過多思い-

Kanae y

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病院にて

目覚め

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わたしは何をしてるんだろう...

目をゆっくり開けると、病室の白い天井が彼女を出迎えた。
周りには機械のピッピという音と麻酔を担当してくださった医師や看護師たちの声が漂っている。
彼女はぼんやりとした意識の中で、まだ自分が今どんな状態でいるのかどうなっているのかという事が理解できないままでいた。

そう...患者の山本真理子は、長い手術を終え、意識が戻ったところであった

山本さん、意識が戻ってきましたね
手術は無事成功しましたよ
本当によかったですね
まだ朦朧としてるかもしれませんが、そのうちにしっかりしてきますよ。
痛みとか寒さはないですか?

看護師の1人が話しかけた。
その時真理子は初めて自分が手術をしたことに気づき、その手術成功を知った

私はどうして手術されたんだろう。
朦朧とした意識の中で彼女は昨日の夜の出来事を必死に思い出そうとしていた。

そうだ、夜遅くに家のマンションから出て、夜桜を見に歩いてた...
綺麗なライトに映し出された桜の花びらは、川道を照らし出す薄ピンクの妖精のように舞っていた

その時...
思い出したくない光景が、自分の目の奥をよぎった
自分に向かって暴走した車が近づいてきた。
ライトが桜の花のライトをさえぎり視界全体を眩しい光で覆い隠す...

やめて‼️

とっさに、病室で叫んでいた

大丈夫ですか?山本さん❗️

看護師さんが声をかけてくれた
そうだ!私は事故にあったんだ
体中が熱くて燃えているようだった
特に私の右足は怖い位燃えていた

震えを伴うような光景が私の目の前にスクリーンのように写し出された
通りがかった人が、私のそばに来て、声をかけてくれていた
私を引いた車の人は、私が生きていることを確認したら、車で立ち去っていった

もう無理だ...

そう思った瞬間、また意識が遠のいていった
頭の奥で救急車のサイレンがこだましている

でも、まだ私は生きている...
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