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イケメン眼鏡アルファ
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◆◆◆◆◆
三日月アドバイザーが親の敵でも討つような形相で、『寿屋』の玄関を飛び出した。俺も慌ててあとを追う。
「まって、三日月さん!」
「オメガとの初デートに軽自動車ですよ!軽トラでなかったのが救いですが、マイナス百点です!」
三日月が階段を駆け下りて、建物前の駐車場に向かう。だが、三日月は唸り声を上げて突然立ち止まった。
「なんだ、あれは?駐車に苦慮している?いや、アルファ性ならば駐車枠に一発で駐車させるはず。ううむ、性別の精密検査が必要かもしれない」
確かに件の軽自動車は駐車に苦慮している。そして、少しズレた位置で停車した。もしや、運転初心者?まあ、俺は運転免許さえ持ってないけどね。
俺と三日月アドバイザーが見守る中で、軽自動車から山崎栄一が現れた。アルファ性に相応しい見事な体躯。整った顔立ちに雄を感じる瞳とくちびる。黒髪は艶っぽく色気がある。そして、眼鏡!眼鏡アルファだ!貴重だ!
「こ、好み!」
「いけません、暁月さま。アルファを付け上がらせる言葉を、不用意にくちにしない!暁月さま、ネックチョーカーを弄らない!」
しまった。自然にネックチョーカーを弄っていた。コレははしたない行為だ。俺は三日月の指摘に従いチョーカーから手を離した。
そのタイミングで、山崎さんが眼の前に現れる。俺を見つめた彼は優しく微笑んで言葉を発する。
「暁月優斗さん、遅れて申し訳ありません。お写真は拝見していましたが、実物はさらに可愛らしいお方だ。貴方とマッチングした私は、幸せ者です」
「あわ、ああっ。ありがとうございます。山崎栄一さんは、眼鏡素敵です!写真写りが最悪で心配していましたが、全てが良い感じです!しかも眼鏡アルファは珍獣レベルの珍しさに、感動オタクです!」
駄目だ。興奮してうまく伝えられなかった。山崎さんが困り顔だ。うーお。
「詐欺師だと決定しました、暁月さま」
「はい?」
俺を庇うように三日月さんが前に出る。そして、山崎さんを睨みつけて口を開く。
「体格と発せられるオーラから、山崎さまがアルファ性であることは疑いないようですね。精密検査を検討していましたが、それは省きます。」
「貴方は暁月さん担当の婚活アドバイザーですね。名前は‥‥」
「三日月です。なるほど、不要な人物の名は覚える必要はないと。さすがは、アルファ性だけのことはある。」
「‥‥それは邪推ですよ、三日月さん」
山崎さんの眉が跳ね上がった。おおっ、アルファ性らしい攻撃性!
「やはり気位の高さは‥‥隠せないようですね?そのアルファの貴方が、初対面のオメガ性に対して下手に出た!アルファ性がオメガ性に対して下手に出るのは詐欺師だけです。よって、貴方を詐欺師と判断しました。私は暁月さまの保護者として、このマッチングの無効を要求いたします!」
「ほう‥‥ベータの分際でアルファに逆らうつもりか?お前を排除するよう、厚生労働省の幹部に圧力をかけることは可能だが‥どうしたものかな?」
山崎栄一が凶暴な顔つきになる。ひー、ちょっとまて。マッチングしたの俺なんだけど。俺は蚊帳の外で、アルファとベータが全面対決してる~( ;∀;)
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三日月アドバイザーが親の敵でも討つような形相で、『寿屋』の玄関を飛び出した。俺も慌ててあとを追う。
「まって、三日月さん!」
「オメガとの初デートに軽自動車ですよ!軽トラでなかったのが救いですが、マイナス百点です!」
三日月が階段を駆け下りて、建物前の駐車場に向かう。だが、三日月は唸り声を上げて突然立ち止まった。
「なんだ、あれは?駐車に苦慮している?いや、アルファ性ならば駐車枠に一発で駐車させるはず。ううむ、性別の精密検査が必要かもしれない」
確かに件の軽自動車は駐車に苦慮している。そして、少しズレた位置で停車した。もしや、運転初心者?まあ、俺は運転免許さえ持ってないけどね。
俺と三日月アドバイザーが見守る中で、軽自動車から山崎栄一が現れた。アルファ性に相応しい見事な体躯。整った顔立ちに雄を感じる瞳とくちびる。黒髪は艶っぽく色気がある。そして、眼鏡!眼鏡アルファだ!貴重だ!
「こ、好み!」
「いけません、暁月さま。アルファを付け上がらせる言葉を、不用意にくちにしない!暁月さま、ネックチョーカーを弄らない!」
しまった。自然にネックチョーカーを弄っていた。コレははしたない行為だ。俺は三日月の指摘に従いチョーカーから手を離した。
そのタイミングで、山崎さんが眼の前に現れる。俺を見つめた彼は優しく微笑んで言葉を発する。
「暁月優斗さん、遅れて申し訳ありません。お写真は拝見していましたが、実物はさらに可愛らしいお方だ。貴方とマッチングした私は、幸せ者です」
「あわ、ああっ。ありがとうございます。山崎栄一さんは、眼鏡素敵です!写真写りが最悪で心配していましたが、全てが良い感じです!しかも眼鏡アルファは珍獣レベルの珍しさに、感動オタクです!」
駄目だ。興奮してうまく伝えられなかった。山崎さんが困り顔だ。うーお。
「詐欺師だと決定しました、暁月さま」
「はい?」
俺を庇うように三日月さんが前に出る。そして、山崎さんを睨みつけて口を開く。
「体格と発せられるオーラから、山崎さまがアルファ性であることは疑いないようですね。精密検査を検討していましたが、それは省きます。」
「貴方は暁月さん担当の婚活アドバイザーですね。名前は‥‥」
「三日月です。なるほど、不要な人物の名は覚える必要はないと。さすがは、アルファ性だけのことはある。」
「‥‥それは邪推ですよ、三日月さん」
山崎さんの眉が跳ね上がった。おおっ、アルファ性らしい攻撃性!
「やはり気位の高さは‥‥隠せないようですね?そのアルファの貴方が、初対面のオメガ性に対して下手に出た!アルファ性がオメガ性に対して下手に出るのは詐欺師だけです。よって、貴方を詐欺師と判断しました。私は暁月さまの保護者として、このマッチングの無効を要求いたします!」
「ほう‥‥ベータの分際でアルファに逆らうつもりか?お前を排除するよう、厚生労働省の幹部に圧力をかけることは可能だが‥どうしたものかな?」
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