」
オーリスを見た途端に安堵した。
「アルト、ちょうどよかったですわ」
オーリスは俺の方を見ると微笑んだ。
事務的な笑みだ。
その顔をされるとちょっと悲しくなる。
場所が場所だけに仕方がないが。
「今、将軍からの連絡があり、ステラがモンスターに包囲されてしまったみたいですわ。魔王の副官から降伏勧告がきたと使者の方がおっしゃっていましたわ」
「な、なんだってー!!」
思わずナワヤと驚きの声がハモった。
ナワヤじゃなかった、シルビアだ。
「何でも、ベテランの冒険者が少ない状況で、軍だけでは戦力が足りないだろうとか言ってるそうですわ。冒険者ギルドに難易度が高い、他の街の救援依頼が多かったのも、考えてみれば魔王の策略だったのかも……」
オーリスが顎に手を当てて考え込む。
「でも、なんでステラなのよ!軍事的な価値なんて無いわよ」
「シルビア、落ち着いて」
オーリスに襲いかかるんじゃないかという勢いで、シルビアが迫ったのを制止させた。
「本人に訊くしかないよ」
ここで俺たちが議論していても答えなんて出ない。
不良を作った作業者抜きで、原因を探っているのと一緒だ。
「そうね、そうと決まればすぐに行くわよ」
「待って!」
シルビアと一緒に冒険者ギルドから出ようとすると、オーリスが呼び止めてきた。
「どうしたの、心配なんていらないよ」
オーリスが俺の身を案じてくれたのかな?
しかし、その期待は裏切られた。
「アルトは私の依頼で動いているの、よろしいですわね。アルトの功績は当冒険者ギルドの功績。これ大切なこと」
ハイライトの消えた目のオーリスが、俺の両肩をガシッと掴んだ。
どこからこの力が出てくるのだろうか。
背中に冷たいものが流れる。
「勿論ですよ」
ぎこちない笑みで返した。
外に出ると、どこに魔王の副官がいるのかわからないので、取り敢えず南の門に向かって走った。
ステラには南北二つの門がある。
過去に違う描写があったとしたら、それは多分幻覚だ。
早めの診察をお奨めする。
「流石に門は閉まっているわね」
シルビアに言われるまでもなく、見れば門が閉ざされているのはわかった。
「城壁に上ってみようか」
石の階段を登って、城壁の上に出る。
途中で兵士に止められるが、冒険者ギルドからの依頼であると伝えると、そこを通してもらえた。
城壁から見下ろすと、ステラの周囲をモンスターが包囲している。
「不謹慎だが壮観な眺めだな。色々な種類のモンスターがいて、博物館みたいだ」
圧倒的不利な状況に、なんだか現実離れした感想が出てしまった。
流出不良の原因が金型にあり、金型をつくり直さないと良品が取れない時にもこの感覚を味わったな。
絶望を味わうと、脳が現実から目を背ける。
良品を取るなんて不可能だが、納入出来ないと客先のラインを止めてしまう。
無理だよ。
寸法が外れていても、使用上は問題ないから対策済みと嘘をついて納品するか?
いや、そんなリスクは負えない。
対策を待つか?
いや、どこまでラインを止められるかわからない。
焼き入れ無しの試作型で繋ぐしかないな。
幸い金型用の材料はある。
しかし、金型の加工が終わったら直ぐに初品を作って測定しなければならない。
何時になるかわからないな。
助けて、妖精さん。
「生きては帰れそうに無いわね。彼岸で兄さんになんて言われるかしら?」
シルビアの悲壮感溢れる台詞で我に返る。
「大丈夫、最悪シルビアだけは逃げてもらうから」
「嫌よ。そんなことになったら、オーリスに一生恨まれるわ。死ぬときは一緒よ。向こうにオーリスが来るまでは二人で楽しみましょう」
そんなことをしたら、オーリスが来たときに殺される。
死後の世界で殺されるとか、どこの地獄だよ。
「あ、あれ!」
シルビアが突然空を指した。
そちらを見ると、コウモリのような羽根の生えた男がこちらに向かって飛んできていた。
「魔族か!」
「如何にも。魔王の副官クレスタ」
クレスタと名乗った魔族。
こいつが今回の首謀者か?
※作者の独り言
助けて!
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
ファンタジー
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる