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アルファとオメガとベータ
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◆◆◆◆◆
「いらっしゃいませ~ー、え?ひぃ、アルファーーー、あ、あの、あぁ、て、店長をお呼びしますぅ、しぱらくお待ち下さいー!」
サイゼリヤの店内に入った途端にコレだ。
可愛い女ベータの店員さんは、俺たち‥‥というよりアルファを見て動揺した。そして、何故か店長を呼びにスタッフルームに駆け込んでしまう。
「‥‥なるほど」
「なるほど?」
山崎アルファが『なるほど』と呟いたので、俺はそのまま聞き返した。
「時期が悪かったかもしれない。」
「時期とは?」
「サイゼリヤグループの親会社は珍しくベータ資本なのだが、アルファ資本の会社が敵対的買収を仕掛けて騒動になっている」
「えっ、そうなの?知らなかった!」
俺は初めて知った事実に驚く。サイゼリヤの親会社がベータ資本であることも知らなかった。だから、サイゼリヤはベータの聖地と呼ばれているのか。
「初めて知ったようだね。優斗さんもあまりニュースをみないのかな?」
アルファの言葉に反発を覚えて俺は俯く。それを不審に感じたのか、山崎さんが俺の顔を覗いてきた。
「どうしましたか、優斗さん」
β『やはりアルファは無神経ですね』
「え!?」
「わ、ちょっと待って!今のは俺の発言ではなく、チョーカー経由の三日月さんの声ですから、山崎さん!」
俺がネックチョーカーを指先で小突くと、山崎は納得して頷く。だが、その顔は厳しい。
「了解した。では、三日月に尋ねる。『アルファは無神経』と君は言ったがどういう意味だ?」
β『先程、山崎さまはこう仰った。「優斗さんもあまりニュースを見ないのか」と。これは、明らかにオメガに対する蔑視が含まれています。おそらく無意識のことでしょうが、婚活相手に対する配慮が足りません。』
「三日月さん‥‥」
ドキューン❥❥ってきた。三日月さんの指摘通りだったから。長い歴史の中で、オメガは世間の情勢を知ることを禁じられてきた。ただ番ったアルファに従う事のみを望まれた長い歴史がある。
今は是正されてオメガも自由になった。それでも積極的に世間の事を知ることは、はしたないとされている。それが歯がゆくも、結局その風潮に従う己がいる。
「なるほど‥‥三日月の指摘は正しいようだ。優斗さん、どうか顔を上げて下さい。私の言葉で貴方を傷つけた事をお詫びします」
「‥‥山崎さん」
「申し訳ない」
アルファがオメガに頭を下げる。そんな姿は見たこと無い。
「駄目です、山崎さん。オメガに頭を下げるなんて‥‥駄目です」
俺は山崎の腕を掴んで頭を上げるように促す。すると、山崎は顔を上げて真剣な表情で俺を見つめる。
「私はオメガに頭を下げたことがない。そのように教育されてきた。だが、貴方を喪うくらいなら‥‥頭くらい下げる。優斗さんを逃したくない。」
ズギューン❥❥❥ってきた。メガネのアルファが俺を欲してくれている。これは‥‥脈アリなんじゃないの?
その時だった。男の遠慮気味の咳払いが聞こえた。俺と山崎は同時に視線を向ける。
「サイゼリヤの店長の早乙女と申します。アルファさまにおかれましては、どのようなご用向きでのお立ち寄りでしょうか?」
なんか‥‥完全なる拒絶を感じる。
◆◆◆◆◆
「いらっしゃいませ~ー、え?ひぃ、アルファーーー、あ、あの、あぁ、て、店長をお呼びしますぅ、しぱらくお待ち下さいー!」
サイゼリヤの店内に入った途端にコレだ。
可愛い女ベータの店員さんは、俺たち‥‥というよりアルファを見て動揺した。そして、何故か店長を呼びにスタッフルームに駆け込んでしまう。
「‥‥なるほど」
「なるほど?」
山崎アルファが『なるほど』と呟いたので、俺はそのまま聞き返した。
「時期が悪かったかもしれない。」
「時期とは?」
「サイゼリヤグループの親会社は珍しくベータ資本なのだが、アルファ資本の会社が敵対的買収を仕掛けて騒動になっている」
「えっ、そうなの?知らなかった!」
俺は初めて知った事実に驚く。サイゼリヤの親会社がベータ資本であることも知らなかった。だから、サイゼリヤはベータの聖地と呼ばれているのか。
「初めて知ったようだね。優斗さんもあまりニュースをみないのかな?」
アルファの言葉に反発を覚えて俺は俯く。それを不審に感じたのか、山崎さんが俺の顔を覗いてきた。
「どうしましたか、優斗さん」
β『やはりアルファは無神経ですね』
「え!?」
「わ、ちょっと待って!今のは俺の発言ではなく、チョーカー経由の三日月さんの声ですから、山崎さん!」
俺がネックチョーカーを指先で小突くと、山崎は納得して頷く。だが、その顔は厳しい。
「了解した。では、三日月に尋ねる。『アルファは無神経』と君は言ったがどういう意味だ?」
β『先程、山崎さまはこう仰った。「優斗さんもあまりニュースを見ないのか」と。これは、明らかにオメガに対する蔑視が含まれています。おそらく無意識のことでしょうが、婚活相手に対する配慮が足りません。』
「三日月さん‥‥」
ドキューン❥❥ってきた。三日月さんの指摘通りだったから。長い歴史の中で、オメガは世間の情勢を知ることを禁じられてきた。ただ番ったアルファに従う事のみを望まれた長い歴史がある。
今は是正されてオメガも自由になった。それでも積極的に世間の事を知ることは、はしたないとされている。それが歯がゆくも、結局その風潮に従う己がいる。
「なるほど‥‥三日月の指摘は正しいようだ。優斗さん、どうか顔を上げて下さい。私の言葉で貴方を傷つけた事をお詫びします」
「‥‥山崎さん」
「申し訳ない」
アルファがオメガに頭を下げる。そんな姿は見たこと無い。
「駄目です、山崎さん。オメガに頭を下げるなんて‥‥駄目です」
俺は山崎の腕を掴んで頭を上げるように促す。すると、山崎は顔を上げて真剣な表情で俺を見つめる。
「私はオメガに頭を下げたことがない。そのように教育されてきた。だが、貴方を喪うくらいなら‥‥頭くらい下げる。優斗さんを逃したくない。」
ズギューン❥❥❥ってきた。メガネのアルファが俺を欲してくれている。これは‥‥脈アリなんじゃないの?
その時だった。男の遠慮気味の咳払いが聞こえた。俺と山崎は同時に視線を向ける。
「サイゼリヤの店長の早乙女と申します。アルファさまにおかれましては、どのようなご用向きでのお立ち寄りでしょうか?」
なんか‥‥完全なる拒絶を感じる。
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