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シシの様子からして、あの森のどこかに精霊、エルフ、ドワーフの何かの種族が住んでいる。だけど……他の森とは違い、重い足取りのシシ。
「ハァ、いまの魔力はアイツだと知っている。今、森で何か悪さおしたアイツを呼び出すしかないが……僕はアーシャに触れられるのが嫌だ」
ボソッと面倒臭そうに嫌々な口調で言うと、シシは私を見た。いつもはあまり顔に出さないシシなのに――今回ばかりは、嫌々が顔に出ている。
「嫌そうだけど、そのアイツを呼ぶのは……そんなに大変なの?」
そう聞くと「少し待って」と、フェンリルのシシは人型に戻り服を着ると、子フェンリルのチェルの耳を塞いで話しはじめた。
「いやっ……魔力持ちで美人だと、向こうから勝手に寄ってくる。アイツはずっーと自分に似合う番を探しているんだ。だから、魔力があり、見目がいいと連れ去りかまい倒すが。その女性に興味がなくなると……元の場所に返して、新しい人を探す」
「興味がなくなると返して、新しい人を探す⁉︎ 勝手に自分の都合だけで攫っておいて……その女性の気持ちはどうなるの?」
そうだと、プンプン激しく頷くシシ。
「はじめは恐怖だが、優しくかまい倒されれば愛情も芽生えるが、嫌だと泣かれても興味がなくなると、急に冷たくなる。まあ、返すときに「コレだけあればしばらく過ごせる」って、お金は渡すみたいなんだけど……」
「お金で解決?」
このとき前世の夫だった人を思い出した。あの人もお金で解決しようとしていたことを。
『僕が悪い、慰謝料は君の言い分で払う。それで、しばらくは大丈夫だろう?』
――お金さえ払えば終わると?
そっちが勝手に他に好きな人を作っておいて……私の気持ちは? その一言で、彼との暮らしが、愛していた日々が、楽しかった日々全てにヒビが入り崩れていった。
思い出してしまい唇を噛むと。
ダン! とシシが地面を叩く。
「僕はそんな考え方は大嫌いだ……何度も、アイツに「やめろ」と言ったけど同じ種族、他の種族より人は肌が綺麗だからやめられない。そんなの自分の都合がいいように言っているだけ。人を、いや――愛してしまうと離したくなくなる、他の奴に触らせたくない、独り占めしたい!」
シシの瞳が私を見た――シシは私だけを愛してくれて、大切にしてくれる。それは息子のチェルもだ。だから、その人の考えが、シシにとって嫌でしかないんだ。
「私もよ、シシを他の人になんて触れられたくないわ。……わ、私だけの愛する人だもの」
シシは、話を聞かさないよう耳を塞いでいたチェルを抱っこして、そのまま私を抱きしめた。
しばらく抱きしめたシシ。
だが、シシは、その人を呼ぶには私が必要だと言う。
「キレイで、魔力も持つアーシャがマキロの森に入れば、すぐアホのように出てくると思うから、それを利用する。僕の魔力でアーシャの幻影を作って森に入らせる――奴に幻影でも触られるのが嫌だけど、アイツは食いつき姿を現したら僕が全力で捕まえる」
終始、嫌々な表情のシシはあまり乗り気はしないけど、さっきの奴の魔力は人を攫ったかも知らないから……この方法を使うと言った。
「ハァ、いまの魔力はアイツだと知っている。今、森で何か悪さおしたアイツを呼び出すしかないが……僕はアーシャに触れられるのが嫌だ」
ボソッと面倒臭そうに嫌々な口調で言うと、シシは私を見た。いつもはあまり顔に出さないシシなのに――今回ばかりは、嫌々が顔に出ている。
「嫌そうだけど、そのアイツを呼ぶのは……そんなに大変なの?」
そう聞くと「少し待って」と、フェンリルのシシは人型に戻り服を着ると、子フェンリルのチェルの耳を塞いで話しはじめた。
「いやっ……魔力持ちで美人だと、向こうから勝手に寄ってくる。アイツはずっーと自分に似合う番を探しているんだ。だから、魔力があり、見目がいいと連れ去りかまい倒すが。その女性に興味がなくなると……元の場所に返して、新しい人を探す」
「興味がなくなると返して、新しい人を探す⁉︎ 勝手に自分の都合だけで攫っておいて……その女性の気持ちはどうなるの?」
そうだと、プンプン激しく頷くシシ。
「はじめは恐怖だが、優しくかまい倒されれば愛情も芽生えるが、嫌だと泣かれても興味がなくなると、急に冷たくなる。まあ、返すときに「コレだけあればしばらく過ごせる」って、お金は渡すみたいなんだけど……」
「お金で解決?」
このとき前世の夫だった人を思い出した。あの人もお金で解決しようとしていたことを。
『僕が悪い、慰謝料は君の言い分で払う。それで、しばらくは大丈夫だろう?』
――お金さえ払えば終わると?
そっちが勝手に他に好きな人を作っておいて……私の気持ちは? その一言で、彼との暮らしが、愛していた日々が、楽しかった日々全てにヒビが入り崩れていった。
思い出してしまい唇を噛むと。
ダン! とシシが地面を叩く。
「僕はそんな考え方は大嫌いだ……何度も、アイツに「やめろ」と言ったけど同じ種族、他の種族より人は肌が綺麗だからやめられない。そんなの自分の都合がいいように言っているだけ。人を、いや――愛してしまうと離したくなくなる、他の奴に触らせたくない、独り占めしたい!」
シシの瞳が私を見た――シシは私だけを愛してくれて、大切にしてくれる。それは息子のチェルもだ。だから、その人の考えが、シシにとって嫌でしかないんだ。
「私もよ、シシを他の人になんて触れられたくないわ。……わ、私だけの愛する人だもの」
シシは、話を聞かさないよう耳を塞いでいたチェルを抱っこして、そのまま私を抱きしめた。
しばらく抱きしめたシシ。
だが、シシは、その人を呼ぶには私が必要だと言う。
「キレイで、魔力も持つアーシャがマキロの森に入れば、すぐアホのように出てくると思うから、それを利用する。僕の魔力でアーシャの幻影を作って森に入らせる――奴に幻影でも触られるのが嫌だけど、アイツは食いつき姿を現したら僕が全力で捕まえる」
終始、嫌々な表情のシシはあまり乗り気はしないけど、さっきの奴の魔力は人を攫ったかも知らないから……この方法を使うと言った。
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