婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々

月歌(ツキウタ)

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ネックチョーカーが外れる

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山崎は店長を追うのをやめて立ち止まる。そして、堂々と宣言した。

「優斗さんを他人に奪われたくない‥‥婚活デート初日にそう思ったのだから仕方ない。それが愛というものだろ?三日月アドバイザーには悪いが、私はこの婚活を成功させる。そして優斗さんを娶る!」

山崎の宣言に三日月ベータは苦い表情を浮かべた。そして、苦々しく呟く。

「くっ、本気か?」
「当たり前だ」

サイゼリヤの駐車場での修羅場は永遠に続くように思われた。だから、俺は三日月アドバイザーに話しかける。

「三日月さん。」

俺の言葉に三日月の視線が向く。

「暁月さま、貴方の同意がない行為はただの性暴力です。私は暁月さまの意思に従います。これは貴方の意思に合致していますか?もしそうなら、ネックチョーカーの留め金の鍵を遠隔で外します」

このネックチョーカー、鍵付きかよ!?
いや、それはどうでもいい。俺の思いを伝えないと‥‥。

「俺は本当は諦めてた。婚約者に運命の番が現れて奪われて。心は傷ついたし、もう恋はしないと思った。障害年金をもらえるし一人でも生きて生きる。婚活に失敗してもまあいいやって思ってた。でも、今は胸がドキドキしてる。これ、恋だと思う。オメガの本能が番われたいと思ってる。山崎栄一さんに娶られたい。」

俺の言葉に三日月アドバイザーが苦笑いを浮かべた。そして、少し笑って言う。

「番った後に婚姻なしはやめてくださいよ。私が左遷されますから」

そう言いながら三日月は、自らの首に装着したネックチョーカーに触れた。ピピっと音がすると、俺と三日月さんのネックチョーカーが同時に外れる。

地面に転がリ落ちるネックチョーカー。それを拾い上げる三日月。そして。

「あぁっ!」
「んっ」

俺は山崎に抱かれたまま首筋を噛まれていた。食込む牙が痛みと同時に快感を呼ぶ。体が熱くなりたまらず山崎の背中に爪を立てた。牙が抜ける。でも、体は熱いまま。

「店長、ホテルはどこだ?」

アルファが獣のように叫ぶ。ここ、路上ですけど。サイゼリヤの駐車場ですけどー!

「ラブホテルはサイゼリヤ店舗の隣にあります!あの金ピカの下品な城は、紛うことなきラブホテルです。温泉湧いてます!」

早乙女店長の言葉にアルファは頷き走り出す。

「感謝する!行きますよ、優斗さん」

「ひぃ、恥ずかしいのに嬉しいー~!」



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