魔力なし悪役令嬢の"婚約破棄"後は、楽しい魔法と美味しいご飯があふれている。

にのまえ

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魔法屋での話④(シエル・ラエル・子犬)

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 ルーを見送り。魔法屋に残った俺たちはこれからの事を話を始めた。それは夜な夜な子犬におとずれる胸の痛みと高熱……ナタリーの呪い。

 この呪いは特殊で直ぐに解除はできない。やはり直ぐに国に帰り、かけた本人に呪いを解かせるしかないな。

「兄貴、ストレーガ国に帰ろう」

 ラエルの言葉に俺は頷く、この話に関してはラエルの意見に賛成しか無い。
 
「いろんな解除方法を試したが、この呪いは俺たちには解けない。子犬――ベルーガのことを考えるなら、ストレーガ国に帰るしかない」

 子犬はしゅんと頭を下げた。

「……ごめん、シエル」

「バカ、謝るな。ルーはもちろん大事だけと、お前の命も大切なんだ」

 ――近々、ルーに国に帰ると話すしかないか。

「3日後の休みにルーに話す。ラエル、ベルーガ、もし、ルーが俺達に着いてきたいと言ったら……連れて行ってもいいか?」

「オレはかまわん、ルーチェちゃんに抱っこしてもらう」

 落ち込んでいたはずなのに抜け抜けとこの王子は。

「僕もいいよ。彼女に変わった料理を作ってもらいたい」

 やっぱりか……優しいルーを2人して気に入ったんだな――絶対にどちらにも渡す気はない。

「話は決まったな。俺はいつもの鎮痛魔法を子犬にかけて、城に帰るよ」

 あまり効果が見えないが「鎮痛魔法」は子犬の呪いの効果を遅くする。魔法をかけて俺は城へと帰った、本や書類、色んなものが溢れた俺の研究室。
 
「まずは部屋の片付けから、始めないとな」
 
 次の日の朝、ラエルの使い魔ガットから報告があった。昨日の夜――魔法屋に泊まった子犬。その夜は胸の痛み熱もでず、ぐっすり眠れたと俺に伝えた。

 ――まさか、偶然か?

 まだ信憑性はないが。俺はある仮説を打ち出した、俺の胸にあった火傷のあとが消えた日。子犬の呪いが発動しなかった昨日、どちらにもルーが側にいた。 
 
 もしかすると……ルーには癒しの力があるのか? 嫌々、早まるな――学園のときは何もなかったじゃないか。

 いつだ、いつ、ルーの魔法の力が開花した? カロールと婚約破棄したときか? 魅力魔法を壊し、それから徐々に魔法に触れて魔力が開花していった。――だとしたらまずくないか、この事をアンサンテ国に知られれば、王家はルーを手放さなくなる。

 ――癒しの力は珍しすぎる。

 いまはまだ俺だけの考えでしかない。……少し、嫌だが子犬で実験をするか。ラエルの使い魔ガットを呼びラエルへの言付けを頼む。すぐに弟は俺の提案に乗り"やってみよう"と返事が返ってきた。

「フウッ、研究室の掃除は明日にするか……」

 さいきん、カロールは俺を「ルーチェ様、捜索隊」に呼ばなくなった。代わりにルーの弟――イアンをお供に連れていっているようだ。イオンは俺よりも従順で、奴の方が使えるのだろう。

 それはいいとして、昨日一つ妙なことがあった。
 カロールに呼ばれなくなったが、気になってウルラに頼みカロールを見張っていた。そこに、いつもは顔をださない国王陛下と王妃がにこやかに見送りにでていた。

 ――どうなっている?

 最近、カロールの執務が滞り始めて口うるさく「探すのを止めなさい」と忠告をしていた陛下と王妃が「ちゃんと、探すのよ」「しっかりやりなさい」と、カロールに言っていた。

 ウルラからみえた陛下と王妃に掛けたれた【操りの紋】――カロールの奴め、どうやら腕利きの魔術師を雇ったようだ……自分の両親にかけるなど人として終わっているが。俺としてはこのアンサンテ国が潰れようが、無くなろうがどうでもいい。

 これなら。いきなりカロールに呼ばれることもなさそうだ。ウルラを呼び戻して、俺はすぐに魔法屋に行き子犬にルーの事を話した。奴も実験に乗り気なのか、楽しそうに返事をする。

 ――俺はその子犬に。

「よーく聞け。ルーに必要以上触るな、舐めるなよ」

「わかってるって、ルーチェちゃんの側で一緒に寝ればいいんだろ?」

 あっけらかんと答えた子犬に少しムカついたが、これは実験だと考えることにした。
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