378 / 439
第377話 材料仕入れ先変更 後編
しおりを挟む
成分分析などという聞き慣れない言葉に反応が無くなってしまったが、ミゼットが最初に口を開いた。
「成分分析って何?」
「同じマンドラゴラでも、それを構成している物質が違う可能性があるっていう事かな。同じ果物でも甘かったり、そんなに甘くなかったりするだろ。ああいうのは甘みの成分量が違うからなんだよ。だから、マンドラゴラの成分でポーションの性能に関わるものの分量を測定するんだ」
「そんな事が出来るの?」
「賢者の学院に相談してみようか」
残念ながら俺にはマンドラゴラのどの成分がポーションの性能に影響するのかがわからないので、成分を分析する事は出来ない。
わかっても、測定するスキルがあるかも不明だな。
賢者の学院にはカレンやサイノスといったつてがあるので、一先ずアポなしで行ってみようとなった。
行くのは俺とミゼット、親方、ギャラン、ルーチェ、クレフ、シャンテだ。
ルーチェ達も自分達が売っている商品がどんなものであるのかを知りたいのだという。
このメンバーで賢者の学院に押しかけてみたが、運よくカレンが居て対応してくれることとなった。
「まずはマンドラゴラからポーションを作るのに必要な成分だけど、それは魔素よ」
「魔素か」
カレンの言葉で初めてポーションに必要な成分を知る。
魔素とは空気中に漂う魔力の源だ。
いや、空気中だけではなく、水中や地中にも存在するな。
「マンドラゴラは魔素を吸って成長するの。でも、魔素の濃度は環境によって違うわ。賢者の学院でもポーションを作っているし、マンドラゴラ以外の素材でも作れないか研究をしているのよ。っていうか、あんたたち自分の作っているものがどんな原理で出来ているのか気にならないの?」
カレンの呆れた声が親方の胸に刺さったようだ。
「ただ単に先代から引き継いだレシピを守ってきただけだった。考えるべきだったな」
と、誰に言う訳でもなく反省の弁が出る。
ミゼットも神妙にそれを聞いている。
「まあ、うちの学院にはそんなわけで魔素を測定するマジックアイテムがあるのよ。ちょうどここにもあるから、そこのマンドラゴラを貸して頂戴」
カレンは俺達が持ってきたマンドラゴラを測定してくれる。
「こっちがステラの迷宮で採れたマンドラゴラね。魔素は52%か。次はこっちの奴が36%。同じマンドラゴラでも16%も魔素の含有量が違うわね。これを同じ重量で煮詰めたら効果が違って当然よ」
測定結果はカレンの言うように16%も魔素の含有量が違っていた。
これでは効き目が弱くなるのも当然か。
「でも、ポーションの色はいつもと同じだったよ」
ミゼットはそう食い下がった。
確かに、ポーションの品質確認は色でしていたな。
検査員に変化点が無いとするなら、検査では異常は検知出来なかったのだろう。
「色素は効果には関係無いわよ。そりゃ、元の魔素が同じならそういう検査でもいいでしょうけど、魔素の量が同じかどうかはそれじゃわからないの」
これは困った問題だな。
カレンに言われて俺も悩む。
今までの検査方法が不具合の発生で、実は適正でなかったとわかる事は多々ある。
今回もそうだ。
ポーションの等級によって薄めた度合いの確認は、効果の代用評価とはならない。
ただ、発生と流出の原因は分かったので、対策は考えられるだろう。
発生は
効き目が弱い>魔素が少ないものを使った>変化に気づかなかった>測定してない>測定する決まりがない
流出は
効き目が弱いものを売った>効き目の確認が不十分だった>色で検査をすれば十分だと思っていた>ポーションについての知識が不十分だった
こんなところだろうか。
今回は決められたルールは守られていたが、ルールに不備があり、効き目の弱いポーションを製造して、販売してしまった訳である。
管理者の親方ですら、ポーションのレシピさえ守っていればいいと思っており、魔素の量については考えていなかったのだ。
これが対策書だったら胃が痛い。
組織全体の知識不足、教育不足なので水平展開が膨大になる。
自分が対策書を受け取る立場ならやらせますけどね。
ついでに言うと、知識不足のなぜなぜ分析も必要だったりして、組織の在り方を見直す事態になったりすると、もう自分一人の判断ではどうにもなりません。
まあでも、マグネシウムの知識も無しに無届けで加工して、爆発させちゃった会社とかもあるし、無知は罪なんですよ。
因みにそこの会社は発注元共々、色々な役所に怒られていました。
捕まらなかっただけマシか。
爆発は小規模だったんだけど、近所から通報されて発覚したんですよね。
さて、今回はそんな組織の在り方には手を入れず、魔素の測定でお茶を濁しておこうか。
対策書を受け取る相手もいない事だしね。
「まずは魔素を測定してからポーションの製造を始めるようにしないとだな。カレン、その魔素測定器って売ってもらえるのかな?」
「これはだめだけど、学院に注文すれば大丈夫だと思うわよ。私の方からも話を通しておくし」
「ありがとう。そうしたら次は魔素の量に応じたレシピの作成だな」
そう、今のレシピはステラの迷宮に特化したレシピだ。
他の地域で採取されたマンドラゴラには使えない。
それどころか、迷宮の魔素の濃度が変化したら、ステラのマンドラゴラでも効果が変わってしまうだろう。
「それなら任せてくれ」
親方が名乗りでる。
元々これはお願いするつもりだったので、妥当な役割分担だな。
「さて、最後に効き目の確認だが、色が使えないとなるとどうするかなあ」
俺が考えていると親方が
「毎回エランをぶん殴って、ポーションを飲ませるっていうのはどうだ?」
と、ブラック企業さながらの提案をしてきた。
「いや、俺がエランなら仕事を辞めます」
「そうか」
残念そうな顔をするあたり、意外と本気だったのかな?
エラン、この仕事辞めた方がいいかもね。
今度会ったら伝えよう。
「でも、効き目って使ってみないとわからないよね?」
ミゼットが言う。
確かにその通りなのだが、そのために誰かが傷を負うというのもなあ。
「変化点があった時だけ、けが人で試してみるってことにしようか」
俺は苦し紛れの対策を提案した。
サービス品などで数量が少ない製品では、量産時には行っていた破壊試験などはやらない場合がある。
なにせ、1個作るのに5個も破壊していたら単価が合わなくなるからだ。
ただし、それも変化点があれば別である。
苦し紛れではあるのだが、そんな運用をしている製品もあったので、今回もそうしたらどうかと思ったのだ。
いくら人権意識が薄い世界であっても、流石にわざとけがを負わせるのは気が引ける。
「私達も、冒険者ギルドに卸すマンドラゴラの産地は、きちんと伝えないといけないわね。産地によって魔素が違うんだから」
ルーチェがクレフとシャンテに言うと、二人は頷いた。
本来、売る側が魔素を測定してくるのがルールだと思うが、そんな測定器が普及していないので、こればかりは受け入れ側で対応するしかないな。
ミルシートが信用ならない商社の材料みたいだ。
「これで一件落着かな?」
ポーションの効き目が弱くなったのは、マンドラゴラの魔素含有量の違いを考慮しない製造レシピが原因だった。
魔素の含有量に応じたレシピを作れば、今後はこのような不具合は発生しないだろう。
やはり変化点の管理は大切だと、改めて認識する事象だったな。
この日はここで解散となった。
そして後日。
俺が冒険者ギルドに出勤すると、入口の外でエランがポーションの啖呵売を行っていた。
どうやら効き目があるポーションのレシピが完成して、それをアピールしたいようだ。
「さあさあお立合い。御用とお急ぎでない方は、ゆっくりと聞いておいで。手前持ちいだしたるは、抜けば玉散る氷の刃。これで手前の腕を斬ると血が出る」
エランは刃物で自分の腕を斬って、血が出るのを見せている。
結構深く斬ってしまったのか、割と多めに出血していて見物客は引いている。
「驚くことはない、この通りポーションをひと口飲めば、痛みが去って、血も……止まらねえ。ふた口飲めば……」
エランはポーションの効き目を見せるためにポーションを飲んではみたが血が止まらない。
見物客も様子がおかしい事に気が付いてざわつく。
「ああ、これは廃棄するハズだった効き目の弱いポーションだ」
持ってきたポーションをまじまじと見て青くなるエラン。
エランは廃棄するハズだった不良品のポーションを持ってきてしまったようだ。
ちゃんと隔離しておかないからこういうことになる。
顔から血の気が引いたのは、出血のせいなのか、ポーションが効かないせいなのか。
「お立ち会いの中に、ポーションはないか」
泣きながらポーションを持っている見物客を探すエラン。
ガマの油か!
※作者の独り言
材料が同じJIS規格であっても、製造メーカーによって差異があり、弊社の生産条件はそれを吸収できないのを調達部門は理解して欲しい。
安いからといって、安易に調達先を変更するとこちらが大変なので。
それと、今までの検査方法が全く意味なかった時の対策書は胃が痛いですね。
市場に出てしまったものが問題ないとどうやって保証したら良よいのか悩みます。
「成分分析って何?」
「同じマンドラゴラでも、それを構成している物質が違う可能性があるっていう事かな。同じ果物でも甘かったり、そんなに甘くなかったりするだろ。ああいうのは甘みの成分量が違うからなんだよ。だから、マンドラゴラの成分でポーションの性能に関わるものの分量を測定するんだ」
「そんな事が出来るの?」
「賢者の学院に相談してみようか」
残念ながら俺にはマンドラゴラのどの成分がポーションの性能に影響するのかがわからないので、成分を分析する事は出来ない。
わかっても、測定するスキルがあるかも不明だな。
賢者の学院にはカレンやサイノスといったつてがあるので、一先ずアポなしで行ってみようとなった。
行くのは俺とミゼット、親方、ギャラン、ルーチェ、クレフ、シャンテだ。
ルーチェ達も自分達が売っている商品がどんなものであるのかを知りたいのだという。
このメンバーで賢者の学院に押しかけてみたが、運よくカレンが居て対応してくれることとなった。
「まずはマンドラゴラからポーションを作るのに必要な成分だけど、それは魔素よ」
「魔素か」
カレンの言葉で初めてポーションに必要な成分を知る。
魔素とは空気中に漂う魔力の源だ。
いや、空気中だけではなく、水中や地中にも存在するな。
「マンドラゴラは魔素を吸って成長するの。でも、魔素の濃度は環境によって違うわ。賢者の学院でもポーションを作っているし、マンドラゴラ以外の素材でも作れないか研究をしているのよ。っていうか、あんたたち自分の作っているものがどんな原理で出来ているのか気にならないの?」
カレンの呆れた声が親方の胸に刺さったようだ。
「ただ単に先代から引き継いだレシピを守ってきただけだった。考えるべきだったな」
と、誰に言う訳でもなく反省の弁が出る。
ミゼットも神妙にそれを聞いている。
「まあ、うちの学院にはそんなわけで魔素を測定するマジックアイテムがあるのよ。ちょうどここにもあるから、そこのマンドラゴラを貸して頂戴」
カレンは俺達が持ってきたマンドラゴラを測定してくれる。
「こっちがステラの迷宮で採れたマンドラゴラね。魔素は52%か。次はこっちの奴が36%。同じマンドラゴラでも16%も魔素の含有量が違うわね。これを同じ重量で煮詰めたら効果が違って当然よ」
測定結果はカレンの言うように16%も魔素の含有量が違っていた。
これでは効き目が弱くなるのも当然か。
「でも、ポーションの色はいつもと同じだったよ」
ミゼットはそう食い下がった。
確かに、ポーションの品質確認は色でしていたな。
検査員に変化点が無いとするなら、検査では異常は検知出来なかったのだろう。
「色素は効果には関係無いわよ。そりゃ、元の魔素が同じならそういう検査でもいいでしょうけど、魔素の量が同じかどうかはそれじゃわからないの」
これは困った問題だな。
カレンに言われて俺も悩む。
今までの検査方法が不具合の発生で、実は適正でなかったとわかる事は多々ある。
今回もそうだ。
ポーションの等級によって薄めた度合いの確認は、効果の代用評価とはならない。
ただ、発生と流出の原因は分かったので、対策は考えられるだろう。
発生は
効き目が弱い>魔素が少ないものを使った>変化に気づかなかった>測定してない>測定する決まりがない
流出は
効き目が弱いものを売った>効き目の確認が不十分だった>色で検査をすれば十分だと思っていた>ポーションについての知識が不十分だった
こんなところだろうか。
今回は決められたルールは守られていたが、ルールに不備があり、効き目の弱いポーションを製造して、販売してしまった訳である。
管理者の親方ですら、ポーションのレシピさえ守っていればいいと思っており、魔素の量については考えていなかったのだ。
これが対策書だったら胃が痛い。
組織全体の知識不足、教育不足なので水平展開が膨大になる。
自分が対策書を受け取る立場ならやらせますけどね。
ついでに言うと、知識不足のなぜなぜ分析も必要だったりして、組織の在り方を見直す事態になったりすると、もう自分一人の判断ではどうにもなりません。
まあでも、マグネシウムの知識も無しに無届けで加工して、爆発させちゃった会社とかもあるし、無知は罪なんですよ。
因みにそこの会社は発注元共々、色々な役所に怒られていました。
捕まらなかっただけマシか。
爆発は小規模だったんだけど、近所から通報されて発覚したんですよね。
さて、今回はそんな組織の在り方には手を入れず、魔素の測定でお茶を濁しておこうか。
対策書を受け取る相手もいない事だしね。
「まずは魔素を測定してからポーションの製造を始めるようにしないとだな。カレン、その魔素測定器って売ってもらえるのかな?」
「これはだめだけど、学院に注文すれば大丈夫だと思うわよ。私の方からも話を通しておくし」
「ありがとう。そうしたら次は魔素の量に応じたレシピの作成だな」
そう、今のレシピはステラの迷宮に特化したレシピだ。
他の地域で採取されたマンドラゴラには使えない。
それどころか、迷宮の魔素の濃度が変化したら、ステラのマンドラゴラでも効果が変わってしまうだろう。
「それなら任せてくれ」
親方が名乗りでる。
元々これはお願いするつもりだったので、妥当な役割分担だな。
「さて、最後に効き目の確認だが、色が使えないとなるとどうするかなあ」
俺が考えていると親方が
「毎回エランをぶん殴って、ポーションを飲ませるっていうのはどうだ?」
と、ブラック企業さながらの提案をしてきた。
「いや、俺がエランなら仕事を辞めます」
「そうか」
残念そうな顔をするあたり、意外と本気だったのかな?
エラン、この仕事辞めた方がいいかもね。
今度会ったら伝えよう。
「でも、効き目って使ってみないとわからないよね?」
ミゼットが言う。
確かにその通りなのだが、そのために誰かが傷を負うというのもなあ。
「変化点があった時だけ、けが人で試してみるってことにしようか」
俺は苦し紛れの対策を提案した。
サービス品などで数量が少ない製品では、量産時には行っていた破壊試験などはやらない場合がある。
なにせ、1個作るのに5個も破壊していたら単価が合わなくなるからだ。
ただし、それも変化点があれば別である。
苦し紛れではあるのだが、そんな運用をしている製品もあったので、今回もそうしたらどうかと思ったのだ。
いくら人権意識が薄い世界であっても、流石にわざとけがを負わせるのは気が引ける。
「私達も、冒険者ギルドに卸すマンドラゴラの産地は、きちんと伝えないといけないわね。産地によって魔素が違うんだから」
ルーチェがクレフとシャンテに言うと、二人は頷いた。
本来、売る側が魔素を測定してくるのがルールだと思うが、そんな測定器が普及していないので、こればかりは受け入れ側で対応するしかないな。
ミルシートが信用ならない商社の材料みたいだ。
「これで一件落着かな?」
ポーションの効き目が弱くなったのは、マンドラゴラの魔素含有量の違いを考慮しない製造レシピが原因だった。
魔素の含有量に応じたレシピを作れば、今後はこのような不具合は発生しないだろう。
やはり変化点の管理は大切だと、改めて認識する事象だったな。
この日はここで解散となった。
そして後日。
俺が冒険者ギルドに出勤すると、入口の外でエランがポーションの啖呵売を行っていた。
どうやら効き目があるポーションのレシピが完成して、それをアピールしたいようだ。
「さあさあお立合い。御用とお急ぎでない方は、ゆっくりと聞いておいで。手前持ちいだしたるは、抜けば玉散る氷の刃。これで手前の腕を斬ると血が出る」
エランは刃物で自分の腕を斬って、血が出るのを見せている。
結構深く斬ってしまったのか、割と多めに出血していて見物客は引いている。
「驚くことはない、この通りポーションをひと口飲めば、痛みが去って、血も……止まらねえ。ふた口飲めば……」
エランはポーションの効き目を見せるためにポーションを飲んではみたが血が止まらない。
見物客も様子がおかしい事に気が付いてざわつく。
「ああ、これは廃棄するハズだった効き目の弱いポーションだ」
持ってきたポーションをまじまじと見て青くなるエラン。
エランは廃棄するハズだった不良品のポーションを持ってきてしまったようだ。
ちゃんと隔離しておかないからこういうことになる。
顔から血の気が引いたのは、出血のせいなのか、ポーションが効かないせいなのか。
「お立ち会いの中に、ポーションはないか」
泣きながらポーションを持っている見物客を探すエラン。
ガマの油か!
※作者の独り言
材料が同じJIS規格であっても、製造メーカーによって差異があり、弊社の生産条件はそれを吸収できないのを調達部門は理解して欲しい。
安いからといって、安易に調達先を変更するとこちらが大変なので。
それと、今までの検査方法が全く意味なかった時の対策書は胃が痛いですね。
市場に出てしまったものが問題ないとどうやって保証したら良よいのか悩みます。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
ファンタジー
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる