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男聖女が甘く噛む
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◆◆◆◆◆
俺はブリギッタ殿下の首筋に、はむっと噛みついた。途端に、殿下がびくりと体を震わせた。
「んっ゛・・あぁっ!」
「んむ?」
俺に噛まれた第二王子は、ちょっぴり妖しげな声を出した。俺がちらりと視線を向けると、殿下が口に手を添えて必死に声を圧し殺している。
はむはむ。はむはむ。
「うっ、ぐっ・・くっ!」
「んっ~」
おう!?ブリギッタ殿下の体が、火照ってきたぞ。マジか?首筋を噛んでるのは、三十歳の男だぞ?一応、聖女だけど。
「ぐっぅ、ぐっ!」
「ん~っ!?」
ま、まさか・・第二王子は俺と同じく童貞なのか!?この初すぎる反応はまさに童貞!おお、何だか共感できる。
「ん!」
おっと、唾液をたらたらさせている場合ではない。聖女の役目を果たさねば。しかし、首筋フェチ魔術師の野郎・・意外とやるな。
はむはむ。はむはむ。
「ぐっぁ。む、無理だ。ウルスラ・・俺に猿ぐつわを咬ませてくれ。こ、声が漏れる。うぐっ!」
「分かった、ブリギッタ。いえ・・ブリギッタ殿下、少々お待ち下さい」
なるほど。魔方陣が一定以上成長すると、呪いが体内に刻まれるのか。このまま魔方陣を砕いても、呪いは体内に残り成長するってことね。
「今から猿ぐつわを咬ませます」
はむはむ。はむはむ。
「んっ、待て!ウルスラ、いま上着の隠しから・・猿ぐつわを出したよな?常に、用意しているのか?うぐっ、大丈夫なのか、お前?変なプレイに使った物ではないだろうな?」
よし、呪い自体を砕くか。呪いに触れるのはあまり好きじゃないが、しかたないな。
「おい、ブリギッタ!失礼だぞ。俺は度々拷問を受けているが、慣れることはなくつい悲鳴をあげてしまう。その為、拷問の際には猿ぐつわをすることで矜持を保っている。ちなみに、これは新品だから安心しろ」
「そ、そうか。分かった、ウルスラ。それでは・・頼む」
「承知した」
はむはむ。はむはむ。
「ぐっ・・」
あれ?いつの間にか、ブリギッタ殿下が猿ぐつわを咬んでるんだけど。なにしてんの?なにしてんの?いや、今は深く考えるのはよそう。
今は殿下に刻まれた呪いを砕くのみ。よし、強めに首筋を噛む!
はむはむ、がりっ。
「ぐっ!?」
「ん~」
よし、捉えた。呪いの本体。
◇◇◇
剣の切っ先。
向かう先は、パウル陛下の背中。
「パウル陛下、死んでください」
飛び散る真っ赤な血液。
返り血を浴びた、ブリギッタ殿下。
◇◇◇
砕けろ呪い!
パリン
「んんっ!?」
「ふぁ~、お疲れ様です、殿下~」
俺はよだれをだらだら溢しながら、ブリギッタ殿下の首筋から唇をはなした。ウルスラに視線を向けると、即座に濡れタオルをくれる。
「ありがとう、ウルスラ」
俺はオッサンらしく顔全体を濡れタオルでふきふきしながら、唇を噛み締めていた。
呪いの正体は精神を犯すものだった。
陛下にも同じ呪いの魔方陣が刻まれていた事を考えると・・同母兄弟で殺し合いをさせるつもりだったのか?
◆◆◆◆◆
俺はブリギッタ殿下の首筋に、はむっと噛みついた。途端に、殿下がびくりと体を震わせた。
「んっ゛・・あぁっ!」
「んむ?」
俺に噛まれた第二王子は、ちょっぴり妖しげな声を出した。俺がちらりと視線を向けると、殿下が口に手を添えて必死に声を圧し殺している。
はむはむ。はむはむ。
「うっ、ぐっ・・くっ!」
「んっ~」
おう!?ブリギッタ殿下の体が、火照ってきたぞ。マジか?首筋を噛んでるのは、三十歳の男だぞ?一応、聖女だけど。
「ぐっぅ、ぐっ!」
「ん~っ!?」
ま、まさか・・第二王子は俺と同じく童貞なのか!?この初すぎる反応はまさに童貞!おお、何だか共感できる。
「ん!」
おっと、唾液をたらたらさせている場合ではない。聖女の役目を果たさねば。しかし、首筋フェチ魔術師の野郎・・意外とやるな。
はむはむ。はむはむ。
「ぐっぁ。む、無理だ。ウルスラ・・俺に猿ぐつわを咬ませてくれ。こ、声が漏れる。うぐっ!」
「分かった、ブリギッタ。いえ・・ブリギッタ殿下、少々お待ち下さい」
なるほど。魔方陣が一定以上成長すると、呪いが体内に刻まれるのか。このまま魔方陣を砕いても、呪いは体内に残り成長するってことね。
「今から猿ぐつわを咬ませます」
はむはむ。はむはむ。
「んっ、待て!ウルスラ、いま上着の隠しから・・猿ぐつわを出したよな?常に、用意しているのか?うぐっ、大丈夫なのか、お前?変なプレイに使った物ではないだろうな?」
よし、呪い自体を砕くか。呪いに触れるのはあまり好きじゃないが、しかたないな。
「おい、ブリギッタ!失礼だぞ。俺は度々拷問を受けているが、慣れることはなくつい悲鳴をあげてしまう。その為、拷問の際には猿ぐつわをすることで矜持を保っている。ちなみに、これは新品だから安心しろ」
「そ、そうか。分かった、ウルスラ。それでは・・頼む」
「承知した」
はむはむ。はむはむ。
「ぐっ・・」
あれ?いつの間にか、ブリギッタ殿下が猿ぐつわを咬んでるんだけど。なにしてんの?なにしてんの?いや、今は深く考えるのはよそう。
今は殿下に刻まれた呪いを砕くのみ。よし、強めに首筋を噛む!
はむはむ、がりっ。
「ぐっ!?」
「ん~」
よし、捉えた。呪いの本体。
◇◇◇
剣の切っ先。
向かう先は、パウル陛下の背中。
「パウル陛下、死んでください」
飛び散る真っ赤な血液。
返り血を浴びた、ブリギッタ殿下。
◇◇◇
砕けろ呪い!
パリン
「んんっ!?」
「ふぁ~、お疲れ様です、殿下~」
俺はよだれをだらだら溢しながら、ブリギッタ殿下の首筋から唇をはなした。ウルスラに視線を向けると、即座に濡れタオルをくれる。
「ありがとう、ウルスラ」
俺はオッサンらしく顔全体を濡れタオルでふきふきしながら、唇を噛み締めていた。
呪いの正体は精神を犯すものだった。
陛下にも同じ呪いの魔方陣が刻まれていた事を考えると・・同母兄弟で殺し合いをさせるつもりだったのか?
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