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国のためとか、殿下のためとかじゃなく――私が自分の意思でしたくてやった。浄化された精霊の地を見て私は満足げに笑った。
しかし、大いなる魔力を使った私への、その代償は魔力切れ。
(あ、あら、あらら――⁉︎)
ホウキに乗る魔力もない私は、ホウキ片手に空から落ちていく。シシはそんな私を口に咥え、いつもの優しいシシとは思えないくらい乱暴に助けた。
(まずい、シシが怒ってる……逃げたいけど、体に力がはいらず逃げれない)
私はアイテムボックスを開き魔力を回復をしようと、ポーションを取り出そうとしたが、シシの行動が素早かった。
「大丈夫、ポーションに頼らずとも、ボクがアーシャに魔力を分けてあげよう」
「ま、まま、待って! ここは外だし、チェルもいるわよ。それにモコモコオオカミさん、精霊さんたちも見てる!」
「うるさい!」
ヒィ――!!
私の抵抗も虚しく、空の上で魔力をやるぞと言わんばかりに……人型となったシシに口移しで魔力をながされる。いま魔力がない体にシシから熱く濃い魔力が送られ、私はコクコクと喉を鳴らして魔力をもらってしまう。
(シシの魔力で、私の魔力は回復するけど……この熱く濃い魔力はいまの私にとって中毒だ。もっとシシの、番の、魔力が欲しくてたまらなくなる)
いつもは言わない。
「もっと、あなたの魔力が欲しい」
と、言ってしまう。
「そう言うと思ったが、ダメだ。アーシャは午後からギルドで話し合いだろ? 動けるまで回復させたから、残りは終わってからだ」
「そんなぁ!」
「魔力を使い切ったアーシャが悪い」
「……うぅ、ごめんなさい」
怒ったシシは怖い。――あれは、チェルを産み1年以上が経ったころ。体力と魔力が回復した私は、リハビリを兼ねて魔力を半分くらい使い、森を浄化した。
その浄化の光は、シシが狩りをしている所まで届いたらしく、彼はすっ飛んで家に帰ってきた。
『おかえりなさい、シシ』
『アーシャ? いま魔法を使った!』
『ええ、体力と魔力が回復したから……リハビリを兼ねて、……え? シシ? そんなに毛を立てて、どうしたの?』
『ボクはまだ、魔力を使うなと言っていただろう! 1人で使ってアーシャ、チェルにもしもの事があったらどうする! 君の出産のとき、アーシャとチェルを助けるためにボクは力を使った、その影響が出たらどうする!』
そのときは謝って許してもらえたのだけど。チェルが1人で寝れるようになってから――シシに「あの日のこと、ボクはまだ許していないからな」と一晩中愛された。
「今晩、覚悟してね、アーシャ」
「え、はい……」
魔力がないままの私にとって、彼の愛は……甘味にしかならないのだけど……。
しかし、大いなる魔力を使った私への、その代償は魔力切れ。
(あ、あら、あらら――⁉︎)
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(まずい、シシが怒ってる……逃げたいけど、体に力がはいらず逃げれない)
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「大丈夫、ポーションに頼らずとも、ボクがアーシャに魔力を分けてあげよう」
「ま、まま、待って! ここは外だし、チェルもいるわよ。それにモコモコオオカミさん、精霊さんたちも見てる!」
「うるさい!」
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いつもは言わない。
「もっと、あなたの魔力が欲しい」
と、言ってしまう。
「そう言うと思ったが、ダメだ。アーシャは午後からギルドで話し合いだろ? 動けるまで回復させたから、残りは終わってからだ」
「そんなぁ!」
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『アーシャ? いま魔法を使った!』
『ええ、体力と魔力が回復したから……リハビリを兼ねて、……え? シシ? そんなに毛を立てて、どうしたの?』
『ボクはまだ、魔力を使うなと言っていただろう! 1人で使ってアーシャ、チェルにもしもの事があったらどうする! 君の出産のとき、アーシャとチェルを助けるためにボクは力を使った、その影響が出たらどうする!』
そのときは謝って許してもらえたのだけど。チェルが1人で寝れるようになってから――シシに「あの日のこと、ボクはまだ許していないからな」と一晩中愛された。
「今晩、覚悟してね、アーシャ」
「え、はい……」
魔力がないままの私にとって、彼の愛は……甘味にしかならないのだけど……。
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