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旦那の伊右衛門と若旦那の吉兵衛
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◆◆◆◆◆
散花と弥太郎は陰間茶屋に戻ると、裏口から茶屋に入った。すると、土間まで旦那の怒鳴り声が聞こえて、二人は顔を見合わせる
どうやら、蔦屋の旦那が息子の吉兵衛を叱っているらしい。散花と弥太郎は恐る恐る茶屋の旦那の部屋に向かう。そして、しばらく部屋の前で待つことにした。
「このドラ息子が!桔梗屋の旦那は出入り禁止やって、あんなけ言うたのに。金に目が眩んで陰間を差し出すとは!やっぱりどっかに奉公に出して、鍛え直してもらうしかないな、吉兵衛!」
「父上、すんません!申し訳ないです。もう二度としませんので許して下さい(´Д⊂グス」
茶屋の旦那の伊右衛門の息子可愛がりは有名だ。だが、今回の件で堪忍袋の緒が切れたらしい。
「‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥。」
襖越しに親子のやり取りを聞く散花は、落ち着かずソワソワしていた。その様子に気がついた弥太郎が、そっと散花の手を握る。
「あっ‥‥」
「もうすぐ説教が終わりそうや、散花」
弥太郎が耳元でそう囁いたので、散花は黙って頷く。実際、弥太郎の勘は当たっていた。
「しばらく部屋で謹慎しとき」
「はい、父上‥‥。」
その言葉の後に襖が開いて若旦那が姿を見せた。吉兵衛は冴えぬ顔で二人の顔を見た後は、ふらふらと廊下を歩いて行った。
「おう、二人共帰ったか。ご苦労さんやったね。お茶出すから部屋にお入り」
二人に気がついた茶屋の旦那の言葉は柔らかかった。だが、散花も弥太郎も躊躇う。茶屋の旦那は陰間の仕込みもする為、二人は幾度も旦那に抱かれて鳴かされていた。その過去が二人の腰を重くする。
「ほら、はよ入り」
「失礼します」
「旦那さま、失礼します」
散花と弥太郎は複雑な気持ちを押し殺し部屋に入った。
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散花と弥太郎は陰間茶屋に戻ると、裏口から茶屋に入った。すると、土間まで旦那の怒鳴り声が聞こえて、二人は顔を見合わせる
どうやら、蔦屋の旦那が息子の吉兵衛を叱っているらしい。散花と弥太郎は恐る恐る茶屋の旦那の部屋に向かう。そして、しばらく部屋の前で待つことにした。
「このドラ息子が!桔梗屋の旦那は出入り禁止やって、あんなけ言うたのに。金に目が眩んで陰間を差し出すとは!やっぱりどっかに奉公に出して、鍛え直してもらうしかないな、吉兵衛!」
「父上、すんません!申し訳ないです。もう二度としませんので許して下さい(´Д⊂グス」
茶屋の旦那の伊右衛門の息子可愛がりは有名だ。だが、今回の件で堪忍袋の緒が切れたらしい。
「‥‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥‥。」
襖越しに親子のやり取りを聞く散花は、落ち着かずソワソワしていた。その様子に気がついた弥太郎が、そっと散花の手を握る。
「あっ‥‥」
「もうすぐ説教が終わりそうや、散花」
弥太郎が耳元でそう囁いたので、散花は黙って頷く。実際、弥太郎の勘は当たっていた。
「しばらく部屋で謹慎しとき」
「はい、父上‥‥。」
その言葉の後に襖が開いて若旦那が姿を見せた。吉兵衛は冴えぬ顔で二人の顔を見た後は、ふらふらと廊下を歩いて行った。
「おう、二人共帰ったか。ご苦労さんやったね。お茶出すから部屋にお入り」
二人に気がついた茶屋の旦那の言葉は柔らかかった。だが、散花も弥太郎も躊躇う。茶屋の旦那は陰間の仕込みもする為、二人は幾度も旦那に抱かれて鳴かされていた。その過去が二人の腰を重くする。
「ほら、はよ入り」
「失礼します」
「旦那さま、失礼します」
散花と弥太郎は複雑な気持ちを押し殺し部屋に入った。
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