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第一章
家出
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計画の決行日となった。もうすぐ警備の交代がある。今私は一般的な冒険者の服装にリュックを背負い、ポーチを腰に巻き、清掃の魔法をかけた靴を履いている状態である。
見回りをしている警備が交代の為入口前に行き、足音が離れていったのを確認し、
神魔紋 -隠密--消音-
を使用する。紋章というのは
------------------------------------------
紋章
この世界のこの世界の人の手の甲にある特殊な力を使うためのもの。空色なら聖紋、紫色なら魔紋と分かれている。紋章の種類は魔紋は魔術紋、魔導紋、魔法紋、魔神紋、魔剣鍛治紋の5種で、聖紋は聖術紋、聖導紋、聖法紋、神紋、聖剣鍛治紋、神剣鍛治紋の6種が確認されている。
------------------------------------------
という物である。私の紋章である神魔紋は
隠密は相手から見えなくなる魔法。
隠密で姿が見えないと言っても音で何かいることに気がつかれたり誰かとぶつかったりすれば隠密は解除されてしまう。なので音を消す消音を使用し、音の問題を解決する。
私の前世の記憶と同時に得たのは便利な能力だけではなかった。実は身体能力もかなり強化されている。部屋を出ようとドアノブを握ったら握り潰してしまったり、走ったらスピードが出過ぎたり、何かに引っかかって転べば私は無傷で倒れたときにぶつかった物が壊れたりする事がよくあった。今後の生活に関わる為、この身体能力の制御訓練を必死にやった。制御訓練と力を抑える魔道具を作る事で、今では3回中2回は壊す事がなくなった。とは言っても3回のうち1回は物壊すけど。
それはさておきもう一つの問題の人との衝突。これについては脱出ルート内はこの時間ほとんど人は通らないためぶつかることはないと思う。窓を開け、外へ出る。窓を閉めたのち壁沿いに進む。一応壁から角を伺い、人が来ないことを確認し、そのまま使用人の住む建物へ向かう。建物の裏を壁沿いに進むと屋敷の敷地を囲む塀が見える。そのまま真っ直ぐ塀に向かい、塀に背をつける。そして右側を押すとクルッと半回転した。
この仕掛けは何代か前の公爵がこっそりと抜け出す為に作った回転扉の一つで、これを知っている人は私以外いない。
回転扉を通るとそこは建物の裏に出る。この建物は図書館で、領民であれば誰でも利用できる公共施設である。そのまま裏道を通り屋敷から離れたところで隠密と消音を解除し、別の魔法カラーチェンジを使い髪の色を銀色から黒色に右の目を左目と同じ琥珀色に変えて表通りに出る。そして都市を出る為に門へ向かう。門を通るには身分を証明できるものが必要で、ない場合は通ることができない。足取りをつかまれる為公爵家の娘としての身分証は使えないけど、他に身分証明とすることが出来るものがある。それは冒険者証。冒険者である事を示すものであり、これがあれば都市の出入りが出来る。
冒険者にはランクがあり、上から白金、金、銀、銅、黄銅、青銅、鉄の7つで私は昨日取得したので鉄ランク。銅ランク以上となれば都市の出入りが無料となるが、黄銅ランク以下は都市に入るとき銅貨3枚払わないといけない。
門で門番に冒険者証を見せ門を出る。門を出て次の都市に向かう。都市周辺の平原には魔物もほとんどおらず、鉄ランクの冒険者で、装備が心許ない人でも薬草を安全に採取できる。その為、所々で薬草採取をしている冒険者を見かけた。
草原の道を進んでいき森に入る。この森には魔物が多く生息している為、森を抜ける道を進んで数分後にはブラックウルフの群れに囲まれることになった。
「ブラックウルフ、数は十体。なら問題ないかな。」
腰に装備していた短剣を構えて、いつでも動けるようにする。ブラックウルフたちは私の放つ魔力に警戒しているのか襲っては来ない。この膠着状態は私にとってありがたいものだった。
神魔紋 -風針-
自分の周りに風の針を生成し、ブラックウルフに向け飛ばす。十体の内四体は眉間を貫通し倒すことができ、三体は風針を回避して、残りの三体は回避できず別の場所に当たった。
回避した一匹が飛びかかってきたので躱しつつ短剣で首を切りつける。そして振り向きざまに後ろから来ていた一匹を力加減なしの蹴りをみまう。次に襲ってくる二体にはもう一度風の針を飛ばして仕留める。
ここで7体仕留められたと思い油断してしまったのがいけなかった。後ろから飛びかかって来ていた一匹の対処が送れてしまった。
ブラックウルフはそのまま私の腕を食いちぎろうとして・・・
食いちぎることは出来なかった。予想はしていたがブラックウルフの牙は、私の皮膚を貫くことすらできなかった。ブラックウルフが怪訝そうな目をしながら噛んでいる内に
神魔紋 -刀身強化-
を使って強化した短剣を頭に突き刺して仕留める。そして残りの二体を短剣で仕留めてこの世界での初めての魔物とのたたかいがおわった。
魔物の死体からは防具や道具の素材となる物が取れるのでそのままにせず、魔法鞄を取り出して中に入れる。魔法鞄には状態保存の魔法もかけてあるので中で腐ったりはしない。
回収後、移動を再開し、森の中でテントを張って夜を明かすことになった。
寝ている間に魔物が来るといけないのでテントの周りに認識阻害とトラップの魔道具を設置し、夕飯に昨日準備した保存食を食べて、寝ることにした。
明日にはこの森を抜けれたら良いなと思いながら私は眠りについた。
見回りをしている警備が交代の為入口前に行き、足音が離れていったのを確認し、
神魔紋 -隠密--消音-
を使用する。紋章というのは
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紋章
この世界のこの世界の人の手の甲にある特殊な力を使うためのもの。空色なら聖紋、紫色なら魔紋と分かれている。紋章の種類は魔紋は魔術紋、魔導紋、魔法紋、魔神紋、魔剣鍛治紋の5種で、聖紋は聖術紋、聖導紋、聖法紋、神紋、聖剣鍛治紋、神剣鍛治紋の6種が確認されている。
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という物である。私の紋章である神魔紋は
隠密は相手から見えなくなる魔法。
隠密で姿が見えないと言っても音で何かいることに気がつかれたり誰かとぶつかったりすれば隠密は解除されてしまう。なので音を消す消音を使用し、音の問題を解決する。
私の前世の記憶と同時に得たのは便利な能力だけではなかった。実は身体能力もかなり強化されている。部屋を出ようとドアノブを握ったら握り潰してしまったり、走ったらスピードが出過ぎたり、何かに引っかかって転べば私は無傷で倒れたときにぶつかった物が壊れたりする事がよくあった。今後の生活に関わる為、この身体能力の制御訓練を必死にやった。制御訓練と力を抑える魔道具を作る事で、今では3回中2回は壊す事がなくなった。とは言っても3回のうち1回は物壊すけど。
それはさておきもう一つの問題の人との衝突。これについては脱出ルート内はこの時間ほとんど人は通らないためぶつかることはないと思う。窓を開け、外へ出る。窓を閉めたのち壁沿いに進む。一応壁から角を伺い、人が来ないことを確認し、そのまま使用人の住む建物へ向かう。建物の裏を壁沿いに進むと屋敷の敷地を囲む塀が見える。そのまま真っ直ぐ塀に向かい、塀に背をつける。そして右側を押すとクルッと半回転した。
この仕掛けは何代か前の公爵がこっそりと抜け出す為に作った回転扉の一つで、これを知っている人は私以外いない。
回転扉を通るとそこは建物の裏に出る。この建物は図書館で、領民であれば誰でも利用できる公共施設である。そのまま裏道を通り屋敷から離れたところで隠密と消音を解除し、別の魔法カラーチェンジを使い髪の色を銀色から黒色に右の目を左目と同じ琥珀色に変えて表通りに出る。そして都市を出る為に門へ向かう。門を通るには身分を証明できるものが必要で、ない場合は通ることができない。足取りをつかまれる為公爵家の娘としての身分証は使えないけど、他に身分証明とすることが出来るものがある。それは冒険者証。冒険者である事を示すものであり、これがあれば都市の出入りが出来る。
冒険者にはランクがあり、上から白金、金、銀、銅、黄銅、青銅、鉄の7つで私は昨日取得したので鉄ランク。銅ランク以上となれば都市の出入りが無料となるが、黄銅ランク以下は都市に入るとき銅貨3枚払わないといけない。
門で門番に冒険者証を見せ門を出る。門を出て次の都市に向かう。都市周辺の平原には魔物もほとんどおらず、鉄ランクの冒険者で、装備が心許ない人でも薬草を安全に採取できる。その為、所々で薬草採取をしている冒険者を見かけた。
草原の道を進んでいき森に入る。この森には魔物が多く生息している為、森を抜ける道を進んで数分後にはブラックウルフの群れに囲まれることになった。
「ブラックウルフ、数は十体。なら問題ないかな。」
腰に装備していた短剣を構えて、いつでも動けるようにする。ブラックウルフたちは私の放つ魔力に警戒しているのか襲っては来ない。この膠着状態は私にとってありがたいものだった。
神魔紋 -風針-
自分の周りに風の針を生成し、ブラックウルフに向け飛ばす。十体の内四体は眉間を貫通し倒すことができ、三体は風針を回避して、残りの三体は回避できず別の場所に当たった。
回避した一匹が飛びかかってきたので躱しつつ短剣で首を切りつける。そして振り向きざまに後ろから来ていた一匹を力加減なしの蹴りをみまう。次に襲ってくる二体にはもう一度風の針を飛ばして仕留める。
ここで7体仕留められたと思い油断してしまったのがいけなかった。後ろから飛びかかって来ていた一匹の対処が送れてしまった。
ブラックウルフはそのまま私の腕を食いちぎろうとして・・・
食いちぎることは出来なかった。予想はしていたがブラックウルフの牙は、私の皮膚を貫くことすらできなかった。ブラックウルフが怪訝そうな目をしながら噛んでいる内に
神魔紋 -刀身強化-
を使って強化した短剣を頭に突き刺して仕留める。そして残りの二体を短剣で仕留めてこの世界での初めての魔物とのたたかいがおわった。
魔物の死体からは防具や道具の素材となる物が取れるのでそのままにせず、魔法鞄を取り出して中に入れる。魔法鞄には状態保存の魔法もかけてあるので中で腐ったりはしない。
回収後、移動を再開し、森の中でテントを張って夜を明かすことになった。
寝ている間に魔物が来るといけないのでテントの周りに認識阻害とトラップの魔道具を設置し、夕飯に昨日準備した保存食を食べて、寝ることにした。
明日にはこの森を抜けれたら良いなと思いながら私は眠りについた。
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