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18話
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授業が終わり、楽しみの昼食へ行く前にスザーリン殿下に呼び止められた。側には今にも泣きそうなミミリアがいる。その後に攻略対象者も集まってきた。
また、私が何かしたと言うのですね。
もう何度目でしょうか、やってもいないことを言われるのも。
「ベロニカ嬢! ミミリアに足をかけて転ばせてそうじゃないか?」
「はぁ?」
「とぼけないで! 他の生徒の前で、あたしに恥をかかせようとしたでしょう!」
「お前のせいで、ミミが怪我をした」
「どう落とし前をつける!」
おかしなことを言いますわね。このドレスでどう足を引っ掛けて転ばすのでしょうか? 動くとき歩幅はゆっくりと、歩幅は小さくが基本。男の方は知らないでしょうがドレスって見た目よりも重く、そして動きずらい。
ミミリアさんみたいにスカートの丈が短く、膝下が出ていれば出来ますが。足元まで隠れる、私のドレスでは無理な話です。
「みなさんにお言葉を返すようですが。わたくしそんなことしませんわ。なぜわたくしが、ミミリアさんを転ばせなくてはならなくて?」
「決まっているじゃない。あたしとスザーリン様の仲を嫉妬してでしょう!」
「「そうだそうだ!」」
「仲を嫉妬? 決めつけはいかがなものでしょうか。わたくしは仕方がなくスザーリン殿下の婚約者になりました……と、前にもミミリアさんと貴方達に申しました。ですので、わたくしにスザーリン殿下への愛はありません。言いがかりはおやめになって」
思っていた事とは違う返答のせいか。ポカーンとする彼らにスカートを掴み、淑女の礼をしてその場を去った。あんな簡単に嘘を吐けるなんて怖い人。
(そうだわ、後でスザーリン殿下に抗議を入れないと)
こちらから呼び出して言うのも面倒ですから。抗議文を彼宛てに送りつけました。せっかくの昼食の時間が減ってしまうのは考えものです。
フォックス様とは旧庭園の桜の木の下ではなく、旧校舎の旧書庫で待ち合わせをしている。さっきの場面を見ていたのか。着いて早々、平気かと聞かれた。
「ええ、面倒ですが。あの場でハッキリ抗議をしないと、あの方達は嘘を重ね、どんどん私を悪者にしいくのが見えてますから」
「大変だな。これでも食べて嫌なこと忘れて」
「いい匂い、いただきます」
フォックス様から深皿を受け取った。
これってサトイモの煮物?
お箸でつまみパクッと食べる。
「フォックス様、このサトイモの煮物。味がしみしみでおいしい」
「よかった、サトイモの味噌汁もあるよ。熱いから気をつけて」
「はい、いただきます。んん、ほくほくのサトイモ、優しい味噌の味……すごく癒される。さっきの嫌なことが忘れられます」
(私、サトイモのみそ汁、好きなの~最高)
「フフ。ベロニカ、稲荷寿司もあるからね」
「もちろん、いただきます!」
お行儀悪く手で掴みパクッと稲荷寿司を食べると、フォックス様は嬉しそうに笑い。頬に付いていた、ご飯粒をとり食べてしまう。
「まあ!」
「ついてたよ」
「とる前に教えてくださいませ!」
(⁉︎ あまりにも流れるような動作だったから、反応に遅れたわ……もう、稲荷寿司美味しい)
「照れるベロニカに、今日はわらび餅がある」
「わ、わらび餅! 大好物ですわ」
きな粉だけではなく、黒蜜もかけて食べるのが好きです。
「そうか! 待って用意するから」
フォックス様はアイテムボックスから容器を取り出した。その中にはプルプルしたわらび餅が入っている。それをスプーンで救い、きな粉が入った容器に入れて、まんべんなくきな粉をまぶした。
きな粉がまぶされたわらび餅をお皿に乗せて、上から黒蜜をトロリとかけた。
(こんなの、美味しいに決まってます!)
「ベロニカ、食べてみて」
「はい……あ、口の中でスッと溶けたわ。こ、これよこれ! 美味しい!」
作りたてじゃないと味わえない味。フォックス様は出来立てを、アイテムボックスに入れたから作りたてなのですね。
「ンン~美味しい」
「ゴクッ」
フォックス様は喉を鳴らし。サッと自分の分を作り、きな粉と黒蜜をかけてわらび餅を食べた。
「クウッ、うまい! 本当に美味い! 料理長が作るわらび餅は最高だ」
「ええ、美味しいです」
フォックス様のモフモフの耳がピクッと動き、尻尾がフリクリ動く。大好きなものを食べる時の仕草は可愛い。
(願うなら、ずっと眺めていたいな)
また、私が何かしたと言うのですね。
もう何度目でしょうか、やってもいないことを言われるのも。
「ベロニカ嬢! ミミリアに足をかけて転ばせてそうじゃないか?」
「はぁ?」
「とぼけないで! 他の生徒の前で、あたしに恥をかかせようとしたでしょう!」
「お前のせいで、ミミが怪我をした」
「どう落とし前をつける!」
おかしなことを言いますわね。このドレスでどう足を引っ掛けて転ばすのでしょうか? 動くとき歩幅はゆっくりと、歩幅は小さくが基本。男の方は知らないでしょうがドレスって見た目よりも重く、そして動きずらい。
ミミリアさんみたいにスカートの丈が短く、膝下が出ていれば出来ますが。足元まで隠れる、私のドレスでは無理な話です。
「みなさんにお言葉を返すようですが。わたくしそんなことしませんわ。なぜわたくしが、ミミリアさんを転ばせなくてはならなくて?」
「決まっているじゃない。あたしとスザーリン様の仲を嫉妬してでしょう!」
「「そうだそうだ!」」
「仲を嫉妬? 決めつけはいかがなものでしょうか。わたくしは仕方がなくスザーリン殿下の婚約者になりました……と、前にもミミリアさんと貴方達に申しました。ですので、わたくしにスザーリン殿下への愛はありません。言いがかりはおやめになって」
思っていた事とは違う返答のせいか。ポカーンとする彼らにスカートを掴み、淑女の礼をしてその場を去った。あんな簡単に嘘を吐けるなんて怖い人。
(そうだわ、後でスザーリン殿下に抗議を入れないと)
こちらから呼び出して言うのも面倒ですから。抗議文を彼宛てに送りつけました。せっかくの昼食の時間が減ってしまうのは考えものです。
フォックス様とは旧庭園の桜の木の下ではなく、旧校舎の旧書庫で待ち合わせをしている。さっきの場面を見ていたのか。着いて早々、平気かと聞かれた。
「ええ、面倒ですが。あの場でハッキリ抗議をしないと、あの方達は嘘を重ね、どんどん私を悪者にしいくのが見えてますから」
「大変だな。これでも食べて嫌なこと忘れて」
「いい匂い、いただきます」
フォックス様から深皿を受け取った。
これってサトイモの煮物?
お箸でつまみパクッと食べる。
「フォックス様、このサトイモの煮物。味がしみしみでおいしい」
「よかった、サトイモの味噌汁もあるよ。熱いから気をつけて」
「はい、いただきます。んん、ほくほくのサトイモ、優しい味噌の味……すごく癒される。さっきの嫌なことが忘れられます」
(私、サトイモのみそ汁、好きなの~最高)
「フフ。ベロニカ、稲荷寿司もあるからね」
「もちろん、いただきます!」
お行儀悪く手で掴みパクッと稲荷寿司を食べると、フォックス様は嬉しそうに笑い。頬に付いていた、ご飯粒をとり食べてしまう。
「まあ!」
「ついてたよ」
「とる前に教えてくださいませ!」
(⁉︎ あまりにも流れるような動作だったから、反応に遅れたわ……もう、稲荷寿司美味しい)
「照れるベロニカに、今日はわらび餅がある」
「わ、わらび餅! 大好物ですわ」
きな粉だけではなく、黒蜜もかけて食べるのが好きです。
「そうか! 待って用意するから」
フォックス様はアイテムボックスから容器を取り出した。その中にはプルプルしたわらび餅が入っている。それをスプーンで救い、きな粉が入った容器に入れて、まんべんなくきな粉をまぶした。
きな粉がまぶされたわらび餅をお皿に乗せて、上から黒蜜をトロリとかけた。
(こんなの、美味しいに決まってます!)
「ベロニカ、食べてみて」
「はい……あ、口の中でスッと溶けたわ。こ、これよこれ! 美味しい!」
作りたてじゃないと味わえない味。フォックス様は出来立てを、アイテムボックスに入れたから作りたてなのですね。
「ンン~美味しい」
「ゴクッ」
フォックス様は喉を鳴らし。サッと自分の分を作り、きな粉と黒蜜をかけてわらび餅を食べた。
「クウッ、うまい! 本当に美味い! 料理長が作るわらび餅は最高だ」
「ええ、美味しいです」
フォックス様のモフモフの耳がピクッと動き、尻尾がフリクリ動く。大好きなものを食べる時の仕草は可愛い。
(願うなら、ずっと眺めていたいな)
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