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2話
舞踏会の会場は王城の広間。光り輝くシャンデリアの下、国王から勅命を受けた令嬢たちは集まり、色とりどりのドレスが花を咲かせていた。
けれど、この場にいる誰一人として、心から笑っている者などいない。そう誰しも、アーイス殿下の婚約者などに、選ばれたくないのだ。
その中、私は会場の隅で、ひときわ目立たない位置に立っていた。今日、着せられたドレスは姉のおさがりで、丈が微妙に合っていない。メイクも控えめで、ドレスにも負けているのが自分でもわかる。
(……これで、いいの。目立たず、静かにたたずみ、料理をいっぱい食るだけ)
壁際からちらりと視線を送り、料理が並ぶテーブルを確認する。豪華なメニューが並ぶその場所へ、いつ行こうかとタイミングを見計らっていた。
そのときだった。
広間の大扉が開き、舞踏会の会場に第一王子、アーイス・ダシャイア殿下が、入場した。
整えられた金色の髪と冷たい青の瞳。漆黒の軍服に身を包み、殿下は真っすぐと会場を歩く。その、かたわらには「聖女」と呼ばれる少女。長い黒髪に黒い瞳、どこか異国風の顔立ちが、特徴的な少女が寄り添って歩いていた。
(はあ……この光景に見覚えがある。学園で、見てきた光景だ)
そのアーイス殿下が歩みを進めるたび、会場の注目が彼に集まる。そして、令嬢たちが息をのむ中、殿下は会場中央で静かに立ち止まり、冷ややかな声で言葉を放った。
「本日、この場を借りて、新たな婚約者を指名する」
その瞬間、会場がざわめいた。多くの令嬢たちが殿下の言葉に、嫌々ながら背筋を伸ばした。そう誰しも、この男の、婚約者にはなりたくない。
(……やっぱり他の子達も、お飾りの婚約者になんてなりたくない。だって殿下は、異界の聖女だけを愛し続けるはずだ)
私も小さくため息をつこうとした、その瞬間。殿下が再び口を開く。
「僕が婚約者に選ぶのは……ドーリング公爵家の、ミーシャ・ドーリングだ」
一瞬、時間が止まった。
(……え? 私が、殿下の婚約者?)
この場で婚約者に選ばれなかった、令嬢たちがほっと息をつく姿と、アーイス殿下の冷たい青い瞳が私を見据えている。その瞬間、私の脳裏にある記憶が蘇った。
(あ、あれ? ……これって。「異界から来た聖女」? それって、私が愛読していたWEB小説じゃない!)
額にじわりと、いやな汗がにじむ。
(私、その、小説の世界に転生していたの? 私が転生した「ミーシャ」って……密か、殿下に恋するも報われない、死んでしまう脇役だ!)
けれど、この場にいる誰一人として、心から笑っている者などいない。そう誰しも、アーイス殿下の婚約者などに、選ばれたくないのだ。
その中、私は会場の隅で、ひときわ目立たない位置に立っていた。今日、着せられたドレスは姉のおさがりで、丈が微妙に合っていない。メイクも控えめで、ドレスにも負けているのが自分でもわかる。
(……これで、いいの。目立たず、静かにたたずみ、料理をいっぱい食るだけ)
壁際からちらりと視線を送り、料理が並ぶテーブルを確認する。豪華なメニューが並ぶその場所へ、いつ行こうかとタイミングを見計らっていた。
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その瞬間、会場がざわめいた。多くの令嬢たちが殿下の言葉に、嫌々ながら背筋を伸ばした。そう誰しも、この男の、婚約者にはなりたくない。
(……やっぱり他の子達も、お飾りの婚約者になんてなりたくない。だって殿下は、異界の聖女だけを愛し続けるはずだ)
私も小さくため息をつこうとした、その瞬間。殿下が再び口を開く。
「僕が婚約者に選ぶのは……ドーリング公爵家の、ミーシャ・ドーリングだ」
一瞬、時間が止まった。
(……え? 私が、殿下の婚約者?)
この場で婚約者に選ばれなかった、令嬢たちがほっと息をつく姿と、アーイス殿下の冷たい青い瞳が私を見据えている。その瞬間、私の脳裏にある記憶が蘇った。
(あ、あれ? ……これって。「異界から来た聖女」? それって、私が愛読していたWEB小説じゃない!)
額にじわりと、いやな汗がにじむ。
(私、その、小説の世界に転生していたの? 私が転生した「ミーシャ」って……密か、殿下に恋するも報われない、死んでしまう脇役だ!)
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