悪役令嬢は全てを諦めたフリをしました。 つらい私の気持ちを救ったのは"いなり寿司"と"モフモフのあなた"だった。

にのまえ

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14話

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「ベロニカ、明日の昼休みここで昼食をとろう」


 翌日。お昼休みに旧庭園に行くと、フォックス様は先にいらしていた。彼は私を見つけると手招きで呼び寄せて。

「一緒に昼食を食べよう」

 大きなお弁当箱を見せた。

 彼が昼食と言ったので、私も家で作ってきた彼とは違う小さなお弁当箱を取り出す。お弁当の中身は至って普通、おにぎりと卵焼き、唐揚げとキュウリの塩揉み。前世の私の好きな食べ物を厨房を借りて作ってきた。

 フォックス様は準備よく、桜の木の下に持ってきた敷物を引いた。そのうえでフォックス様と私の昼食がはじまる。

「ベロニカ嬢その黄色いのは何? それは?」
「卵焼きと、キュウリの塩揉みだけど……食べる?」
「いいのか? 食べる!」

 お弁当箱のふたをお皿代わりにして、卵焼きとおにぎりを乗せた。彼のお弁当を覗くと、そこには俵形のお稲荷さんがぎっしり詰まっていた。

「全部、お稲荷さん?」

「ん? ベロニカはいなり寿司を知っているのか? ボクの故郷の食べ物だよ、食べる?」

「はい、食べます!」

 私がいなり寿司に食いつき過ぎたらしく「ククッ」と笑い。彼は俵形のお稲荷さんをお弁当箱のふたの裏に2つ乗せてくれた。

(美味しそう、私、お稲荷さん好きだったのよね)

 期待に胸を膨らませて。

「いただきます……ん? んん! お揚げが甘くふっくらに炊かれていて、中のお米には胡麻がまぶしてあって美味しい」

 彼が持ってきたお稲荷さんの味は、前世の味と似ていた。

「よかった、ウチの調理長が喜ぶ。もう一つはその茶色いものと、交換しない?」

 フォックス様は私の好物の唐揚げを指した。

「これは……いいよ」

「ありがとう、ん? おお、これも美味い! 味付けはウチの国の醤油と生姜だ」

「正解! これ鶏肉に下味をつけて小麦粉をまぶして、油で揚げた"唐揚げ"って言うの」

「鶏肉に下味をつけて小麦粉をまぶして、油で揚げた唐揚げ?」
「うん!」

「この味気に入った! ベロニカ、もっと詳しく教えて。屋敷に帰ったら頼んで作ってもらう」

「わかった」

 フォックス様も"唐揚げ"が気に入ったようだ。
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