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第423話 他人名義とトレーサビリティ
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僕の名前はマキシマ。
最近ステラの冒険者ギルドに登録したばかりの、駆け出しの冒険者だ。
剣士のジョブを得て、生まれた村からステラの街にやってきて、ここで冒険者としての成功を夢見ている。
そして、今日も冒険者ギルドの指導員であるシルビアさんに鍛えられている。
「ガハッ」
こちらの木剣の攻撃をいなされ、がら空きになった腹にシルビアさんの蹴りが入った。
僕は蹴られた勢いでそのまま仰向けに倒れて、お腹を抱えて訓練所の地面をのたうち回る。
「これが本番なら敵は待ってはくれないぞ!」
シルビアさんはそういうと追撃してきた。
彼女の振り下ろす木剣を転がって躱し、自分の持つ木剣を杖代わりにして立ち上がる。
「まだまだこれか……べふっ」
これからと言おうとしたところで、シルビアさんに一気に距離を詰められ、彼女の顔が目の前に迫ったと思ったところで世界が暗転した。
そしてその日の夜、街の酒場でパーティーメンバーのトライトンと二人で顔を付き合わせて酒を飲む。
トライトンのジョブはランサーだ。
僕と二人で前衛をつとめ、後衛を臨時募集してクエストを受注している。
「マキシマ、今日もボロボロだな」
トライトンは僕をみて笑うと、一気にグラスをあおった。
「真面目に訓練をした結果だよ。トライトンも明日後衛がみつからなかったら、一緒に訓練を受けようよ」
「シルビア指導員の訓練を受けるくらいなら、一人で迷宮に入る方がマシだよ。それに、折角恋人と二人きりになっているところを邪魔しちゃ悪いからな」
「違うから!何度も言うけどシルビアさんは憧れの人だけど、恋してるとかじゃないから」
思わず大声で反論したら、ウエイトレスさんからもう少し小さな声でと注意を受けた。
そんな僕をみてトライトンはゲラゲラと笑う。
「そりゃ、シルビアさんは美人だけど、僕が彼女に憧れているのは外見じゃないんだ。前に僕の村にワイバーンが頻繁に襲来して、家畜や農作物に被害が出ていたことがあって、冒険者ギルドに討伐依頼を出したんだ」
と僕は村にいた頃の話をし始める。
「ワイバーンならまずは領主様じゃないのか?」
トライトンの言うことももっともだ。
ワイバーンのような高レベルモンスターは、領軍の派遣をお願いするのが普通だ。
冒険者ギルドに依頼をしても、高額な依頼料金となるので、小さな村では支払うことが出来ない。
「その時は怪盗ラパンが騒ぎになっていて、軍を派遣できないって言われたんだ。そのかわり、冒険者ギルドへの依頼は領主様が支払ってくれるということになったんだよ。そこで依頼を受けてくれたのがシルビアさんだった。あんなに強いワイバーンをあっという間に一刀両断したシルビアさんの活躍をみて、自分も冒険者になろうって思ったんだ。ジョブも同じ剣士だし、憧れであり目標だよ」
「何度も聞いたよ」
トライトンはニコニコと笑い、皿の上のステーキを一切れ口にいれた。
そして、それを何度か噛んでから飲み込むと
「ま、訓練でボコボコにされてもニコニコしてるマキシマをみてると、変態なんじゃないかなと思う時もあるけどな」
「シルビアさんは厳しいけど、あれは僕ら新人が生き残れるようにっていう愛情の裏返しだよ。それに、断じて変態しゃないから!そりゃ、村に来たときよりも肌の露出が多くなってて、ドキッとしたけどね!!」
ドンっとテーブルを叩いたところで、本日二度目の注意を受け、次にやったら出ていってもらうとの警告を受けた。
「ねえ、アルト」
「なにかな?」
俺が冒険者ギルドの受付で依頼を受けようとしていると、シルビアが話しかけてきた。
「お姉さまがふたり?」
レオーネが俺とシルビアの顔を交互に見る。
そう、俺は今シルビアに変身してるので、レオーネは本物のシルビアだと思っていたのだ。
「よく俺がアルトだってわかったね」
「この街であたしに成り済まそうなんて命知らずはアルトだけよ」
「なるほど」
「で、なんであたしの格好をしてるのかしら?」
「実はレッサードラゴンが出没して困っている村からの討伐依頼があるんだけど、銀等級以上じゃないと受けられないんだ。だから、シルビアに変身して依頼を受けようとしていたんだよ」
俺は木等級のままなので、高難易度の依頼は受けられない。
力量不足ではないが、傍目にはそれがわからないので、こうしてシルビアに成り済まして受けていたのだ。
「へー、それって今回が初めてじゃないわよね」
「実はそうなんだ」
俺は諦めて白状する。
実は昔からだ。
とある車両メーカーが国交省の監査で無資格検査を繰り返していたのがばれたが、業界の実態は人手不足による無資格作業が横行しているらしい。
今回はそれにヒントを得て、あくまでもヒントを得てシルビアに成り済ますということを思い付いたのだ。
日常的にやってるわけじゃないので、そんなやり方があるのかと膝を打ったら目から鱗が飛び出した次第。
前世じゃ一度もやったことがありません。
やるなら力量評価を偽造するわ!
でも、それだと力量評価はしてあっても、久しぶりの生産ということで、作業観察と出来映え確認をしなくてはならないので、忙しい時にはそれが出来ずにやはりルール違反となってしまう。
という冗談はさておき、冒険者の等級も経験日数が必要であり、大物ルーキーであってもいきなり一軍というわけにはいかないのだ。
冒険は腕っぷしだけじゃなく、様々な状況に対応する必要があるから、経験を積んでからではないと等級をあげられないってのはあるな。
いくら俺が作業標準書スキルのお陰で、罠も毒も詐欺も見破れるとしても、等級が低いのは日数の問題である。
等級が上がるのを待てばよいのだが、高難易度のクエストで、特に討伐依頼ともなれば、そんな悠長なことを言ってられない。
で、シルビアの名前で受注して討伐してしまえってことだな。
無償で依頼として受けずに討伐すると、他の依頼者に不公平感がうまれるので、そういったことは出来ない。
でも、今困っている人がいるというので、苦肉の策としてそうしてきたのだ。
それでいいやってことで、昇級試験を受けなかってのは自分の怠慢だけど。
「どうりで、倒してもいないモンスターを倒したことになっているのが多いと思ったわ。噂に尾ひれがつくにしても、目撃者が多すぎて不思議だったのよ。それにしても、討伐失敗してとか、態度が悪いとかでいわれの無い悪評がたつとは思わなかったの?」
「それは考えてなかったかな。それに、痴女みたいなビキニアーマーも恥ずかしかったから、露出の無いプレートアーマー、ぶべらっ」
シルビアの右拳が俺の顎を打ち抜いた。
「痴女ってなによ!殴るわよ」
「それは殴ってから言う台詞じゃないです」
品行方正、清楚系冒険者として活動して、粗野で露出多めの悪い印象を払拭してきたんだけどね。
何が気に入らなかったのか。
※作者の独り言
忙しくて間接が製造の応援しているけど、力量評価をしてないし、ダブルチェックする余裕もないので、ベテラン作業者の名前で加工実績入力してるので、不良が出てもルール違反はバレないけど、いざ不良が出るとトレーサビリティが取れないという会社があるという噂を聞きました。
人手不足ですね。
最近ステラの冒険者ギルドに登録したばかりの、駆け出しの冒険者だ。
剣士のジョブを得て、生まれた村からステラの街にやってきて、ここで冒険者としての成功を夢見ている。
そして、今日も冒険者ギルドの指導員であるシルビアさんに鍛えられている。
「ガハッ」
こちらの木剣の攻撃をいなされ、がら空きになった腹にシルビアさんの蹴りが入った。
僕は蹴られた勢いでそのまま仰向けに倒れて、お腹を抱えて訓練所の地面をのたうち回る。
「これが本番なら敵は待ってはくれないぞ!」
シルビアさんはそういうと追撃してきた。
彼女の振り下ろす木剣を転がって躱し、自分の持つ木剣を杖代わりにして立ち上がる。
「まだまだこれか……べふっ」
これからと言おうとしたところで、シルビアさんに一気に距離を詰められ、彼女の顔が目の前に迫ったと思ったところで世界が暗転した。
そしてその日の夜、街の酒場でパーティーメンバーのトライトンと二人で顔を付き合わせて酒を飲む。
トライトンのジョブはランサーだ。
僕と二人で前衛をつとめ、後衛を臨時募集してクエストを受注している。
「マキシマ、今日もボロボロだな」
トライトンは僕をみて笑うと、一気にグラスをあおった。
「真面目に訓練をした結果だよ。トライトンも明日後衛がみつからなかったら、一緒に訓練を受けようよ」
「シルビア指導員の訓練を受けるくらいなら、一人で迷宮に入る方がマシだよ。それに、折角恋人と二人きりになっているところを邪魔しちゃ悪いからな」
「違うから!何度も言うけどシルビアさんは憧れの人だけど、恋してるとかじゃないから」
思わず大声で反論したら、ウエイトレスさんからもう少し小さな声でと注意を受けた。
そんな僕をみてトライトンはゲラゲラと笑う。
「そりゃ、シルビアさんは美人だけど、僕が彼女に憧れているのは外見じゃないんだ。前に僕の村にワイバーンが頻繁に襲来して、家畜や農作物に被害が出ていたことがあって、冒険者ギルドに討伐依頼を出したんだ」
と僕は村にいた頃の話をし始める。
「ワイバーンならまずは領主様じゃないのか?」
トライトンの言うことももっともだ。
ワイバーンのような高レベルモンスターは、領軍の派遣をお願いするのが普通だ。
冒険者ギルドに依頼をしても、高額な依頼料金となるので、小さな村では支払うことが出来ない。
「その時は怪盗ラパンが騒ぎになっていて、軍を派遣できないって言われたんだ。そのかわり、冒険者ギルドへの依頼は領主様が支払ってくれるということになったんだよ。そこで依頼を受けてくれたのがシルビアさんだった。あんなに強いワイバーンをあっという間に一刀両断したシルビアさんの活躍をみて、自分も冒険者になろうって思ったんだ。ジョブも同じ剣士だし、憧れであり目標だよ」
「何度も聞いたよ」
トライトンはニコニコと笑い、皿の上のステーキを一切れ口にいれた。
そして、それを何度か噛んでから飲み込むと
「ま、訓練でボコボコにされてもニコニコしてるマキシマをみてると、変態なんじゃないかなと思う時もあるけどな」
「シルビアさんは厳しいけど、あれは僕ら新人が生き残れるようにっていう愛情の裏返しだよ。それに、断じて変態しゃないから!そりゃ、村に来たときよりも肌の露出が多くなってて、ドキッとしたけどね!!」
ドンっとテーブルを叩いたところで、本日二度目の注意を受け、次にやったら出ていってもらうとの警告を受けた。
「ねえ、アルト」
「なにかな?」
俺が冒険者ギルドの受付で依頼を受けようとしていると、シルビアが話しかけてきた。
「お姉さまがふたり?」
レオーネが俺とシルビアの顔を交互に見る。
そう、俺は今シルビアに変身してるので、レオーネは本物のシルビアだと思っていたのだ。
「よく俺がアルトだってわかったね」
「この街であたしに成り済まそうなんて命知らずはアルトだけよ」
「なるほど」
「で、なんであたしの格好をしてるのかしら?」
「実はレッサードラゴンが出没して困っている村からの討伐依頼があるんだけど、銀等級以上じゃないと受けられないんだ。だから、シルビアに変身して依頼を受けようとしていたんだよ」
俺は木等級のままなので、高難易度の依頼は受けられない。
力量不足ではないが、傍目にはそれがわからないので、こうしてシルビアに成り済まして受けていたのだ。
「へー、それって今回が初めてじゃないわよね」
「実はそうなんだ」
俺は諦めて白状する。
実は昔からだ。
とある車両メーカーが国交省の監査で無資格検査を繰り返していたのがばれたが、業界の実態は人手不足による無資格作業が横行しているらしい。
今回はそれにヒントを得て、あくまでもヒントを得てシルビアに成り済ますということを思い付いたのだ。
日常的にやってるわけじゃないので、そんなやり方があるのかと膝を打ったら目から鱗が飛び出した次第。
前世じゃ一度もやったことがありません。
やるなら力量評価を偽造するわ!
でも、それだと力量評価はしてあっても、久しぶりの生産ということで、作業観察と出来映え確認をしなくてはならないので、忙しい時にはそれが出来ずにやはりルール違反となってしまう。
という冗談はさておき、冒険者の等級も経験日数が必要であり、大物ルーキーであってもいきなり一軍というわけにはいかないのだ。
冒険は腕っぷしだけじゃなく、様々な状況に対応する必要があるから、経験を積んでからではないと等級をあげられないってのはあるな。
いくら俺が作業標準書スキルのお陰で、罠も毒も詐欺も見破れるとしても、等級が低いのは日数の問題である。
等級が上がるのを待てばよいのだが、高難易度のクエストで、特に討伐依頼ともなれば、そんな悠長なことを言ってられない。
で、シルビアの名前で受注して討伐してしまえってことだな。
無償で依頼として受けずに討伐すると、他の依頼者に不公平感がうまれるので、そういったことは出来ない。
でも、今困っている人がいるというので、苦肉の策としてそうしてきたのだ。
それでいいやってことで、昇級試験を受けなかってのは自分の怠慢だけど。
「どうりで、倒してもいないモンスターを倒したことになっているのが多いと思ったわ。噂に尾ひれがつくにしても、目撃者が多すぎて不思議だったのよ。それにしても、討伐失敗してとか、態度が悪いとかでいわれの無い悪評がたつとは思わなかったの?」
「それは考えてなかったかな。それに、痴女みたいなビキニアーマーも恥ずかしかったから、露出の無いプレートアーマー、ぶべらっ」
シルビアの右拳が俺の顎を打ち抜いた。
「痴女ってなによ!殴るわよ」
「それは殴ってから言う台詞じゃないです」
品行方正、清楚系冒険者として活動して、粗野で露出多めの悪い印象を払拭してきたんだけどね。
何が気に入らなかったのか。
※作者の独り言
忙しくて間接が製造の応援しているけど、力量評価をしてないし、ダブルチェックする余裕もないので、ベテラン作業者の名前で加工実績入力してるので、不良が出てもルール違反はバレないけど、いざ不良が出るとトレーサビリティが取れないという会社があるという噂を聞きました。
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