11 / 75
11話
しおりを挟む
治療を終えたアオに話を聞くと、彼は私と同じ十八歳。タヌキの姿は獣化と言って、いつもは人型――半獣で過ごしているらしく、戻るにしても着る服がなくて戻れないと言った。
「私、アオ君の半獣の姿をみたいです、なってください」
「嫌だ、女性二人の前で裸になれるかぁ!」
「メイドなので、私は別に気にしません」
「メイドとか関係ねぇ、そこは女性らしく気にしろ!」
シュシュはアオの半獣という言葉に大興奮。
(二人のやりとりを黙って見ていたけど、私もアオ君の半獣の姿は気になっている)
シュシュと話して夕飯の買い出しの時に、彼の服も何着か買うことにした。アオに留守番をお願いしてメイドに扮装したカサンドラは、シュシュと近くの村から出る相乗り馬車に乗り、近くの街へと繰り出した。
馬車に揺られて着いた街は、別荘から十分ほどの距離にあるサタという街。この街には冒険、商人ギルドがあり。昼夜、冒険者、商人で賑わっていて、食料品、衣類、雑貨屋のお店も多く買い物に困らない。
街に入って、カサンドラはビラ売りの少年を見つけた。
その売られるビラは銅貨五ピールで売られていて、一ヶ月に一回発行されている。主に国の事が書かれていて、アサルト殿下とカサンドラの婚約の破棄も載った。
次の婚約者になる妹の事が書かれないか、カサンドラの事が載らないか――今のカサンドラの情報源だ。
「シュシュ、国の情勢と4月の花祭りの記事は乗っているけど……殿下とシャリィの婚約発表は載っていないわ」
「私は文字を読むのが苦手でわかりませんが、おかしいですね」
「えぇおかしいわ。婚約破棄をして一ヶ月は過ぎているのに……そろそろ、二人が婚約したとか。発表の予定が載ってもいいのに」
カサンドラが春を祝う舞踏会で見た二人は、ランタンの明かりの下で熱烈な愛を語っていた。婚約の破棄をして、二人をはばかる障害がないはず。
ビラを手にして、眉をひそめたカサンドラに。
「お嬢様、シャリィお嬢様の誕生日の日にでもなさるのでしょう。あまり気になさない方がいいですよ。アオ君の服とお肉を買って帰りましょう」
「そうね、私があの二人を気にしても仕方がないわ。買い物を済ませて帰りましょう」
服屋でアオの服といるものを何着が買い、お肉屋で冒険者が狩ったばかりの、高級なグリーンドラゴンの塊肉を手に入れた。
「シュシュ、いいドラゴンの肉が手に入ったわね。肉食ドラゴンは少しクセがあるけど、このお肉はとても美味しいわよ」
「わぁ、楽しみです。グフフ、貴族しか食べられないグリーンドラゴンのお肉……今夜はステーキにしよう!」
「フフ、いいわね。料理はシュシュに任せて、私は隣でお手伝いをするわ」
雑貨屋と、八百屋に寄ってサタの街を後にした。
「私、アオ君の半獣の姿をみたいです、なってください」
「嫌だ、女性二人の前で裸になれるかぁ!」
「メイドなので、私は別に気にしません」
「メイドとか関係ねぇ、そこは女性らしく気にしろ!」
シュシュはアオの半獣という言葉に大興奮。
(二人のやりとりを黙って見ていたけど、私もアオ君の半獣の姿は気になっている)
シュシュと話して夕飯の買い出しの時に、彼の服も何着か買うことにした。アオに留守番をお願いしてメイドに扮装したカサンドラは、シュシュと近くの村から出る相乗り馬車に乗り、近くの街へと繰り出した。
馬車に揺られて着いた街は、別荘から十分ほどの距離にあるサタという街。この街には冒険、商人ギルドがあり。昼夜、冒険者、商人で賑わっていて、食料品、衣類、雑貨屋のお店も多く買い物に困らない。
街に入って、カサンドラはビラ売りの少年を見つけた。
その売られるビラは銅貨五ピールで売られていて、一ヶ月に一回発行されている。主に国の事が書かれていて、アサルト殿下とカサンドラの婚約の破棄も載った。
次の婚約者になる妹の事が書かれないか、カサンドラの事が載らないか――今のカサンドラの情報源だ。
「シュシュ、国の情勢と4月の花祭りの記事は乗っているけど……殿下とシャリィの婚約発表は載っていないわ」
「私は文字を読むのが苦手でわかりませんが、おかしいですね」
「えぇおかしいわ。婚約破棄をして一ヶ月は過ぎているのに……そろそろ、二人が婚約したとか。発表の予定が載ってもいいのに」
カサンドラが春を祝う舞踏会で見た二人は、ランタンの明かりの下で熱烈な愛を語っていた。婚約の破棄をして、二人をはばかる障害がないはず。
ビラを手にして、眉をひそめたカサンドラに。
「お嬢様、シャリィお嬢様の誕生日の日にでもなさるのでしょう。あまり気になさない方がいいですよ。アオ君の服とお肉を買って帰りましょう」
「そうね、私があの二人を気にしても仕方がないわ。買い物を済ませて帰りましょう」
服屋でアオの服といるものを何着が買い、お肉屋で冒険者が狩ったばかりの、高級なグリーンドラゴンの塊肉を手に入れた。
「シュシュ、いいドラゴンの肉が手に入ったわね。肉食ドラゴンは少しクセがあるけど、このお肉はとても美味しいわよ」
「わぁ、楽しみです。グフフ、貴族しか食べられないグリーンドラゴンのお肉……今夜はステーキにしよう!」
「フフ、いいわね。料理はシュシュに任せて、私は隣でお手伝いをするわ」
雑貨屋と、八百屋に寄ってサタの街を後にした。
33
あなたにおすすめの小説
完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!
仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。
ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。
理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。
ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。
マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。
自室にて、過去の母の言葉を思い出す。
マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を…
しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。
そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。
ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。
マリアは父親に願い出る。
家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが………
この話はフィクションです。
名前等は実際のものとなんら関係はありません。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
※後日談を更新中です。
【完結】『運命』を『気のせい』と答えたら、婚姻となりまして
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
ヴォレッカ・サミレットは、領地の危機をどうにかするために、三年ぶりに社交界へと婚姻相手を探しにやってきた。
第一にお金、次に人柄、後妻ではなく、できれば清潔感のある人と出会いたい。 そう思っていたのだが──。
「これは、運命だろうか……」 誰もが振り返るほどの美丈夫に、囁かれるという事態に。
「気のせいですね」 自身が平凡だと自覚があり、からかって遊ばれていると思って、そう答えたヴォレッカ。
だが、これがすべての始まりであった。 超絶平凡令嬢と、女性が苦手な美丈夫の織りなす、どこかかみ合わない婚姻ラブストーリー。
全43話+番外編です。
(自称)我儘令嬢の奮闘、後、それは誤算です!
みん
恋愛
双子の姉として生まれたエヴィ。双子の妹のリンディは稀な光の魔力を持って生まれた為、体が病弱だった。両親からは愛されているとは思うものの、両親の関心はいつも妹に向いていた。
妹は、病弱だから─と思う日々が、5歳のとある日から日常が変わっていく事になる。
今迄関わる事のなかった異母姉。
「私が、お姉様を幸せにするわ!」
その思いで、エヴィが斜め上?な我儘令嬢として奮闘しているうちに、思惑とは違う流れに─そんなお話です。
最初の方はシリアスで、恋愛は後程になります。
❋主人公以外の他視点の話もあります。
❋独自の設定や、相変わらずのゆるふわ設定なので、ゆるーく読んでいただけると嬉しいです。ゆるーく読んで下さい(笑)。
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
手作りお菓子をゴミ箱に捨てられた私は、自棄を起こしてとんでもない相手と婚約したのですが、私も含めたみんな変になっていたようです
珠宮さくら
恋愛
アンゼリカ・クリットの生まれた国には、不思議な習慣があった。だから、アンゼリカは必死になって頑張って馴染もうとした。
でも、アンゼリカではそれが難しすぎた。それでも、頑張り続けた結果、みんなに喜ばれる才能を開花させたはずなのにどうにもおかしな方向に突き進むことになった。
加えて好きになった人が最低野郎だとわかり、自棄を起こして婚約した子息も最低だったりとアンゼリカの周りは、最悪が溢れていたようだ。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
白百合の君を瞼に浮かべて
蒼あかり
恋愛
騎士隊副隊長のレイモンドは、第二王子アーサーの婚約者アリシアの事を密かに想っていた。
『白百合の君』と呼ばれるほどに美しいアリシアが、自分の起こした行動により婚約破棄を告げられてしまう。酔った勢いで婚約破棄を告げ後悔するアーサーだが、大きな力で婚約の存続は途絶えてしまった。それでもアリシアを手放せないアーサーが、執拗にアリシアを追い詰めてくる。そんなアリシアを守るために求め続けるも、二人はすれ違い続けついには行方知れずに。
年月を重ね、二人は再び出会うことができるだろうか?
他サイトでも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる