女神様の間違いで落とされた、乙女ゲームの世界で愛を手に入れる。

にのまえ

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 女性は熊クマ食堂に案内すると店を見上げて。「これが熊クマ食堂なんだ」と喜んでいるようだ。

 ――そして。

「ゲームに中では店の名前しか出なかったから……外観まではわからなかった、なんだか感動する。私、本当にあの乙女ゲームの世界にいるんだ」

「……乙女ゲーム?」

「あ、お気になさらず、こちらの話ですわ。あの、あなたに聞きたいことがあるのだけと、聞いてもよくて?」

「オレに聞きたいこと?」

 頷くお嬢様に店が終わってからでもいいか? と聞いた。ええ、店の中で持つと言ったのでオレは、お嬢様に3時に閉店すると伝え、仕事に戻ることにした。

「それでは後で……」

 店内に入っていくお嬢様を見送り、オレは店の裏口に回り、シンギとマヤに戻ったと声をかけた。
 
「戻ったか、タヤ。帰りが遅かったが……サロンナの腰はそんなに悪かったのか?」

「おかえりなさい、それなら後で見に行こうかしら?」

「いや、店に戻るのが遅れたのは……今お客様として来ている、お嬢様に商店街の中で出会い頭にぶつかってしまって……話をしていて遅れました」

 2人はオレの話を聞き、シンギは暖簾越しに奥に触る令嬢を見て、マヤは注文を取りに行った。
 
「シュリンサンドイッチひとつと、紅茶をくださる」

「かしこまりました」

 注文を受け、調理をはじめたシンギはタヤに。

「それで、あの席のお嬢様は怪我をしていないんだな。まあ、タヤは回復魔法が使えるから……大丈夫だと思うが。貴族令嬢に怪我させると慰謝料だとか、傷害の罪で牢屋に入れられたりと、えらい目に遭うぞ」

「えっ、その話ほんと……?」

 頷いたシンギにタヤは焦ったが、とうのお嬢様は注文して届いた海老フライ、サンドイッチ(シュリンフライのサンドイッチ)をおいしそうに食べていた。

「……怪我をさせなくてよかった」

「ほんとうだな。しかし、こんな王都から離れたさびれた町に来るなんて、どこのもの好き令嬢なんだろうな」
 
「そうね。あの高価なドレスからして伯爵、公爵令嬢かしら?」

 伯爵? 公爵? 貴族のことはよくわからないけど……さっきお嬢様が言っていた、乙女ゲームの言葉が気になる。オレはお嬢様の話を聞きたいと思った。

「すみません。海老フライ……シュリンサンドイッチもうひとつ、よろしいかしら?」

 ――いま、海老フライっていったよな。

「はい、しばらくお待ちください」

 2人が、シュリンサンドの調理に入るなか。オレもお昼をお願いすることにした。あのお嬢様、絶対にこの人はオレと同じ転生者だと思う。

「シンギさん、俺のサンドイッチもいいですか」
「ん? ああ、タヤも昼まだだったな、いま作るから待っていろ」

 この女性を観察しながら、シュリンサンドを待つことにした。
 

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