42 / 110
41
しおりを挟む
シシとチェルが持ってきたルナールの花は。花びらを砂糖漬けにすると、風邪予防になるから。鍋で煮込んでジャムを作れば紅茶に砂糖なかわりに淹れたり。焼きたてのパンにバターと一緒にぬって美味しくいただける。
手とうがいをしてくると洗面所へ向かう、2人からルナールの花を受け取り、花のあまい香りを楽しむ。このルナールの花は前に家族と薬草を採りにいった、カサロ湖より、さらに奥に行かなくてはならない。
(強いシシがいるから心配しないけど、チェルにとっては初めての、冒険だったんじゃないかしら?)
洗面所から手を洗い、うがいを終わらせて戻ってきた、シシとチェルに心からお礼を伝える。
「ありがとう、シシ、チェル。たくさんのルナールの花をもらえて嬉しいわ。――そうだ。この花の花びらを使って砂糖漬けとジャムを作って、後はドライフラワーにするわ」
ジャムには。元々のルナールの花の効能、風邪予防のほかに、疲労回復を付与して。砂糖漬けには体を温めてよく眠れる効果。ドライフラワーが出来たら、アロマオイルで香りを付けて、防御特化を付与したポプリを作ろう。
付与とは。私のもう一つのスキル。食べ物、持ち物、衣類に効果を付け加えることが出来る。このスキル……はじめは1人だけだったけど、使用したいくうちに複数へと変わった。
私が王太子妃だった頃は殿下の持ち物からはじまり。騎士たちの鎧、剣と、誰にも傷付いてほしくなくて防御と攻撃を付与していたけど。騎士団員たちは自分達が強くなったと勘違いしはじめた。
『アーシャ妃に頼らずとも、自分達だけで出来ます!』
『私達は、神に選ばれて強くなりました』
『魔物など、我々の剣で倒せます!』
『……まあ、それは心強いですね。頼りにしております』
か弱い私に守られることが、彼らのプライドを傷つけていたのだと知った。そんな彼らも5年も経つし、私の付与がなくても強くなっているはず。
――いま付与するのは私の両親と家族だけ。初めはコッソリと付けていたのだけど。勘の鋭く、魔力持ちの両親とシシにはすぐにバレてしまったわ。
『アーシャ、いつもありがとう』
『わたくしたちの病気知らずは、アーシャのおかげね』
『人にしては、なかなか面白いスキル持ちだな。たすかる』
付与が気付かれた事とお礼を言われて、心がウズウズして、照れてしまったのを覚えている。
❀
シシとチェルがカサロの森の奥で、採ってきてくれた、たくさんのルナールの花がキッチンに甘い香りを漂わす。
「ママ、ボク、ジャムが食べたい!」
「ああ、砂糖漬けも楽しみだな。作るとき手伝うよ」
「ありがとう。さっそくだけど、お昼ご飯が終わったらお願いするわ」
「いいよ、まかせて」
「ボクも手伝う!」
「じゃ、みんなで作りましょう」
私は念のため、ルナールの花に浄化魔法をかけて、ドライフラワー用の花に麻紐を結び、風通しの良い場所へ吊るした。ジャム、砂糖漬けお昼ご飯のあと、みんなで花びらを摘む。
「お昼ご飯は何がいい?」
「「オムライス!」」
似たもの親子の返答に微笑み「まかせて、今から作るわね」とエプロンを付けた。
手とうがいをしてくると洗面所へ向かう、2人からルナールの花を受け取り、花のあまい香りを楽しむ。このルナールの花は前に家族と薬草を採りにいった、カサロ湖より、さらに奥に行かなくてはならない。
(強いシシがいるから心配しないけど、チェルにとっては初めての、冒険だったんじゃないかしら?)
洗面所から手を洗い、うがいを終わらせて戻ってきた、シシとチェルに心からお礼を伝える。
「ありがとう、シシ、チェル。たくさんのルナールの花をもらえて嬉しいわ。――そうだ。この花の花びらを使って砂糖漬けとジャムを作って、後はドライフラワーにするわ」
ジャムには。元々のルナールの花の効能、風邪予防のほかに、疲労回復を付与して。砂糖漬けには体を温めてよく眠れる効果。ドライフラワーが出来たら、アロマオイルで香りを付けて、防御特化を付与したポプリを作ろう。
付与とは。私のもう一つのスキル。食べ物、持ち物、衣類に効果を付け加えることが出来る。このスキル……はじめは1人だけだったけど、使用したいくうちに複数へと変わった。
私が王太子妃だった頃は殿下の持ち物からはじまり。騎士たちの鎧、剣と、誰にも傷付いてほしくなくて防御と攻撃を付与していたけど。騎士団員たちは自分達が強くなったと勘違いしはじめた。
『アーシャ妃に頼らずとも、自分達だけで出来ます!』
『私達は、神に選ばれて強くなりました』
『魔物など、我々の剣で倒せます!』
『……まあ、それは心強いですね。頼りにしております』
か弱い私に守られることが、彼らのプライドを傷つけていたのだと知った。そんな彼らも5年も経つし、私の付与がなくても強くなっているはず。
――いま付与するのは私の両親と家族だけ。初めはコッソリと付けていたのだけど。勘の鋭く、魔力持ちの両親とシシにはすぐにバレてしまったわ。
『アーシャ、いつもありがとう』
『わたくしたちの病気知らずは、アーシャのおかげね』
『人にしては、なかなか面白いスキル持ちだな。たすかる』
付与が気付かれた事とお礼を言われて、心がウズウズして、照れてしまったのを覚えている。
❀
シシとチェルがカサロの森の奥で、採ってきてくれた、たくさんのルナールの花がキッチンに甘い香りを漂わす。
「ママ、ボク、ジャムが食べたい!」
「ああ、砂糖漬けも楽しみだな。作るとき手伝うよ」
「ありがとう。さっそくだけど、お昼ご飯が終わったらお願いするわ」
「いいよ、まかせて」
「ボクも手伝う!」
「じゃ、みんなで作りましょう」
私は念のため、ルナールの花に浄化魔法をかけて、ドライフラワー用の花に麻紐を結び、風通しの良い場所へ吊るした。ジャム、砂糖漬けお昼ご飯のあと、みんなで花びらを摘む。
「お昼ご飯は何がいい?」
「「オムライス!」」
似たもの親子の返答に微笑み「まかせて、今から作るわね」とエプロンを付けた。
81
あなたにおすすめの小説
もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~
桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜
★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました!
10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。
現在コミカライズも進行中です。
「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」
コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。
しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。
愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。
だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。
どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。
もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。
※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!)
独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。
※誤字脱字報告もありがとうございます!
こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱えて、離縁をつきつけ家を出た。
そこで待っていたのは、
最悪の出来事――
けれど同時に、人生の転機だった。
夫は、愛人と好きに生きればいい。
けれど、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
彼女が選び直す人生と、
辿り着く本当の幸せの行方とは。
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
【完結済】王女に夢中な婚約者様、さようなら 〜自分を取り戻したあとの学園生活は幸せです! 〜
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
王立学園への入学をきっかけに、領地の屋敷から王都のタウンハウスへと引っ越した、ハートリー伯爵家の令嬢ロザリンド。婚約者ルパートとともに始まるはずの学園生活を楽しみにしていた。
けれど現実は、王女殿下のご機嫌を取るための、ルパートからの理不尽な命令の連続。
「かつらと黒縁眼鏡の着用必須」「王女殿下より目立つな」「見目の良い男性、高位貴族の子息らと会話をするな」……。
ルパートから渡された「禁止事項一覧表」に縛られ、ロザリンドは期待とは真逆の、暗黒の学園生活を送ることに。
そんな日々の中での唯一の救いとなったのは、友人となってくれた冷静で聡明な公爵令嬢、ノエリスの存在だった。
学期末、ロザリンドはついにルパートの怒りを買い、婚約破棄を言い渡される。
けれど、深く傷つきながら長期休暇を迎えたロザリンドのもとに届いたのは、兄の友人であり王国騎士団に属する公爵令息クライヴからの婚約の申し出だった。
暗黒の一学期が嘘のように、幸せな長期休暇を過ごしたロザリンド。けれど新学期を迎えると、エメライン王女が接触してきて……。
※10万文字超えそうなので長編に変更します。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる