女神様の間違いで落とされた、乙女ゲームの世界で愛を手に入れる。

にのまえ

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 俺がこの世界に来て四年目の春を迎えた。そんな春先――ギルドの情報によれば隣国の戦争も終戦したらしい。ようやくサロンナばあさんの調合屋にも、調合の素材がようやく入ってくるようになり。欲しい分の、抑制剤を買うことができるようになった。

(これにはマジで助かっている)

 オメガのヒートは終わるまで体が疼く。この前、興味本位で尻穴を指の腹ではじめて触ってみた……ゾクゾク体が痺れる感覚。こんな所が気持ちいいなんて知らなかった。

(クセになりそうだ)

 女神の間違いのせいでオメガになってから、女性を抱く想像より。誰かの胸に組み敷かれて……尻穴を熱い杭でグジュグジュに犯される想像をしてしまう。

 その妄想だけで何度も己の杭を擦り、精を放った。
 ヒートが終わればその妄想も一旦収まるのだが……一度、経験したいと思う自分がいる。



 ♱♱♱




 今日は熊クマ食堂の休みの日。
 早朝の店から――シュリンフライが揚がるいい音と、香りが厨房から漂っていた。なんでも近くのシガリアの森の奥。凶暴なモンスターがでる古代遺跡付近へ王都から王族に従える騎士団長、副団長を始め。選ばれた第一、第二騎士団が三十名、森に天幕を張り演習を行うらしい。

 騎士団の彼らは熊クマ食堂のシュリンフライが気に入っていて、団体で演習にやって来るさい大量の注文が入る。前々日に騎士団から連絡を受け、早朝四時から熊クマ店の厨房で手伝っていた。 

「マヤさん、エビの殻剥き終わったよ!」
「ありがとう! 次、キャベツの千切りお願い」
「わかった」
「タヤ、キャベツここに置いたからな」
「ありがとう」

 騎士団達が外でも食べやすいよう、一口サイズに切ったサンドイッチ。揚げたてのシュリンフライ、薄焼した卵とキャベツ、ソースとタルタルソースをたっぷり塗りパンで挟む。いつものシュリンサンドよりも豪華なサンドイッチ、この演習の時にしか味わえないオレの大好物の一つだ。

 後、卵たっぷりサンドと野菜サンドも作り、コンポタージュ、紅茶も人数分を大量に用意した。三十人分の騎士団の昼食か……男ばかりだからすごい量だ。

「タヤ、騎士団が昼食を取りに来たら呼んでくれ。それと、ちゃんとギルドで依頼受けてきたか?」

「はい、Eランクに昇格するための試験と、古代遺跡の近くに生える、ピピン草の採取を受けてきました」

「あら、タヤったら、ちゃっかりしているわね」

「俺一人じゃ、古代遺跡まで採取に行けないし。昇格試験も一人じゃ無理なんで……よろしくお願いします」

 私たちに任せなさいと、オレよりランクが高いマヤ、シンギは笑った。Eランクへの昇格試験はニャッチ十匹倒すと言うもの。オレには一匹か二匹が限度。お昼を運ぶついでにランクの高い、シンギとマヤに手伝ってもらうことになった。
 
 オレの冒険者のランクがEランクになれば。特典でスキルを一つ覚えられし、採取場所が広がる。取るスキルは採取スキルで抑制剤の調合に必要な材料を、自力で採取できるようになる。

(魔法水は上級過ぎて無理だけど。使用する薬草が集められるようになれば、抑制剤の値段がいまよりぐーんと安くなる!)

 それが嬉しくて、オレは朝から張り切っていた。

 回復(ヒール)しかないオレにとって、スキルがひとつ覚えれるのはありがたい。昼食を一緒に運んでくれる、騎士団をウキウキしながら、熊クマ食堂で待っていた。
 

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