浮気をした王太子はいりません。〜離縁をした元王太子妃は森の奥で、フェンリルパパと子供と共に幸せに暮らします。

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　エルフ達がウキウキと宴のために、畑で野菜を収穫して、長のアギとエルフ、シシはピヨピヨ鳥をさばいている。私とチェルは固くなってしまった、コメと焼き鳥を使い、火が使える場所で雑炊を作っていた。

（いい感じね。ここに、といた卵をまわし入れて、熱々の雑炊の出来上がり）

「チェル、雑炊ができたわ。さぁ食べましょう」
「うん。食べる！」

　アイテムボックスから器とお玉を取り出し、出来上がった雑炊をよそう。ふんわりと香る出汁の匂い、フワフワの卵、香ばしく焼かれたピヨピヨ鳥の焼き鳥入りの雑炊だ。

「出来立てで熱いから。フウフウして、ゆっくり食べるのよ」
　
「うん、フウフウする」
「シシも、雑炊ができたから食べましょう。食べ終わったら、私もさばくの手伝うわ」

　出来立てを食べようと、アギ達とピヨピヨ鳥の捌く手伝いをするシシを呼んだ。シシは「すぐに行く」と手を振り、アギと話してから、こっちへとやってきた。

「アーシャ、雑炊を食べ終わったら。アギ達にピヨピヨ鳥の、捌き方を詳しく教えてくれる」

「え、私でいいの？」
「ああ。ボクよりもアーシャの方が詳しいからね、頼むよ」

　私は雑炊をよそい、シシに渡しなが「いいよ」と頷く。

（でも……教えるのは初めてだから、上手く彼らに教えれるかしら？）

　あれと、これも教えないと。私は色々考え、嬉しいのと、ドキドキ緊張している。そんな私を見ながら、シシは雑炊を食べ、優しげに見つめていた。

「アーシャのおにぎりと焼き鳥も良かったけど。出汁がきいた雑炊もいいね」

「ママのぞうすい、美味しい」

　シシとチェルは炊き立てのコメが好きだから、作ったことがなかったけど、2人は雑炊が気に入ったみたい。お腹が空いていたのもあるけど、お鍋にたくさんあった雑炊をペロッと食べてしまった。
　
「よかった。今度からコメを多めに炊いて、アイテムボックスへ、しまっておけばいいわね」

　食べ終わった食器類を、エルフ達が使う洗い場を借りて洗い、アイテムボックスにしまい。私は使い古してボロボロのノートと。ノートをもう一冊取り出して、シシの元へと向かった。

　そこに。捌き終わったピヨピヨ鳥のお肉が置いてあったが、アギ達エルフはまだ慣れていないのか、まだ毒が残っていた。

「アーシャ、このお肉どう？」
　
「このお肉？　えーっと、はっきり言うわね。このお肉……まだ上手く捌ききれていないわ、ここと、この場所に毒が残ってる」

　シシに聞かれて、私は悪食のスキルを使い。
　分かるように、毒が残る箇所を指差しした。

　アギ達は私の話を真剣に聞き、自分たちが捌いたピヨピヨ鳥のお肉を食い入るように見つめ、指した箇所のお肉に包丁をいれた。

「毒はここと、ここか？」
　
「ええ、そうよ。ピヨピヨ鳥のハツの周りは毒がキツいから、お肉は厚めに切った方が、きっちり取ることができるわ。わからなかったら、このノートを見て」
　
　私は持ってきたボロボロのノートではなく、新しいノートを開いた。そのノートには私がいままで研究してきた薬草、花の種類と。魔物、動物の肉の捌き方が絵付きで詳しくのっている。